外交団、出発
人数が多いので本当にざっくり解説
・エリー
人間族、心は女性、商人で外交員
・フェンディア
人間族、女性、神官
・洞人族
背が低くどっしりとした体格で、採掘や鍛冶仕事が得意、とても頑丈な体をしている
・アイセター氏族
犬人族、馬などの世話が得意
・マスティ氏族
犬人族、大柄で戦闘が得意
・パトリック達
人間族、男性、4人で一組
・クラウス
人間族、男性、東関所の主で、メーアバダル騎士
・サーヒィ
鷹人族、男性、嫁たくさん子沢山
・ニャーヂェン族
猫に似た大型種の獣人、密偵として働いている
・セキ・サク・アオイ
狐人族の少年達、母親は獣人国の参議
・ジュウハ
人間族 男性、隣領の軍師
・ペイジン一家
フロッグマン、隣国の商人
・ゴブリン族
サメの魚人族、領民になった者もいるが、ほとんどはただの協力者
・ピゲル爺
人間族、男性、名目上は謎の男性
・チャイ
鷹人族でサーヒィの子、弟妹は10人
・ダレル婦人
人間族、女性、マナー教師、旦那にエグモルト・ダレル
・ヒューバート
人間族 男性、メーアバダルの内政官、最近は知恵働きする人が増えて、忙しくなくなってきた
・ベン伯父さん
人間族、男性、神官、立派な神殿で悠々自適の日々
エリーが外交官として出立するとなって、随行員の編成が行われた。
まずエリー、エリーの補助かつ大メーアの教えを伝えるためにフェンディア、馬車などの手入れをするために洞人族の若者が1人、馬達の手入れをするためにアイセター氏族が3人、護衛としてマーフを始めとしたマスティ氏族10人とパトリック達4人とクラウス。
クラウスが不在になるのは痛手ではあるけども、見栄を張るためとかにそれなりに見栄えする護衛を揃える必要があるそうで……正式に騎士となったクラウスに行ってもらうことになった。
それといざという時の連絡役としてサーヒィと5人の鷹人族とニャーヂェン族が3人、ついでの行商をするためと参議であるキコとの繋ぎをするためのセキ、サク、アオイと、更にその護衛で犬人族が10人。
当然ジュウハ達も同行するし、ペイジン達も同行し手伝ってくれる。
そして……ゴブリン達も海側から手伝ってくれることになった。
エリー達の位置から一番近い海に常に待機してくれて、いざと言う時には海からの援護や、海からの逃走や帰還を手伝ってくれることになっている。
正式に外交に行って、まさかそんなことにはならないと思うが、それでも打てる手は打った方が良いと、ジュウハの強い賛成もあってそういうことになった。
何かがあったなら即サーヒィが飛び立ち、海の方向と距離を確認し、ゴブリンに事情を知らせ、ニャーヂェン達が経路を確保……後は海にたどり着けさえしたなら、ゴブリン達が回収し船に乗せてくれて、大入江まで運んでくれる……という訳だ。
似たようなことを一度やったことがある関係で準備も問題なし、船を隠すに良い場所……誰もいない孤島とかも、何箇所か見つけているそうで、問題は全くないようだ。
しかし……外交がそんな準備をしなければいけない程、危険なものとは思ってもいなかったので、驚かされたというか何というか……考えの甘さを痛感することになった。
『普通は下見やらコネ作り、拠点作りのための人員を事前に派遣して、安全な経路なんかも確保してからの話だからな、いきなり重鎮を送ったりはしねぇんだよ。
一昔前なんかは、そういう話が出るなり下っ端貴族が名乗りを上げて、私財を投じた上で決死の覚悟で他国に出向き、下準備を整えたりしたもんだが……最近はそういう貴族もいなくなったな。
それが上手くいけば陞爵、貴族として命と意地を張ったってんで爵位以上の名誉も得られるって貴族としての本領……のはずだったんだがな』
と、ジュウハが言うにはそういうことらしかった。
ちなみにだが、ピゲル爺も同行したいとの声を上げていたが……ジュウハを始めとした皆の大反対でそれはなしになった。
ピゲル爺が言うには、相応の助言も出来るし、ピゲル爺しか知らないような王都の事情を絡めた交渉も出来るし、かつての蛮行の謝罪という意味なら尚の事ピゲル爺が行くべき……とのことだったが、正体がバレる可能性も大きく、安全も確保出来ない……とのことで皆が大反対をしたという感じだ。
……更に言うのなら、ジュウハがこっそりと『ピゲル爺には外交をさせるな』と伝えてきたのも理由の一つだった。
外交の才能が無いという訳ではないのだけど、外交運が無いと言ったら良いのか、変な所で余計な騒動を、全く意図せず起こしてしまう節があるとかで、外交の場には出さない方が無難……なんだそうだ。
そういう訳で、相応の数の馬車と物資が用意されることになり……予想以上の人数ということもあって、数日の準備期間が必要になったりもしたけども、元々準備を進めていたこともあって、問題なく揃えることが出来た。
そして……出立。
エルダンにも負けない規模の馬車列が出来上がり、メーアバダルのバナーを下げた一番立派な……洞人族が作り上げたばかりの最新の馬車が先頭を行く形で、獣人国へと……西へと旅立っていく。
「頑張ってこいよー!!」
と、そう声を上げながら手を振って見送り……見送りが終わったなら仕事をこなすために広場へと戻っていく。
そんな私の後ろには結構育った……まだまだ雛ではあるが、大人の鷹人族に似た姿となったチャイと、その後に続くチャイの弟妹や、他の鷹人族の子供達の姿がある。
その数は全部で20人、こちらはまだまだ雛の姿で……ガチョウの雛と変わらない可愛さを振りまきながら私の後を追いかけてくる。
この雛達の面倒を見て守ってやるのが、エリー達が不在の間の私の仕事だ。
サーヒィに随行員を頼んだ際に、
『行ってやっても良いが、オレの代わりに子供達の面倒を見てくれよ!』
と、言われていて、サーヒィ以外の鷹人族達からも同じようなことを言われてのこの結果だ。
普通に考えるのならビーアンネ達母親や、他の鷹人族に任せるべきなのだろうけども、そろそろ他の種族とも交流をさせたいし、イルク村で一番強い私に任せておけば安心も出来るとかで、私が面倒を見ることになった。
……まぁ、うん、子供達の世話は嫌いではないし、様々な種族が暮らすイルク村で生きていくのだから、早めに交流をしていった方が良い……はずだ。
実際、早々と巣を出て皆と交流をしていたチャイは驚く程の成長を見せているし……積極的に進めるべきなのだろうと思う。
本来鷹人族の子供は、空を飛べるようになるまで巣を出ないらしいのだが、チャイは本当に生まれてすぐって所で外に出て皆と交流していて……今では相当の賢さを獲得している。
昨夜なんかジュウハとあれこれ議論を交わしていて……あまりの飲み込みの早さにジュウハが舌を巻く程で『こんな才能は見たことがない!』と、ご機嫌となったジュウハから数冊を本を送られた程だった。
そんなチャイのように幼い頃から皆と交流していれば、きっと賢い子に育ってくれるはずと、鷹人族の親達は期待しているようで……預かった以上は、出来る限りのことをしなければならないんだろうなぁ。
まぁ、うん、多少の読み書き計算くらいは教えることは出来る。
そこから先はダレル婦人やヒューバート、ベン伯父さんが教えてくれるはずだし……悪い結果にはならないはずだ。
ちなみにだけども、エグモルトも他種族の子供に興味津々、自分があれこれ教え込んだらどうなるか? なんて実験のような目的で参加したがっていたが……流石にそれは遠慮してもらうことになった。
あくまで子供達の成長のため、未来のため……そこは忘れないようにしたい。
「ディアスしゃま、広場に到着したらまず何からしましゅか?」
なんてことを考えながら歩を進めているとチャイからそんな声が上がり……私は、
「そうだな、まずは皆で本を読もう。
今お父さん達が旅立った獣人国の本が何冊かあるから、それからかな。
獣人国には綺麗な絵付きの、子供向けの本があるから、それなら皆も楽しめるはずだ」
と、振り返りながらそう返す。
するとチャイだけでなく他の雛達も喜んで……チュピチュピチュピと、なんとも元気いっぱいな鳴き声を上げて翼をばたつかせて、その喜びを元気いっぱい表現するのだった。
お読みいただきありがとうございました。
次回はこの続き、チャイ達とのあれこれです
そしてお知らせです
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