表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
121/260

【幕間】水着回

メロンブックス様で「俺は星間国家の悪徳領主!」の予約が開始されました。


高峰ナダレ先生 の描き下ろしA3タペストリー付き メロン限定版 も予約を開始するそうです。


限定予約者には限定特典のSSもつきます!


発売日は 7月25日!


よろしくお願いします!

 どうして白い砂浜で見る水着は輝いて見えるのだろうか?


 下着同然、下手をすれば下着よりも面積の小さな水着の数々。


 他人の女性が水着姿ならば、男なら目で追ってしまうかもしれない。


 だが――関係者ならばどうだろう?


 恋人をジロジロ見られて喜ぶ性癖は、俺にはない。


「トーマス、俺を失望させたな」


 刀をゆっくり抜いてトーマスに近付けば、尻餅をついて後退っていく。


「リアム様、何卒ご容赦を!」


 トーマスが俺を怒らせた理由は、俺の期待を裏切ったからだ。


「駄目だ。天城にこんな水着を着せるとか、絶対に許されない。こんな――こんな、ダイバーみたいな水着を用意するとか、ふざけているのか?」


 まるでダイビングのウェットスーツみたいな水着を持って来やがった。


 ゴーグルにシュノーケルでもあれば、これから潜るのか? と思えるようなデザインである。


「トーマス、俺は言ったよな? 天城と海に遊びに行くから、水着を用意しろって」


「た、確かにお聞きしました!」


 正座をするトーマスが冷や汗を介していた。


「だったらこの水着は何だ! 俺を馬鹿にしているのか!」


「し、しかし、リアム様――この前は、面積が小さすぎるとお怒りでしたが?」


 少し前にトーマスが持ってきた水着は、どれも布の面積が小さすぎて駄目だった。


 普通の水着だったが、天城が外で肌を露出しすぎるとか許されない。


 天城の肌を見る野郎がいれば、俺は即座に斬り殺すだろう。


「小さすぎなんだよ!」


「で、ですが、以前の物でも面積が広くてですね」


「もっと天城に似合うのを持って来いよ!」


「えぇぇぇ?」


 トーマスが俺の希望に添う水着を持ってこない。


 既に何千着と用意させているが、どれも天城に似合う水着ではなかった。


 トーマスが肩を落としている。


 何やら納得できない顔をしているが、納得できないのは俺の方だ。


「露出があれば駄目で、露出がなくても駄目――リアム様、これはとんちでしょうか?」


「馬鹿を言う暇があったら、天城に似合う水着を――」


 トーマスを叱っていると、天城がやって来た。


 その手には、以前トーマスが持ってきた水着が握られている。


「天城、それは露出が多くて却下した水着だ。手を離せ」


「いいえ、こちらで構いません。旦那様、いったいいつまで水着を選んでいるのですか? もう一週間も水着だけを選んでいますが?」


「だってトーマスが」


「だって、ではありません。そもそも、露出する面積が多くても問題ありません。旦那様が使用するビーチは、プライベートビーチです。関係者以外は立ち入りが出来ません」


「プライベートビーチがあるのか?」


「ありますよ」


 他の有象無象の男共がいると思っていたが、俺は金持ちだった。


 プライベートビーチを持っていて当たり前だった。


「なら天城が選んだ水着でいいな。よし、海に行くぞ」


「かしこまりました」


 天城と海に遊びに行くため準備をするため部屋を出ると、トーマスが嘆いていた。


「私の苦労は何だったのでしょうか?」


 すまんな。だが、天城の水着に妥協するとか許されないんだ。



 青い海。


 白い砂浜。


 俺のために用意されたビーチは、俺が気まぐれで「遊びに行く!」と言うだけで家臣たちがせっせと整備をする。


 砂浜にはゴミ一つなく、俺たちが来る前に掃除を終わらせていた。


 そんな中、天城は面積の小さな水着を着用している。


 小さな前掛けのようなエプロンをしていた。


 太陽よりも今日の天城が眩しい。


「天城――綺麗だよ」


 天城の右手を俺は両手で握り、褒め称えたいのに言葉が出てこない。


 綺麗としか言えない自分が恥ずかしい。


「ありがとうございます。旦那様の好みそうな水着を選択しました」


「でも、その水着は肌の露出が多いと思うんだ」


「どうせ誰も見ませんよ」


 見る奴がいたら消していたところだ。


 これから海で遊ぼうとしていると、海の家を用意したブライアンが俺たちに声をかけてくる。


 縞模様の肘や膝まである古臭い水着を着用していた。


「リアム様、海に入る前に準備運動をしてください。あ、飲み物はいかがです? 水分補給も忘れては駄目ですぞ」


 にこやかなブライアンを見て思ったね。


「何でお前は普通にこの場にいるんだよ」


「何でと言われても、世話をする者が必要だったからです。それにしても、こうして海の家をやるのは久しぶりですな。このブライアン、昔は海の家のブライアンとまで呼ばれるほど、海の家に通い詰めた猛者でございます」


 それ、通っただけで経営してないだろ?


 こいつに海の家を任せていいのか不安になってきたが、男として枯れたようなブライアンならこの場にいてもいいだろう。


 これが知らない男なら斬り殺していた。


「なら、飲み物をくれ」


「かしこまりました」


 ブライアンが海の家に入ると、天城が俺に一礼してついていく。


 そして、飲み物を持ってくる。


「旦那様、お飲み物でございます」


 飲み物を手渡してくる天城を見て、俺は見惚れてしまった。


 天城が一瞬だけ微笑んでいるように見えたからだ。


「天城、今笑ったか?」


「さぁ、どうでしょう?」


 普段通りの無表情に戻ってしまったが、確かに微笑んでいた。


「お前も楽しいのか?」


「楽しい――のかもしれませんね」


「なら良かった」


 天城と二人で海に遊びに来た甲斐があった。



 海の家で焼きそばを作り始めたブライアンは、リアムと天城を見る。


「それにしても、リアム様はやはり質素ですな」


 プライベートビーチを持ち、遊ぶ前に掃除をさせ、海の家まで用意してしまう。


 更には、リアムの見えないところで軍隊が警備をしていた。


 周辺だけではなく、海中やら上空、そして宇宙には宇宙戦艦も待機中だ。


 その全てが女性兵士で揃えられている。


 リアムの思いつきで、これだけの労力が消費されていた。


 それなのに、ブライアンはリアムを質素だと言う。


「伯爵のお立場であれば、もっとリゾート向きの惑星を用意してもいいでしょうに。もっと派手に遊んでも罰は当たりませんぞ」


 星間国家。


 伯爵の立場を考えれば、この程度の贅沢は庭先で遊んでいるようなものだった。


ブライアン(; ・`ω・´)「いきなり限定版の販売にこのブライアンも震えが止まりません。限定版はメロンブックス様でお求めになれますぞ」


ブライアン(´;ω;`)「それはそれとして、リアム様の無茶ぶりが辛いです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
流石に度を越してキモすぎる
[一言] ロゼッタとも遊んであげて(;ω;)
[一言] マルデイヤイヤ期の幼児ですね。 お着替えしますよ。 イヤー。 ティーシャツがいいかな? イヤー。 ポロシャツがいいかな? イヤー。あれもこれもどれもイヤー。 こんな感じ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ