大陸日本(コンチネンタル・ジャパン)-2
※教育制度の特徴
旧日本帝国の制度が強く残り、その上にロシアの教育制度が多少の合理化を行っている。
教育そのものも旧日本の教育が重んじられ、公用語の日本語教育と道徳としての精神教育、武道、習い事の鍛錬には多くの努力が注がれている。
これが、大陸日本の「日本化」を推し進める強い原動力の一つとなった。
女性に対しても、日本的な教育が重んじられた。
また戦後の列島日本と違い、今に至るも特進制度(飛び級)が存在し、国民全般での教育熱も非常に高い。
優秀なら、漢族、朝鮮族でもかなりの出世が出来る影響も強い。
中産階級以上だと、幼稚園から私学で学ぶのが当たり前で、富裕層を形成する日本人、ロシア人では公立学校に行く方が少数派である。
また、正教系のミッションスクール、仏教、神道系の私学も多く設立されているのも、東側社会だったことを考えると特徴的と言えるだろう。
列島日本と大陸日本の双方に学校を持つ宗教学校も存在する。
尚、教育勅語は旧日本のものを一部改訂しただけでそのまま残され、今も受け継がれている。
大幅改訂され現代語訳に変化した列島日本との違いは大きい。
外交、経済の特徴/
冷戦時代を通じて、ソ連極東経済と密接にリンクしていた。
満州からは豊富な穀物や畜産物がソ連極東・シベリアに供給され、ソ連からはシベリア鉄道やパイプラインを伝って大陸日本で足りない各種資源や工業製品が、同盟国価格の安価で届けられていた。
これを用いて、国内の重工業化と大規模機械化農業を達成している。
ソ連の極東開発も、大陸日本の資源や食料、労働力により飛躍的な向上を見せており、ソ連にとっても無くてはならない存在だった。
またオホーツクの魚介類も、ソ連から輸入されている。
また、東側唯一の非共産主義国という立場を利用して、多くは水面下や第三国経由ではあるが西側経済とも結びつきを保ち、資源や食料とのバーター取引で西側の工作機械や製品をやり取りして、自らの発展と技術向上を維持していた(ココム違反は日常茶飯事)。
一方、世界から爪弾きにされた国であるイスラエル、南アフリカ、さらに台湾などとの関係も深かった。
台湾との関係は、共産中華が正統な中華国家と認められて以後急速に進み、反共産中華で強く結束している。
独自性の強いインドとの関係も、大陸日本が東側の資本主義国ということと、中華人民共和国という共通の敵が存在する事もあって常に深かった。
インド以外でも、共産主義、NATO諸国と距離を置きたい国も、大陸日本との関係を深めている。
また、市場経済を曲がりなりにも維持していたため、西側との経済格差、技術格差は東側陣営で一番小さい。
民衆も市場経済や資本主義を理解しており、民主化以後の経済発展の下地ともなっている。
国内の企業も出来うる限り海外進出をしており、驚くべき事に一部の第三国では列島日本と関係を持ってすらいた。
そして以上のような経済、貿易の状況から、東側陣営のフィンランドと言われる事もある。
なお冷戦時代は、共産主義国でなく王権や特権階級が認められているので公で贅沢品が認められ、宗教の自由も憲法上でも認められており、ロシア、東欧の宗教や伝統産業の保存先としても発展している。
日本の伝統的な分野についても、政府の全面的支援によって手厚く保護され、冷戦崩壊頃には列島日本より盛んな工芸、伝統芸能や武道も多いほどとなっている。
首都新都などには、立派な歌舞伎座なども作られている。
特に軍人達が伝えた各種武道は列島日本よりも盛んで、剣道、柔道、空手の強さは世界的に有名。
興業相撲、プロ野球も大衆娯楽として盛んで、冷戦崩壊後は列島日本との交流試合も日常化している。
21世紀に入ってからは、プロ野球は日本と合同による4リーグ制度化に向けて話が進んでいる。
また列島日本と違い、共産陣営内での付き合いとしてフットボール(サッカー)は1960年代から盛んでプロリーグも存在しており、ワールドカップには列島日本より出場している。
冷戦崩壊後は、雪崩を打って列島日本の膨大な資本、企業が世界に先駆けて深く入り込み、大陸日本の特権階級や官僚、企業と結託してこの国を瞬く間に西側同様の資本主義国に作り替えてしまう。
特にこの時期列島日本が、「バブル経済」と呼ばれる膨大未曾有の好景気の末期にあり、「虚」を「実」で生き残らせるため日本資産の流入と開発は凄まじかった。
21世紀に入る頃には経済発展も一定段階を過ぎ、GDPの大きさから世界貿易の重要な一角と認識されるようになり、列島日本との経済統合が進められている。
また、冷戦時代の関係を通じてモンゴル、東トルキスタンの開発を熱心に進め、これら二国を経由して冷戦後独立した中央アジアとの結びつきを強めている。
21世紀に入ると、中央アジアからの石油や天然ガスのパイプライン敷設の計画すら進んでいる。
このアジア政策では、共産中華との対立も強いが、経済的な優位と中華を嫌う国の方が多いため優位に運んでいる。
※東亜鉄道と東亜産業
東亜鉄道通称「東鉄」は、旧南満州鉄道株式会社を始まりとする鉄道会社。
満州国建国と共に、国策会社の多国籍企業から鉄道会社へと変更。
一見勢力を大きく減退させる。
しかし、満州全土の鉄道を一元支配し、総延長は大陸日本の建国時で1万キロを超えていた。
しかも鉄道および鉄道付属地での限定的な治外法権はそのままとされ、大陸日本成立後も自治国、自治区制度があったため、限定的な警察権(鉄道警察)などの特権を保持したままとなる。
しかも、北はソ連国境から南は大連、東は内蒙古の包頭から西は朝鮮半島の釜山と日本本土の4倍の面積に張り巡らされた鉄道を全て支配下に納め、事実上の「国際鉄道」として運営される。
しかも、シベリア鉄道の一部も同社により改良されるなど、影響力は大きい。
21世紀初頭には総延長は10万キロにも及び、独自の航空会社、海運会社も保有する東アジア随一の巨大輸送企業となっている。
ただし冷戦崩壊以後は、航空機輸送、自動車に押されている。
他業種を拡大しているのもこのため。
看板列車に、満州国時代から有名だった「あじあ号」の運行はいまだに続けられ、国内路線全ての高速鉄道化に従って、1970年代にはフランス新幹線とよく似た形式の超高速鉄道にまで進歩している。
1990年代には、日本の新幹線技術も導入。
そして、一部の「あじあ号」をあえて低速で運行する超豪華寝台特急として運用して象徴とされた。
また一部の路線はモスクワなど、ユーラシア共産圏に到達しており、東鉄の営業力、影響力の大きさを伺わせる。
なお21世紀初頭の現在、対馬海峡海中トンネル構想が日本と合同で進められている。
東亜産業(東業)は、当時日本の新興財閥だった日産(日本産業)を中心に満鉄から取り上げた資産を加え形成された満州産業(満業)が名称を改めたものになる。
当初から満業は満州国全土の主要産業を占め、大陸日本建国後も内蒙古、朝鮮半島へと影響力を拡大した。
拡大の一因には、最終的に国営にするべく一旦は1企業に集約させようとした当時の共産政党による政府の思惑があった。
だが国の共産化は中止され、国と一体化した巨大財閥として歩む。
このため1949年のクーデターは、東業が裏で糸を引いていたのではと陰謀史観で語られることが多い。
1970年代には西側と張り合える自動車の完全一貫生産にも成功し、自動車、飛行機、鉄鋼、造船、製油、繊維、食品などありとあらゆる国内産業の上位に位置した。
そして国策と東側全体の政策もあり、1960年代より第三国を中心に海外進出を順次強化。
次第にコングロマリット(多国籍企業)となって現在に至っている。
また、イスラエル、南アフリカなど国際的に肩身の狭かった国への進出が強く、ソ連製ライセンス生産兵器を始めとした武器輸出企業としても有名。
冷戦崩壊後も、いち早く西側の技術を広範に取り入れ、国際競争力の強化を行っている。
なお、会社組織自体は拍子抜けするほど合理的かつ民主的で、列島日本でよくドラマで語られるような財閥一族による支配などは行われていない。
ただし、岸伸介との繋がりはずっと維持されていたと言われる。
●軍備/
冷戦最盛期には、常備軍120万人、戦車4500両、重砲3000門、空軍作戦機2000機、主要艦艇30隻、潜水艦20隻を主力としていた。
東側では、ソ連以外で唯一独自の核軍備と原子力潜水艦を有し、核戦力は原爆と中距離弾道弾、戦略爆撃機を保有する。
自ら引き起こした「解放戦争」と呼称する戦乱(東亜動乱)が有名だが、共産中国とは何度も大規模国境紛争(事実上の戦争)を引き起こしたり、ベトナム戦争、アフガン紛争など東側の主要な戦争の多くに参加しているため大日本帝国の亡霊や、悪の軍事国家という国際イメージが根強い。
共産圏の特徴である政治士官や秘密警察は存在せず、逆に大日本帝国時代に悪名を轟かせた憲兵(MP)の力が非常に強い。
また国策として、職業軍人は名誉な職業とされた。
特に高級将校の待遇は破格のもので、一部で世襲化の動きがあり軍人貴族や旧日本の武士階級のような階層が形成されているほどだった。
軍備そのものは、「東亜の真の解放」特に列島日本の解放を国是にしていたため、名目上は渡洋侵攻のための海軍が重視されている。
しかし外洋の出口を列島日本やアメリカに押さえられており、また予算、技術的な問題もあって戦艦や戦闘空母(航空巡洋艦)、一部象徴的な艦艇を保有する以外、沿岸海軍の域は出ていない。
原子力潜水艦も有する潜水艦隊は例外で、実質的な主力扱いとなっている。
また、反乱時に日本から持ち出した旧海軍の大型艦艇は、戦艦「武蔵」を除いて1970年代まで運用された。
空母保有が念願だったが、ソ連も持てなかったのと同様に遂に正式な空母は保有せず。
しかし東側最大級の戦艦を保有し、不凍港を有するため、西側からの注目度は高かった。
ソ連からも大型艦の輸入を行った。
大型艦ではイワン・ロゴブ級強襲揚陸艦が2隻(「神州」「秋津」)と、ミンスク級航空巡洋艦「山城」、キーロフ級重巡洋艦「陸奥」を購入している。
また冷戦崩壊後に、旧ソ連で未完成だった空母を購入して「飛龍」と命名し、皮肉にも冷戦崩壊後に空母を運用するようになっている。
原子力潜水艦は、1980年代まではソ連からの輸入でその後国産に切り替えたが、詳細についてはいまだ明らかにされていない。
現在では全ての潜水艦が国産化されている。
原子力潜水艦は登場当初から主力艦扱いで、日露戦争当時の戦艦、装甲巡洋艦の名を引き継いでいる。
なお面白い点は、列島日本との艦艇名が被らないように旧海軍の艦艇名を命名している点で、他国からは命名だけは水面下で相談していたのではないかと言われるほどだった。
前述したように、冷戦時代はソ連から積極的に艦艇を輸入していたが、徐々に独自建造を行うようになる。
最終的には原子力潜水艦も自力建造するようになる。
そして潜水艦隊は、日本、アメリカなど極東アジアの西側陣営から最も恐れられた。
空軍も東側特有の規模の大きさの割に機体の更新速度は早く、一部を国産とする他はソ連製の機体を購入もしくはライセンス生産して東アジア最強、東側第二位を誇っていた。
しかも電装品も、第三国経由で西側部品を密輸したり自国製を作り出すので、ソ連製よりも性能は高いと言われ一部は事実だった。
また、ヘリコプターや軽航空機を設計から生産するので、西側からの注目度はこの点で高かった。
ライセンス生産から自力設計まで行う満州飛行機は、今では世界有数の航空機メーカーにまで成長している。
また空軍が強力と言われるが、それは保守、整備が共産陣営で最もしっかりした体制を整えていた為で、平均稼働率は6割近くを保持していた。
搭乗員の練度も、日本への対向から半数以上の部隊が東側平均を上回っていた。
加えて、実戦経験が時代を通じて豊富な為、東側最強と言われることも多かったし、現在でも世界有数の練度と言われる。
本来主力を占めると見られている陸軍は、国是を思うと規模は大きくなかった。
「東亜の真の解放」が陸軍にとっても主な任務だが、陸軍主力は常に中華人民共和国国境の長城線や黄河沿岸に向けられ、その過半が実質的には国境防衛隊となっている。
一部に東亜解放のための戦力、実質は機動防御用の機甲部隊があるが、陸軍の一部の数個師団規模しかない。
冷戦崩壊後の一時期は、関係が悪化した共産韓国側に兵力の多くが移されているが、こちらも国境防衛軍としての性格が強かった。
唯一の例外は冷戦中朝鮮半島南部に駐留し続けた「親衛隊」的精鋭さを持つとされる「列島解放軍」だが、規模は最大でも20万人程度でしかなかった。
そうした中で西側から本当に恐れられたのが、空中騎兵第一旅団と呼ばれる一種の特殊部隊で、旧陸軍の伝統を受け継ぐ特殊戦部隊は、ベトナム、アフガンなどでソ連のスペツナヅ同様に悪名と勇名を馳せている。
陸軍各部隊の編成は、一部にソ連型を取り入れているが、基本的には旧日本帝国時代の流れが強い。
戦略基本単位となる師団の規模も大規模なままで、ソ連軍より西側に近い。
戦車部隊の基本も連隊と中隊で、ソ連陸軍との違いが大きい。
なお、陸軍装備の8割近くがソ連製かソ連兵器のライセンス生産もしくは改良型で、独自開発の装備は多少見られる程度。
また共産中華が実質的な主敵となったため、1970年代には戦車は対戦車戦闘よりも対歩兵戦闘重視になり、時代を先駆けたような装備と外観に変化している。
この点では、水面下でイスラエルと技術交換もあったと言われている。
また制空権は奪われるものだという考え方がドイツや列島日本同様に強く、常に防空装備は重視されていた。
なお、全軍を通じて装備の基本はソ連製もしくはソ連製のライセンス生産または改良型だが、一部に国産兵器がある。
海軍艦艇は一部ソ連製を除いて日本色が強く、陸空軍の装備はどこかドイツ系の装備を思わせるものが多い。
ただし日本と違い、銃器生産はコピー以外諦めたと言われている。
また冶金技術の蓄積の少なさから、大砲製造の能力も低い。
ちなみに、建国時から東亜動乱の頃には、旧日本および旧ドイツ軍装備が多数見られ、21世紀初頭の現在博物館などで見ることができ、貴重なものも多数ある。
通常戦力以外となる核戦力については、列島日本に対抗するように開発・整備された。
しかし、技術上の問題から大陸間弾道弾、戦略潜水艦を持つには至っていない。
保有できたのは、原爆(大型原爆まで)と搭載する巡航ミサイル、中距離弾道弾(スカッドの改良型)、旧式の戦略爆撃機(ソ連製)までだった。
核戦力については、列島日本との和解以後も、国家プレゼンス維持のための最小限に削減されている。
冷戦崩壊後は、核拡散防止条約にも正式に加盟した。
冷戦崩壊後は民主化と経済発展のために大規模な軍縮を実施し、兵器の専門化の進行と経済発展による労働力確保もあって志願制軍隊に移行している。
冷戦時代の国防費は概ね30%以上を占めていたが、冷戦崩壊後は三分の二程度にまで削減された。
また、1990年代半ば以降は民主化したが、兵器に関しては装備体系など様々な問題からソ連由来の兵器を使い続けている。
逆に潜水艦は他国に輸出されるようになった。
それでも一部装備は列島日本から輸入を行うようになったが、長い間アメリカが供与や売却を拒んだ為、いまだほとんど実現していない。
このため、一部装備はヨーロッパ各国から輸入している。
戦車など陸戦装備は冷戦崩壊後交更新が滞っていたが、21世紀に入ってドイツから大量に中古戦車、装甲車などを大量に購入している。
ただし、国の経済発展に従って独自兵器は増え続けている。
新型の対戦車ヘリに代表されるように、日本との共同開発も徐々に増えている。
冷戦崩壊後は、共産韓国の民主化以後に、主に共産中華国境に配備されており、兵員数の面で徴兵を不要として志願制軍隊へ移行できた。
悪の軍事国家として語られるのも、21世紀ではもはや過去のものとなっている。
2010年代は、国境を接する中華人民共和国との関係は依然として悪く、北東アジア地域でも最も大きな規模の軍備を要する国の一つの立場を維持している。
国境線には陸軍と空軍の大軍が駐留し続けており、10年台半ばにはさらなる増強が図れた。
このため陸空軍合わせて50万の規模を維持している。
2012年には、久しぶりの国産戦車を製造開始。第四世代戦車で、完全にソ連型兵器からの脱却を図ることに成功している。
他の軍備も大規模戦闘を前提とした装備、編成が多く残されており、近年では冷戦時代の亡霊と言われることもある。
しかし、非対称戦の装備と部隊の整備も、中東への派兵などを通じて培われており、陸軍大国としての規模の面での大きさも重なって優秀な軍備を維持している。
一方で、中華人民共和国との軍備拡張競争になっており、徐々に国力を増大させている同国の急速な軍備増強への対応に追われている。




