第五章 エピローグ
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――ジャラジャンドラの出現から一週間後。
ほとんど被害の無かった本会場で、無事オークションは開催された。
まだまだ慌ただしい中での開催だったが、なんでも主催者側が『利益を街の復興に充てる』と宣言したことでそれも好意的に受け入れられたらしい。
チャリティの名目もあってか入札が分散された結果、俺たちは十三億の内数千万ほどを残して二冊の『写本』を落札することができた。
んで、今さっきそいつを受け取ってきたところだ。
これで手持ちの『写本』は三冊に……。
「……よぉ、目当てのもんは手に入ったか?」
「ゼクセー……!? ……そっちこそ、相棒とやらは大丈夫だったのかよ?」
「はっ、第一声がそれかよ、人が良いっつーかなんつーか……」
人が良い、ねぇ。
別にそんなつもりはねぇんだが……。
「しかしお前、なんでこんなとこに……」
「うにゃーん、ひょっとしてウチらの『写本』がお目当てだったりして?」
「あぁ? ちげぇっての……そもそものハナシ、イヴェルト達はソレについちゃさほど腰を入れてねぇんだよ。まぁアレを見つけたところで何ができるってワケでもねぇからなぁ……」
アレ? アレってのは『原本』のことか?
それとも……。
「けどよイルヴィス、オレはお前みたいなヤツにこそアレを手渡すべきじゃねぇとも思ってる、そいつは今でもだ。……ま、ただの勘でしかねぇけどな、よっと……」
「……ん? なんだよゼクセーそんな近づいてきて――」
――ごちん!!
「痛って!! お前なにいきなり頭突きかまして――」
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「――――――――」
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「――くれてんだ……?」
なんだ今のは……!?
まるで頭の中に直接、圧縮された映像を流し込まれたような……いや、今の感覚は以前にもどこかで――。
「……見えたか、やっぱりな。不完全とはいえ、てめぇも『アーカイブ』に接続できるってワケだ。となると……なぁイルヴィス、お前月に何回ぐらい用を足すよ?」
「…………は?」
「わかんねぇのか便所だよべ、ん、じょ! 月に何回行くかって聞いてんだ、ったく……! おら、とっとと答えろよ。小も……あーあと大もな」
「いやなんだってそんな……まぁ普通だよ普通」
「普通じゃわかんねぇだろうがこのタコ! てめぇはいつも数を数える時に『いーち、にーい、さーん、ふつーう……』って数えんのかよ、あぁ!? 違うだろ!!?」
「お前ホントなんなんだよ!? こっちはまだいろいろと混乱して……はぁ、だから普通だっつの。週一と……まぁ月一ぐらいか?」
医者が相手ならまだしも、なんでこんな公衆の面前でおっさんのトイレ事情を公開せにゃならんのだ……。
律儀に答える俺も俺だけどよ……ん?
「……つーと体は……のか……? だとしたら……。いやそもそもハナシ……、マジューリカとイヴェルトのヤツはどこまで――」
「……おいゼクセー?」
「ん? あー……よーしそんじゃあ代わりにとっておきの情報をくれてやる。いいか? 耳の穴かっぽじってよーく聞けよ?」
とっておきの情報……!?
一体――。
「――ナポリタンのナポリってなんだか知ってるか?」
「…………は?」
いやコイツホントにふざけてんの?
以前ミルティーヌが教会復活をした時に、トリアのヤツも同じような疑問を口にしてたが……。
「だからよぉ、ナポリタンってあるだろスパゲッティの。あれな、街の名前なんだよ。ナポリっつう街から由来して……ソイツを誰かさん達が世に広めたってワケだな」
「まてまてまて……! それのどこがとっておきの情報で……」
「クカカ、さてなぁ? そいつはまぁ自分で考えろや」
ケラケラと笑いながら踵を返すゼクセー。
これ以上は聞いても無駄そうだな……。
「……なぁ、お前はこれからどうするつもりなんだ?」
「言ったろ、しばらくはもういいってよ。……数年後か、数十年後か、あるいはもっと先か……また気が向いたらアイツらんとこに戻るかもしれねぇが、それまではテキトーにブラブラするさ。……んじゃーな」
「あ……またしゅんって消えちゃったね? ……なんだか寂しそうだったかも」
「うむ……あの男はあの男で、いろいろと思うこともあるのだろうな」
「だなぁ。しっかしナポリタンがどうだの便所がどうだのと……一体なんだったんだよマジで……」
「な、ナポリ……ど、どこかの街だって言ってたな……。そ、そこへ向かえってことなのか……?」
「じゃあひょっとして、次の七大魔王さんはその街に……?」
「うにゃーん、でもでもー? ナポリなんてそんな街、見たことも聞いたことないんだけどなー?」
「そうなのエテリナ?」
「いえーすトリニャー、ウチってば世界中の国とか町とか、そういうのってだいたい把握してるからねー?」
いやさらっと言っちまってるけど、それはそれでスゲェ話なんじゃねぇの?
しかしそうなると確かに妙だな……。
「じゃ、じゃあ……え、エテリナも知らないような街が、ど、どこかの国にあるってことなのかな……?」
「古代文明の街、ということもあり得るのではないか? 奴らが本当に『新種族』であるなら、それこそ数千年前から存在しているはずだろうし……」
「あ、そうかも! それじゃあ古代文明でナポリって呼ばれてた場所に行ってみればいいんじゃない?」
「にゃうーん……お水を差しちゃうようで悪いんだけど、そんな記述も見たことないんだけどなー……? もちろんそっちはカンペキに履修済みってわけじゃないんだけど……にゃむむむ……!」
ふーむ、この世界のどこにも存在しない街、か……。
だがナポリタンの語源だっつーなら、逆に言えばどこかには必ず存在するってことなのか?
そうだな、例えば――。
「――……異世界……とか?」
「にゃ……!! オジサンそれ――!」
「あーいや分かってる分かってるって、別にちょっと言ってみただけで……」
「――ひょっとしてビンゴかも!」
……え、そう?
いやぁおっさんのひらめきも捨てたもんじゃねぇなぁホント。
「異世界か……聞かない言葉ではないが、フリゲイトとどんな関係が……」
異世界とフリゲイト……。
ふーむ……。
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「フリゲイト……? …………ああそうか、イヴェルトがそう名乗ったんだったな。奴らしいセンスというか……まぁ、俺は呼称などどうでもいいが」
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「あ? ボイド……? ……あぁそういや名前つけてんだったな。……チッ、そういうとこがイヴェルトに似てやがってまたムカつくぜ……!」
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『奴らしいセンス』『俺に似てる』……ねぇ。
フリゲイト……俺ならなんでそう名乗る……?
確かに俺の琴線に触れるっつーか、正直『ちょっとカッコイイ名前だなぁ』とかは思ったりもしたが……。
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『にゃにゃ……刃とグリップが真っ二つ……? ……頭と、おしりが、別々に――』
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「俺に似たセンス……頭と尻……。フリゲイト……フリ……ゲイト……。――……フリーゲートか……!?」
「うにゃにゃにゃにゃ……!!? オジサンすっごい!! 今日はいつにもましてさえてますなー!!」
「ふふふ、よせやいよせやい……!」
抱き着いてピョンピョンとはねるエテリナに、ピッとキメ顔を披露してやる。
「えと……ゲートって『夢幻の箱庭』の……ですよね?」
「ううんハクちー、ゲートって言葉は本来古代語で『門』って意味なんですなー。まぁ今でも普通に使ったりもするけどねー?」
「へぇー! じゃあやっぱりおっちゃんのイタタな部分が役に立ったってことだね!」
「……あとでものすごくくすぐる」
「うえぇ!? なんでなんでほめてるのにー!!」
いや確実にイジってたろうが。
ったく……。
「仮にイルヴィスの推測が正しいとして……フリーゲート、何かと何かを自由につなげる門、と言ったところか……?」
「もしそうだとしたらフリゲイトさんの目的は……」
「い、『異世界』と『こっちの世界を』つなげること……だったりするのかな……?」
「にゃふふ、可能性としてはじゅーぶんに考えられますなー?」
マジかよ、なんのためにそんな……というかそもそも異世界なんてモンが本当に存在して……。
「あ、ねぇそれじゃあさ! フリゲイト達が言ってる『あの方』ってのもひょっとして……」
……!
なるほどな、確かにそうかもしれん……。
レベルシステムに関わってるとされながらも、本当にいたかどうかもわからない……それでいて、『不落の難題』には名を連ねない謎の存在。
すなわち――。
「異世界の勇者か……!」
ここまで読んでいただいて誠にありがとうございます!
FANBOXの方でも書いてあるのですが、次回の更新はまた3~4カ月間が空くかもしれません……!
本編の執筆をすすめつつ、FANBOXではキャラクター設定の更新を週一程度で続けていくつもりです!
また一部のキャラデザ(基本衣装など)については月一ぐらいでまとめた物を全体公開しようかとも考えているので、是非フォローだけでもしていただけると嬉しいです!
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それでは次回第六章も、どうかよろしくお願いいたします!




