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第7話 本末転倒もいいとこだろうが!!

「アッチはデシレ!」

「ミーはヤンスゥ!」

「オイはゴンスモン!」


「「「三人そろえば完全無敵!! トリニティデンジャラーズとは我々のことデシ!!」でヤンス!!」でゴンス!!」


 ……いや聞いてないし聞いたこともないんだよ。


 無駄に洗練されたキメポーズとともに名乗りを上げる、目の前の凸凹の三人組。

 とりあえずなんだ、今分かってんのは……。


「あー……えーっとあれだ、つまり……最近あった? その……あんまり世間様に顔向けできねぇようなトラブルの数々は……?」


「そのとーり! アッチらのいかしてるスキルの効果ってワケデシよ!!」

「でヤンス!!」

「でゴンス!!」


「なんつー厄介なスキルを吹っかけてくれてんだお前らは……!」


 いやマジで何してくれてんの?

 いかしてるっつーよりもいかれてんだよ発想が完全に。

 ……ん? そういえば――。


「あ、思いだした!! お前ら確か、ミヤビ行きの飛行船にも乗ってただろ!」


 記憶を探ってみれば一人、ジャイアントの冒険者がいたのを覚えている。

 あの時ハクとトリアの……まぁなんだ、おしりが俺の顔にダイブしてきたのも……!


「グフフ、そのとおりでゴンス!」


「あの時のはまだ未完成でヤンしたが……試行錯誤を経て完成したこの『ピンクルスキャッター』! その効果は折り紙付きでヤンスよ!」


「いわゆるラッキースケベってやつデシね! よ! この女の敵!!」


「お前らなぁ……!!」


 おかげでの俺の肩身がどれだけ狭まったことか……!


「ふふーん、まぁまぁ。そうカリカリするのはよすデシよおじさん」


「いや誰のせいだと思ってんだ誰の……」


「おんしの話はオイ達も色々と聞いてるゴンスよ? リーズシャリオで現れたあの『七大魔王』をも退けたとか……」


「しかーし、何事も一人では限界があるものでヤンス……! パーティから追い出されたユーのその力、無駄にしてしまうのはヒジョーに惜しい!!」


 自分達でやっといてよくもまぁぬけぬけと……。

 つーか俺は別に――。


「そこで! そんなかわいそーなおじさんを、アッチらは特別に仲間にしてやっても良いと考えて――」





「――おじさま? こんなところでどうしたんですか?」


「「「……え?」」」


 ふと聞こえてくる聞きなれた声。

 そして厄介な三人組の後ろに見えるのは……!


「ハク! 皆も! どうしてこんなとこに……?」


「どうしたもなにも、おっちゃんがお部屋にいなかったからでしょ、まったくー」


「べ、べ、別にあれだぞ……? ま、マーカースライムをこっそり仕掛けたりなんて、し、し、してないからな……?」


 ……なるほど。

 死ぬほど目が泳いでるネルネの頭皮は後で嗅ぎ倒してやるとしてだ。


 最近のトリア達のレベリングは『ゲート』を使って効率的にやっているからな。

 俺も用事を済ませたらすぐ部屋に戻るつもりだったんだが……それでこうして探しに来てくれたってワケだ。


「……あのーデシレさま? アイツらってイルヴィス・スコードのパーティでヤンスよね?」


「なんか普通に仲良さそうに見えるでゴンスが……」


「あ、あれ、おかしいデシね……? そ、そこのオマエたち! このおじさんに愛想をつかしてパーティからついほー(・・・・)したんじゃ無かったんデシか!?」


「追放だと? ……この状況といい、いったいどういうことなのだイルヴィス?」


「いやまぁなんて説明していいのか……。最近こう、色々(・・)とあったろ? どうやらあれ全部コイツらのスキルのせいだったらしいんだよ。それで……」


「あっ! あっ! ちゅ、ちゅうちょの無いネタばらしはやめるデシ!!」


「……にゃふふ! なるほどなるほどー! それでウチらがえっちなオジサンを追い出しちゃったっーて勘違いされてたってところですかなー?」


 理解が早くて助かるねホント。

 ……あと『エッチなオジサン』っつうすこぶる誤解を生みそうなワードもなるべく使わないようにしてくんない?


「くぅ……そ、そのとーりデシが……! だいたいオマエたち! 偶然とはいえ短期間にたっぷりセクハラされて、なんで平気でパーティを続けてるんデシか!?」


「えー? だって……ねぇ?」


「うむそうだな、なんというか……」


 ……! そうだみんな言ってやれ……!!

 俺たちの絆はそんな程度で揺らぐほど、やわなもんじゃ――……!!




「――おっちゃんにえっちなことされるなんて、今に始まったことじゃないからねぇ?」


「「「「……え?」」」」




 ……思わずシンクロする、三人組と俺の声。


「だって初めて会った時だって、『話を聞いてほしければぱんつを見せろ』って言われたんだよ? 今さらそれぐらいでキライになるならとっくになってるもん」


 ……いや言ってねぇええぇぇ!!!

 おっさん言ったことねーんだよそんなセリフ!! お前が勝手に『見せたげる』からっつって喚いてただけだろうが!!


「わ、わたしも……は、初めてダンジョンに潜ったときに、ぱ、ぱ、ぱんつをみられちゃったし……」


 え、エルダースライムのせいでな?

 エルダースライムの粘液でスカートの留め具がダメになっちまった時のことな?


「にゃふふ! ウチはナイフで服を切り裂かれて、あられもなーい姿にされちゃったしねー?」


 いや悪意がある! 確かにオーヴァナイフでエテリナの装備品をダメにしちまったが……そもそもお前が俺の目の前で胸元をぐいぐい引っ張ったりしなけりゃあんなことには……!


「えと、みんなで触手の魔物(モンスター)さんにつかまちゃった時も、は、恥ずかしいところを見られちゃいましたしね……?」


 ……あー夢の中でね?

 レクイエムシープのつくった夢の中での話ね?


「水着を奪われ、その……む、胸を見られてしまったこともあったからな……」


 …………タコにね?

 タコの魔物(モンスター)に水着を奪われた時のことね?


「だよねー? 他にもいろいろあったし、だいたいボクなんておっぱいどころかもっと恥ずかしいトコまで――」


「って、ストップストーップ!!」


 これ以上ともなれば、誤解どころか冤罪を産みだしかねん……!

 ……というか、みんなしてそんな評価なの?

 おっさん割とショックよこれ……。


「――と……と……と……!」


 ……ん?

 なんだ? デシレとかいう奴がプルプル震えて――。



「と、とんでもない鬼畜ヤローじゃないデシかああぁ!!」



「うぇえぇ!? ま、待て待て待てって……!! 誤解だ誤解、いくら何でもあんな……!!」


「ご、誤解……? ふぅ、よ、よかったデシ……じゃあ今の話は全部デタラメなんデシね?」


「…………え? いやまぁなんだ、その……」


「うわあぁぁぁ!!? その反応完全にクロじゃないデシか!! 完全にやっちゃってるヤツの反応じゃないデシかぁぁ!!!」


「いや違う違う!! ただちょっと完全に否定はしきれないってだけで……!!」


「嘘デシぃぃい!! やってるヤツはだいたいみんなそう言うんデシよおおぉぉっ!!! というか完全に否定できない時点でもう割と大問題デシぃいいぃ!!」


 た、確かにそいつは否めんところだが……!


「ふぅ、ふぅ……!! こ、こうなったら仕方がないデシ……!! ヤンスゥ! ゴンスモン! 『ピンクルスキャッター』のレベルを最大まで引き上げるデシよ!!」


「最大まで!? い、良いんでゴンスかデシレ様!? オイたちの目的は……」


「えーい仲間にするのはもうやめデシ!! これ以上このおじさんの犠牲者が増えないよう……衆人の前で見境なくとことんセクハラさせて、社会的に抹殺してやるんデシ!!」


 うおーい、困る困る!!

 つか、それはもう本末転倒もいいとこだろうが!!


 ……いや落ち着けイルヴィス。

 タネが分かりゃあこっちにだってやりよう(・・・・)はある……!!


 今の俺は奴らのスキルによって、要は特殊な『バッドステータス』を引き起こされてる状態ってワケだ。

 それなら俺の戦闘力ステータスを『上級』以上にまでひき上げれば――!


「――フフフ……!! 知っている(・・・・・)デシよおじさん……!! おじさんが『バッドステータス無効』なるスキルを持っていることは……!!」


「……!? だったら『ピンクルスキャッター』とやらが無駄だってことも――」


「残念ながらそうは問屋が卸さないでヤンス!! ミーの恩恵ギフトは『バフメイカー』!! 強化(バフ)系スキルの作成能力(・・・・)を底上げしてくれる恩恵ギフトなのでヤンス!!」


 作成能力……?

 まさか――!!?


「気付いたようでヤンスね!! 『ピンクルスキャッター』は強化スキル(・・・・・)……! つまり、『バッドステータス無効』の効果を受けることはないのでヤンス!!」


「なっ――!!?」


 以前ネルネも言ってたな、強化(バフ)スキルの中には、わざと『狂化』のような異常状態を付加するものもある、と……!

 これはその類のスキルってことか……!!?


「そしてさらに!! オイの恩恵ギフトは『メタるハンター』!! スキルの対象が限定的になればなるほど、そのスキルの効果を引き上げることができるでゴンス!!」


「さらにさらにー!! アッチの恩恵ギフトは『乙女のヒミツ』!! つまり……」


「にゃ!? フーねぇと同じ……だからオジサンもウチらも今まで気付かなかったってカンジ? ……にゃふふ! これはそーとー厄介なスキルっぽいですなー?」


 ならなんでにじり寄ってくるんだよお前は。

 アイツらの話聞いてなかったの?


「さぁ覚悟するデシよ女の敵!! しっかり牢屋にぶち込まれた後で、今までの行いを悔い改めると良いデシ!!」


 ええい、相変わらず人聞きの悪いレッテルをはりよってからに……!!

 つーか、現在進行形で女の敵になってる原因はお前らのスキルじゃねぇか! とんだマッチポンプだよ!!

四章の第14話、飛行船の中にヤンスゥとゴンスモンがちゃんといたりします

お暇な人は探してみてね!


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