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関わってはいけない


 どうしよう。

 目の前に露出狂がいる。

 白衣とパンツだけを着た無駄に超絶美形が。


 白衣の前がはだけているから、六つにわかれた筋肉もはっきり見えるし、マッスルも驚きの腿とか、裸体像でもここまで美しい筋肉のつき方はしてないんじゃないかっていうくらい均整の取れた美しい造形だった。

 彫刻の森美術館に飾ったらインスタ映えしそう。

 心の涎をたらしながらスマホを構えるお姉様方が想像できる。


「お前、死んでいたんじゃないの?」


 カーリーが私の前に立ち、男に問いかけた。


「ちょっと寝ていただけだ」


 貯水池のほぼ真ん中で、某サスペンス映画のような姿勢で?

 どう見ても猟奇的殺人現場だったんだけど。


「今日は何年何月何日か教えてもらってもいい?」


 ハスキーで耳元で聞いたら腰砕けになりそうな声で変な事を問いかけられた。

 カーリーが答えると、男は頭をガリガリとかいた。


「水に突っ込まれて一週間かぁ。どうりで。良く寝たから頭がすっきりしている」

「普通は死ぬけど?水の中で呼吸できるのは水性生物だけじゃないの?」

「吾輩は無呼吸なんで」

「意味わからないっ」


 思わず叫んでしまった私は悪くない。


「ま、まさかあなたはっ」


 後ろからこっちを見ていたジークが声を上げた。


「竜なのでしょうか」

「おお、正解だ。坊主、よく吾輩の正体に気が付いたな。ん?」


 竜と呼ばれた男は機嫌よく拍手しつつ、ジークを目にとめると不思議そうに首を傾げた。


「お前さん、どこかであった事は?」

「ないと思います」


 珍しく落ち着きのないジークは両手をぶんぶんと顔の前で振って否定する。


「いやぁ、人の気配に目を開けてみたら埋められるところだったんでびっくりしちゃったよ。わははははは」


 そこ、笑うところか?


「すいません。てっきり死体だと思って……」

「うんうん、こちらこそ紛らわしい事をした。吾輩を放置した奴らがいなくなるまで寝ていようと思ったら、ちょっと寝過ごしてしまった。起こしてもらって助かった」


 そういう問題じゃないだろう。

 少なくとも私とカーリーは男の言葉に引いた。


「じゃあ、誤解も解けたことだし我々はこの辺で失礼しますね。では……」


 ちょっと強引かもしれないけれど、これ以上はもう関わりたくない。


「おや、旅人でしたか」


 私たちの恰好を見れば誰だってそう思う。


「ではさっそく旅立とうではないですか」


 私たちの動きが止まった。

 この人、今、なんて言った?


「うんうん、団体旅行も久しぶりだ」


 何をそんなにウキウキワクワクしちゃっているのかな。

 超絶美形が目をキラキラさせてどこか興奮気味に頬を赤らめてこちらを見ている。

 うっとりを通り越してなんか怖いんですけど。


「旅に出るのであろう?さぁ、いざ行かん、未知なる旅路へ」

「旅に出たいのなら勝手に行け。我々とは関係のない話だ」


 ウルバルさん、どの口で貴方がそれを言う?


「なに、こう見えて吾輩は役に立つ人材である」


 見た目は25から35歳くらいのおっさんだ。

 超絶美形だけど。

 年齢が近いかもしれないけれど、吾輩なんて口調の人はお年寄りのイメージがあるのでおっさん呼ばわりでも問題なし。


「率直に言わせてもらおう。変態と一緒に旅をするつもりはない」


 ウルバルが言い切り、カーリーがうんうんと頷いていた。


「ちょっと待って、そもそもなんで一緒に旅をすることになっているのよ」


 論点が違うと私が声を上げると、我が意を得たりと言わんばかりに男は大きく頷いた。

 腰に手をあて、ふんぞり返る。


「助けてもらった恩は返さねば、沽券にかかわる」

「股間じゃなくて?」

「ちょっと黙っていようか、カーリー」


 パンツ一丁だから視線がそっちにいっちゃうのもわかるけど、貴女は場末の娼婦じゃなくて暗殺者だけど貴族令嬢でしょ、もっと上品にいこうよ。


「吾輩はこう見えても科学者なのだ」

「科学者ってなにする人なの?」

「科学ってなんですか?」


 カーリーとジークの質問に男は目を輝かせる。


「科学とは、魔法を使わない錬金術だ」


 おかしな話だが、背筋がゾッとした。

 魔法が渦巻くこの世界で、科学?

 魔法を使った錬金の研究ではなく、魔法使わない科学……。


「貴方は何者なんですか?」


 はっきり言って異端なんじゃないかと思う。

 魔法が当たり前の世界で当たり前じゃないことをする。

 私の感覚ではヤバイのではと思うけれど、この世界は科学もアリなのかな。

 でも、みんなと話をしていてそんな感じは受けなかったけれど。


「よくぞ聞いてくれた。吾輩はソーマ・カーペンター。科学者であーるっ!」


 ふんぞり返っていう事でもないと思うのだけど、名前を聞いたウルバルとカーリーが私でもわかるくらいに動揺を露わにした。


「貴様がっ」

「お前がっ」

「「ソーマ・カーペンターかっ!」」


 二人の声が綺麗にハモった。


「「殺すっ!」」


 嫌なハモりかただ。


 そして二人は間髪いれずに実行に移った。

 ウルバルがファイアーランスを放ち、カーリーがアイスランスを放つ。

 あっと思った時には男に魔法が当たっていた。


 熱い爆発と冷たい爆発が起こり、相殺するかと思いきや相乗効果で大爆発。

 水蒸気爆発でも起こしたの?

 辺りが真っ白になった。

 もわっとした風が吹いたかと思うと、全てなかったことになっていた。

 男は依然と変態スタイルで仁王立ちだ。


「なかなかパンチの利いた魔法だな」


 男がそういうのと同時に怖いくらいの圧迫感があり、反射的にバリアを展開していた。

 超絶美形の男が大きく口を開けると、その奥がキラッと光った。

 そこから先はよく覚えていないけれど、我に返ると隣にはナーガがいて、私の前にはしりもちをついたカーリーがいて、ウルバルが地面に片膝をついて背にジークをかばっていた。


 今度は私の隣からプレッシャーを感じるよ。

 ちらりとナーガを見て、見るんじゃなかったと後悔した。

 金の光彩が細長く昏い光を放っていて、夢に出てきたら絶対にうなされる自信がある。

 今までいろんなナーガを見てきたけれど、今が一番怖い。


「貴様、原種か。だとしても我が主に向かってその所業は許すまじ」


 ナーガは地面を蹴って男に向かって行った。


「お嬢さん、大丈夫か?」


 ウルバルが私の肩に手を置いた。

 彼がエスコート以外で私に触れるのは珍しい。


「あの、今、何……」

「落ち着け。大丈夫だ」

「ひえっ」


 私の反応に不安を覚えたのか、ウルバルが私を胸に閉じ込め、小さな子供をあやすように背中をポンポンする。

 イケてる声って鎮静剤とは違った効果が副作用にあるね。

 私の中の妄想魂が無駄に張り切り始めたよ。

 落ち着けないのは誰のせい……。


「あの男は人型でありながらブレス攻撃をしかけてきた。お嬢さんと執事のおかげで事なきを得たが、まともに喰らっていたら骨も残っていなかっただろう」


 ウルバルのボイスに混じる戦闘音はスルーだ。


「執事は原種といった。つまり、あの男の正体は竜そのものだ」

「はぁ、そうなんですか」


 竜だと言われてもピンとこない。

 わかっていない私の反応にウルバルは生暖かな眼差しを向けてきた。


「竜の原種と呼ばれる存在は数体だ。彼らはどちらかといえば神よりの存在で、強い力を持つが故に厄災と同じだ。どれだけ強い力かと言えば、軽く咳をしただけでさっきまでいた町が消え失せるといえばわかるだろう」

「自然災害もびっくりですね」

「ああ。お嬢さんと執事が結界を展開しなければ死んでいただろう。執事はお嬢さんを危険にさらしたことで怒り心頭といったところか」

「で、でもさすがにナーガでも勝てないのでは……」

「万死に値するっ!」


 ナーガの声が聞こえたが、抱きすくめられているので見ることができない。

 時折カーリーとジークの、「おおっ」「わぁっ」という感嘆の声が聞こえたけど、今私のこの状況こそ「おおっ」であり「わぁっ」てもんだよ。

 なんでこの人、いい匂いがするんだろう。

 洒落者なのか?

 嗜みなのか?


「爆風がっ!」

「ジーク、私の後ろに下がっていなさい。戦いの余波に巻き込まれたら大変よ!」


 ただいま、煩悩に巻き込まれていますが何か?


「ナーガさん、すごいんですね」

「まさか対等、いえ、押してる?」


 対等なんて烏滸がましい。

 三歩下がってご主人様のご命令を待つメイドの立ち位置こそが相応しいのに、なぜ私はウルバルに抑え込まれているのだろう。

 抱きしめられているというより、身じろぎ一つできないぐらいに抑え込まれているのはなぜ?と思うけど彼の香りを堪能するのに忙しくてそれどころではない。


「そんなまさかっ、ナーガさんが!」

「どういうことなの?でも相手は竜なのでしょう?もともと勝てるはずがないじゃない」

「ああっ、ナーガさんが!」

「まるで犬をしつけるかのようだわ」


 えっ、ちょっと何がどうなっているの?

 ナーガも気になるけど私はいつまでこの状態なの?

 ナーガは勝ったの?

 私はウルバルの体温に負けた気がする。

 ああ、抱きしめられた時間が長すぎて匂いが馴染んでわからなくなってきた……犬になったらもっとこの香りを堪能できるのかしら。


「貴様、いつまでお嬢様に手を出しているつもりか?」

「お前の敬愛するお嬢様にあの姿のお前を見せてもよかったと?」


 ナーガの苛立ちを隠せない声を合図にウルバルから解放された私はきっと残念がっている顔をしているに違いない。

 気恥ずかしくてウルバルの顔を見られないから代わりにナーガの顔を見た。

 襟をピシッと音がしそうなくらいに整えているナーガは鼻息も荒く笑みを浮かべた。


「大変お待たせいたしました。躾のなっていない竜は調教済みでございます」

「この人、ナチュラルに調教って言ったーっ!あれ、さっきの人は?」

「あちらに平伏しております」


 どうぞと言わんばかりに大げさに腕を土下座している人に手を向けた。

 何があったのかわからないが、彼らの戦った場所から緑は失われ、地面はぼこぼこになっていた。

 その中心部に男が土下座をしている。


「誠に申し訳ありませんっしたーっ!」


 そろそろ旅に出てもいいかなぁ。


「ええっと、もとはと言えばウルバルとカーリーが先に手を出したんだよね」


 うっ、と二人が言葉に詰まる。


「何か彼とあったの?」


 ウルバルとカーリーは視線を交わしているが、どっちが言うかを押し付けあっているように見える。

 見えない攻防の末、カーリーが話す事になったらしく、がっくりと肩を落として話し始めた。


「私が悪党どもに捕まった時の話は覚えておいででしょうか」

「確か護衛対象に口説かれて反撃したら捕まったんだよね」

「はい。あの時、霧状の睡眠薬を吹きかけられたのです。仕事上、毒には耐性をつけていたのですが、あの睡眠薬は世に出たばかりでまだ対抗薬を作れていなかったのです」


 できてなかったじゃなくて、作れていなかったって、えっ、まさか自作?

 そういや暗殺業ってカーリーの興奮具合から必殺仕事人的な感じかと思っていたけど、まさかの毒殺?そっちが本職?


「あの睡眠薬のうたい文句はたとえ魔物であっても抗う事はできない、です」


 どうでもいいよ、そんな文句。


「私も似たようなものだ。闇社会で流行りの睡眠薬だ。その製作者の名前がソーマ・カーペンター」

「通常、新しく開発した薬は医療ギルドに提出するものなのですが、ソーマ・カーペンターは何故か闇ギルドに製造方法ごと売り出した大バカ者なのですっ!」


 カーリーの叫びにソーマなんちゃらさんがびくっと震えた。


「だってあの人たち、とやかく言わずに白金貨をたくさんくれたんだよ。ぐちゃぐちゃうるさく言われるよりもさくっと取引できた方がいいじゃないか」


 問題発言が多すぎで、突っ込む気力が失われる。

 正規の手続きが煩雑で面倒くさいから、四の五の言わずに黙ってお金の山を積んでくれた相手の方が簡単に契約できたからそっちに情報を流したと、そういうわけか。

 心情はわからなくもないけれど、倫理的それはどうなのか。

 薬なんて副作用を考えたら臨床は慎重すぎる方が使用者としては安心できるんだけど。


「他にもヤバい薬を開発しては闇社会に流通させる悪徳錬金術師よ」

「つまり犯罪者?」


 カーリーは首を横に振った。


「いいえ。包丁を作った鍛冶師が悪人というわけではないのと同じです。それを料理人に売るか、殺人者に売るか、そういう問題なだけなのです」


 倫理観の問題で、売ること自体は悪い事ではないとカーリーは言った。

 創造した者ではなく、使う方がどう使うかが問題なのだ。

 ソーマの作った薬を買って悪い事に使っただけなので、ソーマが悪いわけじゃない。

 だから彼は犯罪者ではないが……悪い人に作り方を教える時点でもうなんていうか……そういう後の事は考えない人なのだろう。

 私のなけなしの感が逃げろと言っている、気がする。


「もう二度と会う事はないので、謝る必要はありませんよ」


 笑顔でそういうと、なぜかジークがよろめいたように後ろに下がった。


 ナーガだけでも面倒なのに、あのソーマとかいう人もなかなかに面倒な人っぽい。


「それじゃあみんな、行こうか」

「はい!喜んで!」


 ソーマが真っ先に声を張り上げ、立ち上がった。

 パンツ一丁に白衣姿の奴に条件反射的にファイアーボールを打ち込んでしまったことに後悔はない。

 ふふふ、だいぶ私もこの世界に染まってきたようね。

 くらった本人はぴんぴんどころか何事もなかった、むしろいい風が吹いたぜ、みたいな顔をしているけどさ。


「お嬢様、原種の竜は頑丈なのです。私やウルバル程度の魔法をくらっても、赤子の手が当たった程度のダメージでしょう」


 ものすごく残念そうにカーリーが教えてくれた。


「あの白衣が無事なのは?」

「守護の付与か、お嬢様と同じく結界魔法ではないでしょうか」

「はいっ、そこのお嬢ちゃん、大正解~っ!」


 陽気な声に私たちの表情が固まった。


「そうなんだよ。一張羅だからね、穴が開いたり破れたりしたら悲しいだろ。白衣というのは服職人が考え出した最高の一品だからねぇ」


 白衣が一張羅なら、パンツは何なんだとは突っ込まないぞ。

 こういった手合いは会話が成立すると図に乗るに違いないからね。

 我々の視線がパンツに向かうが、ソーマは気にした様子がない。

 でも一つだけ感心したことがある。

 パンツ一丁と白衣の組み合わせはさすがに超絶美形でもトキメキもなければ見惚れることもない。


 私たちは逃げるように速足で歩き出した。

 後ろからついてくるけれど、彼の存在はなかった事にというのが私たちの共通の認識だ。

 関わってはいけない。






 この度、私にストーカーができました。


 好意ではなく、恩でもなく、好奇心でついてくる。

 本人は恩を返すためだと言っているが、絶対に嘘だと思う。

 本当に恩を返そうと思うなら、まず服装の乱れから直せと声を大にして言いたい。


「ナーガ、どうしたらいい?」

「お嬢様がお気にするような存在ではありません」


 存在否定だった。


「カーリー、あれ、どうしよう」

「大人なのですから、放っておいてよいかと」


 事なかれ主義な大人の対応だった。


「ジーク、大丈夫?」

「無給で働く護衛だなんて、好都合じゃないですか」


 無邪気な笑顔で業突く張りの社長みたいなとんでも発言に返す言葉が出てこなかった。


「ウルバル……」

「諦めろ」


 言い切られた。


「強者というのは基本、人のいう事などきかないわがままで傲慢で自分勝手で唯我独尊な生き物なのだ」


 色々と意味が丸被りだが、大事な事だから二度言った的な事だろうか。


「強者の特徴は何があっても、何をされても生き残れる自信ゆえの他人への配慮の欠如と無頓着さだ。子供がアリの行列を観察するようなもの。飽きれば勝手に去っていくものだ」


 相手にするだけ時間の無駄だとウルバルは言い切ったが、最後に「竜種の寿命を考えると年単位かもしれないが」とちっとも安心できないことを呟いていた。


「でもナーガに負けたよね。だったらナーガのいう事なら聞くんじゃない?」

『アレは竜だ。人ではない』


 ほんの少し不機嫌そうな口調でナギが話しかけてきた。


『人間に化けている分、本来の能力より劣っている状態だ。さすがの執事も竜の姿であれば僅差で負けていただろう』

「……僅差」


 遠い目になってしまうのはしょうがないだろう。

 ああ、空の青さが目に染みるので地上に目線を戻したら、ちょうどナーガと目があった。


「いかがいたしましたか?」


 ちらっと見ただけでわかるってどんなスキルだろう。

 ああ、でも接客業だと必須か。

 レストランでも視線を向けるとすぐに給仕係の人が来るもんね。

 洋服屋とかでも視線が合うとすぐに来てくれて話しかけられて……だから絶対に顔をあげられなかったっけ。

 お店で店員さんに話しかけられるのはちょっと苦手な私には恐ろしいスキルだ。

 首を横に振ればナーガは何事もなかったかのように前を向いた。


「ナギ、ナーガってどれだけ強いの?」

『もともと種族として強者に君臨する。あの竜も厄災級だが、あの執事も厄災級だろう。もちろん我もだが』


 聞いてもいないことを言い、ドヤ顔をするナギは可愛かった。

 切実に、もふって全てを忘れたい。

 厄災級が三体も私の周りにいるという事実には目をつぶりたい。


『おそらくお前の正体はバレていると思うぞ』

「マジかぁ……。それが原因?」

『であろうな。聖女なんて希少生物はめったにお目にかかれん』


 ついに珍獣扱いになりました。


『竜種は強者故弱者の感情には疎いため、傲慢だ。しかし嘘はつかない。ジークの言う通り、当てにしてはいけない護衛がついたと思えばいい』


 なんだそりゃ、と思った私は悪くないだろう。

 ソーマは鼻歌交じりに歩いていたかと思うと、茂みに分け入って薬草をさがしたり毒キノコを探したりとちょいちょい姿を消す。

 その間に距離をとるけど、気が付けば後ろの方でふらふら歩いている。

 パンツ一丁に白衣を羽織って。

 何度でも言おう。

 関わりたくない……。

 

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