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19K:異世界へ


前回と同じく陽菜視点です


□-254℃□






目を開けると、どこもかしこも真っ白な場所にいた。


周りを見ると、クラスの皆と担任の先生がそこにはいた。



「どうなってんの?」


「どうせあれだろ、異世界召喚」


「異世界召喚? なにそれ?」


「詳しくは忘れたが、異世界に召喚されるってやつ」


「? 良く分からないわね」



後ろでは、妙に落ち着いている仁君と茉璃ちゃんが話し合っていた。


周りを観察してみると、グループが幾つか出来ているのが分かった。



先ずは、学年1のイケメン(と呼ばれているらしい)神村(カミムラ) 星也(セイヤ)君を中心にした、イケメン男子達(と呼ばれている)と、何時も一緒にいる女子達(取り巻きと呼ばれている)のグループ。


後ろの仁君と茉璃ちゃんは、関わらないほうがいいと何時も言っている。



続いて、クラス委員長山本(ヤマモト) 鏡子(キョウコ)さんを中心とした、殆んどのクラスメイト。


後ろの二人は、行くならあのグループと言っている。



そして、オタク(と呼ばれている。本人達も認めている)グループ。


あそこも比較的マシと、後ろの二人が呟く。



後は、一人か二人、三人の人達が、私達含めて何人か



これからどうするか山本さんと先生が話し合っているのを見ていると、突然手を叩く音が聞こえてきたので、そっちを見てみると、金髪碧眼でコートのような服を着た人がそこにいた。



「えーごほん。単刀直入に言います、貴方達は、異世界に召喚されました」



ざわざわし始めるクラス。すると、代表して山本さんが質問し始めた。



「異世界に召喚とは、どういうことですか?」


「そのままの意味です。もっと詳しく言うと、魔法があり、スキルがあり、モンスターがいる、そんな世界に勇者として召喚されます」


「元の世界には帰れますか?」


「帰ったとしても、直ぐに死にますよ?」



金髪碧眼の人の言葉に、クラス中がどういうことだと叫ぶ。あ、私達三人は特に何も言わないけど



「実はですね、貴方達は向こうでは既に死んだことになってます。なんせ、貴方達のいた教室が、連続爆弾魔によって、爆破されましたから」



その言葉に、私は思い出した。そういえば、今私の住んでいる市に、連続爆弾魔が潜んでるんだったっけ?


話は続き、帰ったとしても、因果とか運命とか難しい表現はあったけど、どのみち死んでしまうらしい。そして、帰ることはそもそも出来ない。そう聞いて、殆んどの人は諦めたようだ。何人か諦めていないみたいだけど………


そして、今から行くのは、先ほども言った通りモンスターがいる危険な場所、そこで



「皆さんには、私の加護とギフト、それにスキルポイントを100授けます」



金髪碧眼の人━━本当の名前は光の神 ファルノーク様というらしい━━がそう言って、皆に一つづつ光の球を飛ばし、その球が胸に吸い込まれた。すると、目の前に半透明のウィンドウが現れた。



「そのリストから、100ポイント分の好きなスキルを選んでください」



と言われても、何を選べばいいんだろう?



「陽菜、役割分担だ」


「役割分担?」


「そ、千切と私が前衛をやるから、陽菜は後方支援をお願い」


「後方支援?」


「まぁ、回復と遠距離攻撃だな、自分が使えると思う魔法を選んどいてくれ」



成る程。とりあえず、良さげな魔法と、自分の得意分野を生かせるモノ、そして短所を補えるものを選んでおこう。



「二人共、【鑑定】スキルとっとけ」


「なんで?」


「『鑑定系はとっといて損はない』」


「あ………それ」


「何?」


「ま、とある友人の言葉だ、本当に役立つハズだからとっとけ」


「了解」



今のは凍真君の言葉だ。


ネット小説を良く読んでいた凍真君は、たまに私と仁君にその手の話をしていた。


私も仁君も話し半分で聞いていたけど、その時の凍真君はキラキラしてて、何時までも聞いていたくなった。



「陽菜?」


「あ、ごめん。なんの話だっけ?」


「いやそうじゃなくて、顔色悪いけど大丈夫?」


「うん。平気」



上手く笑えているだろうか? 少し自身がない。


暫くして、ファルノーク様が全員の準備が出来たことを確認し、喋りだした。



「皆さん、ちゃんと選びましたね? やり直しはききませんので、ご注意下さい。ギフトについては、向こうで知ることができます。では、十分に気をつけてください、貴方達のいた世界とは違い、命の危険が常にある世界ですから、普通の人より大分強いとはいえ、力に溺れず、過信せずにしてください。では、また会うこともあるかもしれません。お達者で」




丁寧にお辞儀をしたファルノーク様が、指を鳴らすと、視界が一瞬白く染まり、次の瞬間には全く別の場所にいた。



「ここがそうなのかな?」


「みたいだな━━お」


「何?」



仁君が、自分の手のひらを見ながら少し笑った。



「手を見ながら鑑定したいと思え、ステータスが見れるぞ」


「良く分からないけど、やってみる」


「私も」



自分の手を見ながら鑑定したいと思うと、目の前に半透明のウィンドウが現れた。



━━━━━━━━━


≪名前≫

ヒナ=ヒジリ


≪種族≫

人族


≪性別≫


≪年齢≫

16


≪スキル≫

【体術】【料理】【裁縫】【水魔法】【風魔法】【光魔法】【聖魔法】【回復魔法】【幻想魔法】【危機感知】【生命感知】【鑑定】


≪ギフト≫

【天使の療法】【陽之御玉】


≪加護≫

『光の神 ファルノーク』

『異界の神 天照大神アマテラスオオミノカミ


≪称号≫

〈異世界人〉〈召喚されし勇者〉〈聖女〉〈太陽の巫女・異界〉


━━━━━━━━━



……………



えっと……………何コレ?



私は、異世界に来ることになった時よりも、かなり混乱してしまった。





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