Last episode
あれからどれくらいの年月が流れただろう・・・・
長男だけは誰の子かわからなかったけれど、その後は順調に一人に一人ずつ生み、6人も子供を産んでしまった…。
まぁ、シャンティはあの後も順調に子供を産んで12人ぐらいになってたから負けるけど。
そんな子供達も立派に育ち、次の主は長男に譲った。
が、佐奈を取り込んだことで魔力が上がっていたのか、元々チートだったのか、塔の主を譲った後も、何千年と生き続け、皆で仲良く没したのは、年数はわからないが、全てやり遂げた後だ。
世界は塔の力で中和され、結界はほどほどにして、弱い魔族ぐらいならば通すようにした。
人同士のフラストレーションを魔物にぶつける事によって、大陸での人間同士の抗争を止めるためだ。
魔族、エルフとの交流も進み、没する前ぐらいには異種族婚も盛んになっていたので、種族が絶滅がするようなことにはならないでね、なんて思ったり…。
あぁ、悔いがあるとしたら料理かな。
鍋料理を作るとどうしてもスライムが発生してしまって、そのせいで年に一度鍋料理を作ることになったのだ。スライム祭りをするために・・・。
まぁ・・あのスライムは美形に投げて服を溶かすことで筋肉観賞ができたから、結果的には良かったのだけど。
その後は改良して無駄毛処理スライムを作ったリ…。
と、脱線脱線。
あ、無駄毛といえば、吸い取る君を改良して、生やします君を作ったのよね、これは消える前のお爺ちゃんズの功績だ。
人類の夢はまだあるのじゃーって…、ハゲに挑戦して、そこそこ成功してたっけ。
見た目はヒルだったからあれが駄目な人は買わなかったけど…。
と、またもや脱線。
なんだかんだと皆に愛され、幸せな一生を過ごした…。
けど
「なじぇに私はまたてんしぇーしてるんでしゅかね」
3歳児、黒髪黒目で生まれ、名前はまたもやシャナ。
しかもリンスター家生まれ。ルーツは姉様の方だった。
ということで、姉様がディアスと住んだリンスター家の最初の田舎の家、つまりは同じ場所で私は生まれ、3歳児になったので、なんとなく再び塔へと向かっていた。
残念なことにもう塔にはノルディーク達がいるわけではないけれど、私の子孫がいるはずだ。
えっさほいさと歩いていくと、再びまみえる白い塔。
と・・・・塔の前に行き倒れの少年が…。
デジャブ?
とりあえずさかさかっと少年に歩み寄り、うつ伏せに倒れる少年をうんしょうんしょとひっくり返して、さっそくその胸をはだけさせ…て、違うわっ!
「いきてまーしゅかー」
肌蹴させた胸元は直すことなく、その胸にピタリと頬を寄せた。
気持ちいい生肌からはトクトクと心臓の音が聞こえる。
「むふふふふふふふっ」
じゅるりと涎が垂れそうになってしまったよ。
だって、この少年、かなりの美形だよ。このまま拾ってうちの子にして…。
「シャナ、心の声が駄々漏れだよ」
「んあ?」
なんだか懐かしく感じるツッコミに辺りを見回すと、生胸をさらした少年がパチリと目を開き、こちらを見て微笑んでいた。
その髪は金糸で、瞳は紫色だけれど…。
そこはかとなく漂うこの気配は…まさかねぇ?
コテリと首を傾げ、見下ろすと、少年は私の後頭部を撫で、そのままグイッと引き寄せてエロちっすをっ!
て、犯罪犯罪っ! いや…相手も子供だからいいのか? これは子供同士のチュッですよ~みたいな…て、こんな濃厚なわけあるかぁ!
「ふぬぬぬぬぬっ」
「…あれ? 子供のまま?」
少年は唇を離し、ぶわっと風を起こして大人の姿になった。その姿は20歳前後!
来た来た美形!
「ひょっとして…生まれたばかり?」
首を傾げる美形のお腹の上によじ上り、抱きしめられた状態で頷く。
「そうでしゅよ。シャナ・リンスター3さいでしゅ」
青年は苦笑すると、そのまま嬉しそうに私を抱きしめた。
「あの時と同じだね」
あの時?
再び首を傾げると、ため息交じりに声がかけられた。
「そこの二人、犯罪行為をしてないで早く入れ」
気が付けば、塔の入り口に白い髪に氷色の瞳を持つ少年が立って、呆れたように私達を手招いていた。
「やっと来たな」
ひょこりと塔の中から金糸の髪に緑の瞳のエルフが一人顔を出す。それに続いて黒髪の10才より少し幼いくらいの少年が二人顔を出した。
「遅い」
「待ちくたびれたな」
えぇと…これはどういうことですかね?
私は首を傾げ傾げ、彼等を見つめると、白い髪に氷色の瞳を持つ、ノルディークに似た少年がため息をついて告げた。
「ハーンだ」
ハーン?
続いて少々高圧的で、どこか冷たさを帯びているが、それがまた他のエルフには無いカッコよさを持つエルフが手を上げる。
「アルディス」
さらに黒髪の少年は…顔がそっくりなのでどちらがどちらかわからなくなりそうだが、それぞれ告げる。
「シェール」
「ファルグ」
最後に私を抱き上げている魔族の青年。
彼は私の頬にもう一度嬉しそうに口づけて名乗った。
「ノルディーク」
まぁ、なんて聞き覚えのあるお名前、偶然かしら…って、違うよね、これ、絶対違うよね。
これは、もしかして…というか、もしかしなくても…。
「全員記憶有りで転生しましゅた?」
男達は同じタイミングでこっくりと頷き、私はパッと目を輝かせた。
まさかのラブゲージマックス状態!?
「ということで、シャナ…ずいぶん待ったから早く一緒になろうね」
ノルディークはそう告げると、私を抱き上げてそのままスタスタと塔に向かって歩き出す。
「はえ?」
行き倒れ…は、まさかの演技!?
いや、それは今問題じゃないぞ私っ!
驚く私を男達は塔の扉の前で迎えると、全員がにっこりと…黒い微笑で宣言した。
「「「「「守護塔で引き籠ろうか」」」」」
「いや…ちょっ…それは…あの…」
私はだらだらと汗を流し、扉が閉まろうかという寸前に叫ぶのだった。
「あと13年は待ってくだしゃいぃぃぃぃぃっ!」
扉はパタンと閉じた。
守護塔にはまだ引き籠れません!
ノルさん「これで守護塔は完結です」
シャナ 「後から追いかけてここに辿り着いた人は
感想欄も読んでみてくだしゃい」
ハーン 「連載中の妄想劇が繰り広げられている…」
シェール「もちろん感想を書かなくても読むだけで大丈夫です」
アルさん「一部番外編に載っているが・・・」
ヘイン君「載せきれなかったね」
ナーシャ「きわどいのもありましたからねぇ」
ディアス「なんにせよ」
皆 「最後までお読みいただきありがとうございました!」
感謝です!




