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【Web版】唯一無二の最強テイマー 〜国の全てのギルドで門前払いされたから、他国に行ってスローライフします〜  作者: 赤金武蔵


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真髄──③

   ◆



 俺達はいつも通りフェンリルに乗り、ライガは自身の剣を浮かせてその上に乗っていた。

 そして地上から遥か上空。俺達は毒の渓谷を見下ろしていた。



「ここが毒の渓谷……何だか禍々しいね」



 紫色のガスや霧が渓谷全体を覆っていて、毒の耐性を持ってない生物は絶対に寄せ付けないようになっている。


 スフィア曰く、毒の渓谷は幅は約10キロ。深さは約30キロ。長さは約1000キロに及ぶらしい。

 ここまで来ると渓谷と呼ぶのも怪しいけど、例に漏れず幻獣種(ファンタズマ)の規模感では小さいサイズなんだとか。

 これで小さいって、どんな感覚なんだ、幻獣種(ファンタズマ)



「それにしても……静かすぎないか?」



 これだけ大きかったら、何かしら気配はあると思ったんだけど……まるで生物の気配を感じない。



「これ、もしかしなくても毒の魔族の仕業かな?」

『そのようね。渓谷の中にいる生物はほぼ壊滅してるみたい』

『私も確認しました。毒の魔族は渓谷の端にいるようです。ですが、それまでの道中には生物の気配はありません』



 1000キロに及ぶ渓谷で生物の気配がない……食ったのか。ここにいる生物、全部。

 フードファイターも裸足で逃げ出すレベルの大喰らいだな。



「とりあえず、魔族の近くに行こう。フェン、お願い」

『任されたー!』



 フェンリルが宙を蹴るように翔け、ライガがその背中を追ってくる。

 余りにも広い渓谷を、フェンリルはものの数秒で端まで駆け抜けた。

 ただ、ライガもそのスピードに付いて来れている。流石だな。



『コハク様。この真下です』

「うん。わかってる」



 これだけ離れてるのに、この重圧の嫌な気配。間違いなく魔族だ。

 俺もあれから強くなっているから、わかる。こいつの強さは、あの時の魔族とは比較にならない。大きさではなく、質そのものが違う。


 こいつと、今から……。


 生唾を飲み、フラガラッハに手を掛ける。

 ……震えてる。これは恐怖か、それとも武者震いか。

 多分、半々だ。これだけの圧力を肌で感じてる。怖くない訳がない。

 でも……どこかワクワクしてる自分もいる。


 深呼吸を1回、2回。



「……スフィア、お願い」

『はい、ご主人様』



 スフィアが俺の首から、ペンダント型の空気浄化装置を下げてくれた。

 これがあれば、俺の周囲1メートル圏内の空気は、どんな毒ガスや毒霧も浄化してくれるらしい。


 本当は防御シールドで毒そのものを防いでもよかったんだけど、それだと奴の攻撃も防いでしまい、俺自身の強さに繋がらない。


 俺は、俺の強さで奴を倒す。

 そうして初めて、みんなに頼るだけじゃない戦闘もできる……そんな気がする。



「……よし、行ってくるよ」

『ご主人様、ご武運を』

『コゥ、きばってこー!』

『コハクなら余裕よ!』

『何かありましたら、即座に駆け付けます。ご安心を、コハク様』



 暖かい言葉をかけてくれるみんなにサムズアップし、フェンリルの背中に立つ。

 そっと下を見て、ゆったりとした足取りで宙に足を踏み出した。


 一瞬の浮遊感。その直後に体にかかる重力に逆らわず、真っ直ぐ毒の渓谷へと落ちていく。

 着地はスフィアが何とかしてくれるから、このまま一気に──。



「ッ!」



 殺気……!


 超高速で、何かが真下から飛んでくる。

 けど……今の俺には見える!



「ハッ!」



 フラガラッハを抜き際に、紫色の槍を切り裂く。

 もし剣精霊達との訓練をしてなかったら、今の一撃で死んでいた。それ程のスピードだ。


 それにこの嫌な刺激臭……毒で作られた槍か。

 スフィアからあらかじめ聞いてたけど、もしこの毒に僅かでも掠ったら即死。もしくは状態異常で弱体化させられる可能性があるらしい。


 剣精霊との修行で紙一重で避ける訓練もしたけど、多分これを見越してのことだったのかもな。

 今の俺なら、あれくらいなら避けられる。

 なら、勝機はある……!


 覚悟を決め、毒ガスの充満する渓谷へと降下する。

 スフィアに貰った空気浄化装置のおかげで、俺の周囲の毒ガスだけが浄化されていく。

 凄いな、これ。これなら危険区域(デンジャラスゾーン)でも余裕だ。


 毒ガスの中を落ちるにつれて、日の光が徐々になくなっていき、視界も悪くなっていく。


 っ! また殺気!


 殺気を頼りに空中で体勢を変えると、今度は毒の刃が飛んできた。

 毒の形状を自由に変えられるのか。

 気体状なら、スフィアに貰った空気浄化装置でなんとかできる。

 俺が気を付けるべきは固体状のものと液体状のもの。


 それに、さっきの槍も刃も赤い線が見えた。

 つまり、フラガラッハの【切断】で切り刻むことができる……!


 下からの攻撃を避け、弾き、斬る。


 そうしていると渓谷の底が見え、スフィアの力で地面に激突する寸前に落下速度が弱まった。


 そして……こいつが、魔族か。


 全身紫色の肌に、俺の身長を遥かに超える体躯。筋肉も膨れ上がり、異形の姿をしている。

 背中からは翼。頭には角。

 あの時の魔族とは似ても似つかない。

 圧倒的な威圧感と殺気に身が竦む……が。



「魔族。ちょっと俺の相手をしてもらうぞ」



 俺は、逃げない。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] フェンリルは愛称だけで呼べばいいと思う。 話し言葉と書き言葉が違うのは分かるが、冷たく感じる。
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