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ニャパンの都

続きです。

 道なりに歩くこと数分・・・・・・。

ヤマイヌの言った通り、だんだんと視界が開けていき・・・・・・程なくして都が見えて来た。


「ここが・・・・・・ニャパン・・・・・・」


 今までは人の生活空間よりかは獣の領域って感じのところばかり歩いていたが、こうして建造物が見えてくるといよいよ違う国に来たのだなという感じになってくる。


 ぎっしりと、しかし整然と並んだ木造建築。

基本的に建物は一階建のようで、屋根の高さは大体一定に揃っていた。

屋根に敷き詰められた瓦が太陽の光を受けて輝いている。


「えっと・・・・・・これ、行っちゃっていいのかな?」


 わたしにとって、ここが初めての異国・・・・・・というわけでもないのだけど、それでも地続きでない土地に降り立つのは初めてなわけで・・・・・・それで少し不安になってみんなの方へ振り向く。


「ええ、行きましょう。既にこの国にもギルドはあるはずなので、そこに辿り着ければ・・・・・・ひとまずなんとかなりますよ。上手く話が通せれば・・・・・・ギルドにある通信用の魔道具を使って真理の庭と連絡も取れるかもしれません」

「そ、そっか・・・・・・」


 あの船の制御盤は壊れてしまったために、もうハンドレッドには繋がらない。

しかしギルドの方で似たような手段を用い連絡が取れるなら、色々とスムーズにことが運ぶはずだ。


「よ、よし・・・・・・じゃあ!」


 意を決して、町に向かって足を踏み出す。

町はわたしたちを拒むでもなく、歓迎するでもなく、全く気にしていないように・・・・・・ただそこにあった。


 近づけば、ちらほらと現地の人の姿も増えてくる。

忍者たちとはまた違った・・・・・・けれども不思議な装束に身を包んでいる。

って・・・・・・向こうからしたら、わたしたちが変な服ってことになるわけだけど。


 現地の人々は何を言うわけでもないけど、明らかに奇異の眼差しをわたしたちに注いでくる。

そのアウェー感に耐えながら、とうとう・・・・・・わたしたちは見知らぬ町に立ち入った。

続きます。

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