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243話 念願のゴミ整理④

 ゴミ祭り2日目、自衛隊員達の目の前でリザレクションを使ってしまった。

 亡くなってた人にヒールをしてみたついでにリザレをかけたら、まさかの生き返りでビックリした。


 しかしこの情報が漏れたらウィズが世界中から狙われると話し合いになったが、隠すより情報を流す事になった。



 さっきの船ゾーンに戻ると、自衛隊員達が騒ついていた。

 官房長官と将軍の口からさっきの話がされた。

 

 俺達を守る事、それは隊員のひとりひとりがスキル取得出来るように成長をしてほしい、と。

 皆が当たり前にスキルを使える世の中なら、ウィズが狙われる事はない、と。



「おーっ!俺はスキルを獲るぞぉ!」

「自分はウィズを目指します!魔法を使うぞぉ」



 次から次へと隊員からやる気のある声が上がった。



 その後は、船ゾーンに置かれていた幾つかの船から、遺体が続々と出てきた。

 どうも横須賀海自の船らしい。津波で東京湾へと入り込んだらしいそれを俺がゲットしてしまった。


 シートを敷いた上に並べられる遺体は、艦内で何処かにぶつかったり下敷きになったりしたのか、損傷(出血)も激しかった。

 しかし遺体としては新しいと言う事で、ゴンちゃんとふたりでリザレをしまくった。


 リザレはMPを結構使う。そして魔石だ。ひとりの復活に魔石が5つ。

 ゴンちゃんも俺も、向こうに居た時から魔石集めにダンジョンへ潜ったりしていた。常に魔石を沢山持っていたい主義なのだ。


 それもあり、魔石不足にはならなかった。だがMP枯渇で途中途中メディテーションをしながらになった。

 リザレは新鮮なうちでないと復活しない危険性があるのではと春ちゃんから言われて、今出ている船はサンバ達にしまってもらった。



 MPが回復しだい、順繰りに出していく。



「車も見た方がいいですね、今日出したのは壊れた車ですよね。運転手込みで沈んだ可能性もある。俺らが見回って、中に人が居たら一回収納しときます」



 ありがたい。ヘタレで申し訳ないが遺体があるのがわかった状態で俺はアイテムボックスへしまえない。怖い。

 知らないからずっと保管できていたのだ。知ったらもうダメだ。



「カオるん、『人の遺体のある物』でアイテムボックスで検索をかけてみてください」



 うおぉぉぉ、そうか、まだ持ってるかもしれん?何かにどこかに入ってるん?

 俺はすぐに検索をした。



「あ、あ、あ、あ……」


「出してください。こちらで預かります」



 すまんー。頼むぅ。

 出すと、大きめの荷台?が出てきた。



「あー、トラックのコンテナ部分ですね。荷台に何方か乗ったまま流されたのか。預かります」



 お願いします、お願いします、お願いします。

 マルクが腹に抱きついてきた。右手を春ちゃんが握った。左手をキヨカが握った。

 俺は少しずつ落ち着いてきた。……ふぅぅ。


 何でこんなにヘタレなんだろうな、魔法使いの癖に死体が怖いとか。



「……香は覚えていないかも知れませんが、香が昔入院した時に同じ病室の方がかなり酷い状態で亡くなったんです。香は動けない状態だったので隣でそれを見ているしかなかった。看護師が気がつくまでずっとそのままだったと、雪姉さんにきいた事があります。その記憶が心の奥底に残っているのかもしれませんね」



 うん、全然覚えてない。覚えて無いんだけど、怖かったて事だけは覚えてる。



 そんなこんなで、火曜日はリザレでおわった。





【水曜日】


 昨日はリザレで終わったため、今日は昨日出した壊れた乗り物の取り合いだ。

 全ての物が綺麗に無くなった。自衛隊では修理をして使うそうだ。カンさんも鉄材が欲しいので頑張ったそうだ。


 本来なら今日出す予定だった鉄材や木材、プラなどを午後から出した。

 材料を使うスキル持ちであるタウさん、カンさん、それと養老の砂漠の爺さんたち、それから熟れトマも駆け回っていた。

 自衛隊にはまだそっち系のスキルは発生していないようだった。





【木曜日】


 コンテナが開けられて行く。

 コンテナは結構収納していた。初日から数日、タウさんらと合流するまでの間、職場の周りをスワンで回っていた。

 行く手を塞ぐ鉄の壁は収納しまくった。恐らくあれらが流れてきたコンテナだったのだろう。


 もしもコンテナの中身が食料系としても、アイテムボックス内にずっとあったので時間は止まっているはずだ。


 今日の参加者も昨日と同じで、血盟関係と自衛隊関係だ。

 昨日と違うのはコンテナの中身が分けられる物の場合、欲しい者が被ってもクジではなく分割になる。

 中身が単品の場合はクジだ。


 と、その前に、俺が欲しい場合は最優先で貰う権利があるんだと。

 数日前にハケンで会議を開いた。コンテナの中身が何だったら欲しいか。


 しかしハケンの砂漠、苫小牧拠点では、特に困っていないので誰も何も思い浮かばなかった。

 ちょっと前ならトイレットペーパーと言いそうだが、実はその問題は解決している。


 タウさんが茨城のトイレットペーパー工場を見学して、小樽の工場を再起動したのだ。

 勿論現地の人や自衛隊の協力を得てだ。


 茨城の完全に停止していた工場から材料も頂戴してきたらしい。

 なのでそれに関しては暫くは困らない。



「他に欲しい物はないか?」


「うーん、何だろ? 特に困ってないしなぁ」


「だよな、ここってカオさんが居るおかげか恵まれてるよな」


「強いて言うなら魔法書が欲しいですね」



 春ちゃんはウィズを目指しているからなぁ。ゲーム内ではなくリアルの魔法書が欲しいそうだ。



「地球に魔法書ってあるんかね」


「あったとしてもコンテナで大量に運ばれてるとは思えないなぁ」


「ええ、わかっているんですけどね。口に出して言うと叶うかも知れないじゃないですか」


「フラグ立ての一種か」



 いや、フラグも立たないし神さまも叶えづらいと思うぞ?



「夢ですよ。コンテナ開けたら魔法書がザックザク」


「魔法書を手に入れるなら、コンテナよりもダンジョンを探した方が早くないか?」


「ダンジョンあるの? ここにも?」


「うーん、日本にはどうだろな。外国にはありそうなイメージですね」


「今って海外、どうなってるんすかね」


「だねー、どうなってるかね」



 なーんて事があったので、コンテナを開けるたびに『魔法書魔法書……』と祈ってるが、そううまく行くわけがない。


 コンテナの中身は普通の輸入品?だった。いや、海外あての輸出品かもしれん。

 なんか衣服が大量に入っていたり、何かの部品だったり。


 ちょっと飽きてきた。





【金曜日】


 この日もコンテナの荷物公開だ。

 だが、昨日までと違うのは参加者だ。今日は近隣の一般参加者が入場出来る。


 自衛隊もリアステ所持者以外の隊員が多数参加している。

 つまり、昨日までは団体の取引だったが、今日からは個人だ。個人が欲しい物を持っていく。


 各拠点からも一般人が参加する。

 ウィズタクシーの俺とゴンちゃんは大忙しだ。


 開いたコンテナが個人に向かない場合はタウさんが預かってくれる。俺のボックスには入れぬぞ。

 今日は持ってるコンテナを全部出す。


 昨日同様、衣服や、家電、それと果物もあった。それと密林社の海外からの便。個人宛なのだが配達する者も居なければ受取人も居ないだろう。(居たらすまん)


 好きなの持ってけ状態だ。各自が持って帰れる量にするように。宅配とかないからな。

 それから他の物も出した。


 検索方法ではゆうごが色々と検証をしてくれたそうだ。

 アイテムボックスは日付検索は出来なかった。例えば『◯月◯日収納分』としても検索結果は検索不可となる。


 しかし収納された物体の状態での検索は可能だった。つまり『海水に浸かった物』で、検索が出来たのだ。

 お陰でゴミっぽい物全てを出す事が出来た。


 勿論、それを承知で皆は持って帰る。何に使うんだろうな?

 この日に残った物は焼却処分になった。本当にいらないゴミが残ったからだ。

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