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共通テストが終わった

『はい、第五問、242526の順に、4、2、4、272829の順に、1、4、1』


「おし、ありがと」


 僕は電話の向こうの沙音華に言った。


 共通テストの自己採点中だ。爆死してそのまま家出とかしたら困るから一緒に自己採点してあげるって沙音華が言ってくれて、今、最後の化学まで採点が終わったところだ。


『え、たいせ結構高得点なんじゃない?』


「待って今足し算する……」


 僕は受けた全部の科目を足し算した。900点満点中798。


 やばい。結構いい点数を取ってしまった。


『え、何点?』


「798」


『えええええええ! それほんとにたいせの点数なの? 勉強した? いや勉強はしてたか。もしかして私に心配かけないために嘘ついてるでしょ。お姉ちゃんに正直にいいなさい』


 いつからお姉ちゃんになったんだって思ったけど、僕が浪人を決めた瞬間からだったわ。


「嘘ではない」


『じゃあ……とりあえずはお疲れ様ってことだね』


「うん。ありがと」


『がんばるんだよ。まだこれからもね』


「わかってる」


 沙音華との電話ん終えた瞬間電話が鳴った。


『おい、リサーチと二次向け特別講座やるから来いよ』


「あ、山上先生。そうだ忘れてました」


 共通テスト終わったばかりの僕の頭は、マーク脳になっている。


 その脳を記述に慣れさせるために行うのが、二次向け特別講座だ。


 そして、国立大学の出願状況や共通テストの難易度、足切り予想のデータを得るために予備校が行うのが、リサーチだ。僕がやることは自分の自己採点結果を提出するだけ。


 自己採点も終わったことだし、予備校に向かおう。


 今日から、記述をとことんやらないとな。


 

 

 というわけで記述をとことんやった次の日。


 共通テストの結果とリサーチの結果を踏まえた山上先生との面談が始まった。


「なかなか頑張ったな」


「はい、まあ」


「二次の方が配点圧倒的にでかいんだから全く油断はできないがな。ただ一つ朗報だ」


「朗報?」


「リサーチの結果から見るに、去年よりも全体的に難化している。だからこの点数であれば、お前が出した私立大学の共通テスト利用の特待がおそらくもらえるぞ」


「ほんとですか?」


「百パーではないがな。だから私大の一般入試よりもとにかく第一志望に集中だ。記述をやりまくる。万が一特待に落ちたって入ってから成績が良ければ色々奨学金が出るからなこの私立は。特待じゃなければ巨大なマークミスをしてない限りは大丈夫だ。巨大なマークミスをしてたらそもそも国立もうけられないからその時はもう知らんがな。まあちゃんと見直したよな」


「はい。見直しました」


 僕はうなずいた。まあいくら見直してもマークミス恐怖症は取れないんですけど……。それを今考えても仕方がない。今は山上先生の言う通り、第一志望に向けての勉強をやるだけだ。


「あ、あとな。もう一つなんだが……」


 そんな僕に、山上先生は一つ、提案を付け加えた。


お読みいただきありがとうございます。


結局また現実と同じ時間になってしまいました。そのかわり誰も得しませんが、化学の答えを昨日行われた本物と同じにしました。

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