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救護室に行った

 次の日。沙音華の筋肉痛騒動と同じ状態への一歩を僕は踏み出していた。


 つまり遅刻しそうだということ。


 理由は単に途中でトイレに行ったからなんだけどもう少し余裕を持っていればよかった。


 予備校の近くからダッシュする。


 よし、なんとか大丈夫……どてっ。


 あ、しまった。浪人中で運動神経なくなってたの忘れたわ。


 曲がるところで滑って転んで脚をすりむいてしまった。


 もう遅刻でいいや。あと救護室行こう。


 僕はゆっくりと、ヒリヒリするのを我慢して歩いて行った。


 


 そう。予備校にも学校の保健室的なポジションの、救護室があるのだ。


 お世話になるのは初めてで、どんな先生がいるのかも知らない。


 きっと美人なのかな〜って入って見たところ、おばさん……ではなくて少し年が高めの女の人だった。


「すみません。ちょっと転んでしまいまして」


「あ、ちゃんと消毒しないとよくないですねこれは」


 救護室の先生が消毒液を取りに行ってくれてるのを椅子に座って待っていると、カーテンがかかっていたベッドから誰かが出てきた。


「あれ、奈乃さん?」


「あ、たいせいくん……」


 奈乃さんは元気が無さそうだった。いや無さそうというかこれは明らかにない。ないから救護室にいるんだろうし。


 僕は奈乃さんから昨日電話が来たけど切れてしまったことを思い出した。


「体調……大丈夫?」


「あ、うん。ちょっと良くなったから授業に戻ろうかと思って」


「あ、ああ」


 奈乃さんは消毒液を持って来て戻って来た救護室の先生に声をかけて出て行った。


 僕はそのあと消毒液をかけられて痛みを感じている時も、奈乃さんの事が心配だった。


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