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夏休みもそろそろ終わる

 それから夏休みは、勉強が完全に主軸で進んでいった。


 いや当たり前だけどね。勉強主軸じゃなかったら浪人生としてやばいから。

 

 まあたまには、沙音華と買い物に行ったよ。


 あと、榎咲と行ったことのないラーメン屋やら変わったカレー屋に行ってみた。


 そして、奈乃さんと連絡先を交換してしまって可愛いスタンプが送られてきて慌てていたら沙音華に笑われたのが、夏休みも後半の真ん中の頃。


 そうして、僕はきっと勉強面で成長して、無事にメンタルも詰まないまま夏休みの終盤を迎えた。


 夏休みは今週でおしまいで、今週は夏期講習ではなく、夏前と同じ浪人生のクラスでの秋に向けての準備授業。


 というわけで僕となわばり争いをしていた現役JKたちともお別れ。


 そして今日、ここからさらにメンタルが安定するか、メンタルがさよならするかが決まる。


 志望校別模試の結果発表日だ。

 

 自己採点では悪くなかったはずだけど、やっぱり気になる。


 朝七時に予備校のマイページに結果が出るので、僕は朝六時五十五分くらいからスマホを持ってスタンバイしていた。


 まあ正直この程度で緊張していたら、本番ののネット合格発表でどうなるんだって話なんだけど。


 あ、七時になった。


 僕は「模試の結果を確認する」のボタンを押した。


 すると、戦闘能力(というか受験においては戦闘能力で正しいのか)のようにレーダーチャートになって描かれた成績とその詳細が表示され、次のページには判定が……。


 お! おおお!


 A判定だ! 来た! 


 嬉しすぎる! 


 報われた! いや落ちつけ。報われるのは本番だよな。


 僕は一回にやにやし始めた情けない頰を叩き、マイページを閉じた。


 早めに予備校に行って勉強して油断しないようにしよう。




 予備校についてスマホを見ると、沙音華から連絡が。


『模試の結果どうだったー?』


『一応Aだった』


『おめでとー!』


 沙音華からそうかえってきて、その後に可愛いスタンプが連なる。


 ふっ。僕は沙音華から女子力高いスタンプの使い方を習ったからな。


 ちゃんと沙音華に対しても実践せねば。


 と、僕が沙音華に対して厳選したスタンプを送っていると、教室に榎咲が入ってきた。


 スタンプを送り終わった僕は榎咲に話しかけに行く。


 ……ってすげえな。僕が、自分の席から榎咲の席に行くまでの間にもう勉強道具広げてるよ榎咲。


「おはよう」


「おはよう。いよいよ秋になるな。めっちゃ勉強しなきゃな」


「おお」


 榎咲、どう考えても僕より成績いいはずなのに、マジで全く油断してない。


 見習いたい友達すぎる。


 油断しかけていた僕も、榎咲のおかげで、朝から勉強することができた。


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