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沙音華が帰って来た

「たいせ帰って来たよ!」


 夜。僕がマーク式の国語の演習をしていると、僕の部屋に沙音華が入って来た。


「あ、ごめんたいせ。時間計って演習中だったか」


「あ、いやあと三分くらいで終了時刻だから大丈夫」


「じゃあ三分待ってますねー」


 沙音華は僕の後ろで床に座ってくつろぎ始めたようだった。


 三分経った。


 僕は国語の演習をおしまいしにし、自己採点を始めながら沙音華に言った。


「おかえり沙音華。楽しかった?」


「たのしかった! 観光地ではなかったんだけどね場所は。だけど大学生らしい感じでバーベキューしたり……」


 あああああああああ。ここからの沙音華の思い出話は、羨ましすぎて脳内が認識を拒否したので読者の皆様に内容を伝えることはできません。


「……て感じだったんだ〜。はいたいせにお土産ー! 限定お菓子セット! じゃあいただきます」


「ここで開けて一緒に食べるのな」


「ご、ごめん。全部たいせに買ったんだよ。だからやっぱり私は食べないよ」


「いや、一緒に食べよう。沙音華が買って来てくれたお土産を、沙音華と食べるっていう時間が一番のお土産かな」


「ごめん。いいこと言ってそうだけど若干わかんない」


「国語ができなくて悪かったですねえ! 自己採点6割だったんだがキレそう」


「7割あるといいけどね」


「それはそうだよ。でもさ、だいたいこんな似たような選択肢ばっかりでどうやってそんな取れるのかなあ」


「私も国語は結局苦手なままだったからアドバイスできないごめんね。お菓子食べて元気だそ」


「わかった。そうしよう」


 僕は沙音華のいる低いテーブルの方に行った。


 国語に関しては、先生にでも相談しよう。


 今は沙音華との時間を久々に楽しむ時だ。


 まあ一年の浪人生活、切り替えを大事にしていかないと、いつまでも真面目に悩んでいたら逆にメンタル面で退化するかもしれないし。


 そんな風に思っていた僕に、沙音華が話しかけて来た。


「あー、私幼馴染だから顔見てわかっちゃったわ。たいせ、私がいなくてそこそこさみしかったんだね〜」


「え、なんだよ……」


「あー、可愛いたいせ!」


 沙音華が僕の隣まで高速の何かの虫のように移動してくっついてきて、僕のほっぺや頭を撫でたりしていじり始める。


 沙音華が言ってることは合ってるし、僕はおとなしくいじられることにした。



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