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お布団

「たいせ……」


「あ……しまった寝落ちか」


 確か三時間を少し経過したところで……寝ちゃったか。


 あれ、でここはなんで布団なんだっけ、まさか沙音華が引いてくれたのか、申し訳ない……いや違った!


 おいいいいい!

 

 沙音華と一緒の布団なんですけど。


「いや、ごめん」


 僕が布団から脱出しようとすると、沙音華が腕を掴んだ。


「このままで良くない?」


「いや狭いでしょ」


「何言ってんの、トイレに起きた時に見たらたいせ寝落ちしてたんだよ。それで、たいせを布団に誘導したらほとんど寝たまんまずりずり潜り込んで行ったけど」


「僕から潜り込んだのかよまじごめん」


「私は別にいいよ。だから逃げなくてもいいじゃん。幼馴染なんだから寝相が悪くてもお互い様ってことでね」


「……わかった。ありがと」


 僕は身体をまっすぐにして手をお腹の上に置いた。


 これでうんしょとか言って手を横に伸ばしたりすると、沙音華の変なところ触ったりしちゃうかもしれないからな……。


 沙音華は静かになった。もう寝てしまったようだ。疲れてるのに迷惑をかけて申し訳ない。


 僕は沙音華に触ってしまって起こしたりすることがないように、姿勢を維持したまま眠りについた。




 朝早く。


 僕は静かに布団から起き出して、鞄から小さなつつみをとりだして、沙音華の枕元に置いた。


 何かと言えば、この前予備校の帰りに買った沙音華へのプレゼントだ。


 中身は時計なんだけど、どういうのがいいのか分からなかったので、店員さんがオススメしてくれたのを買ったという単純思考。


 まあだけど沙音華への感謝の気持ちを込めて。


 直接渡すと絶対恥ずかしくなってしまうからこうして渡すしかない。


 しかし、まだ眠いな。僕ももう少し寝るか。


 で、これは別の布団を敷いた方がいいのかな。


 もう一回自分から沙音華の布団に潜り込んでいいのかな。


 でも、沙音華は逃げなくてもいいじゃんって言ってくれたし。


 よし、自分から沙音華の布団に入ってやる……!


 僕は静かに元自分がいた位置にこそこそ入った。


 すぐ隣に沙音華がいる。しかもこっち向きで寝てる……。


 まだうす暗いのに、ほっぺや小さな口元が近くに見えて、思わず身体が動いて布団の音をたててしまいそうだ。


 僕は沙音華の寝顔を少し眺めてしまってから、目をつぶった。

 


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