志望校別模試が終わった
そしてついに来たよ志望校別模試。
前も言ったとおり、これで結果を残して勉強もリフレッシュものりのりにしたい。
まあしかし結果が返って来るのは夏休みの後半。
それでも、細かい解答解説が書かれた冊子が配られるので、おおよそ自分の点数がわかってしまう。
つまり、この模試で夏休みのメンタルが決まる。
よし。
僕は最終知識チェックを終えて、筆記用具と時計を確実に鞄に入れ、予備校に向かった。
浪人生のコースに所属している人は、まとめて模試の申し込みが行われるので、いつも授業を受けている人たちと同じ部屋で模試を受ける。
「お、今日は頑張ろうな!」
席に座って、志望校と学部をマークするシートを記入していると、榎咲に声をかけられた。
「そうだな」
僕はマークシートをHBの鉛筆でぬりぬりしてから、振り返った。
さすが、自信に満ち溢れた風貌の榎咲……に見える。
「いやあ、志望校別模試、数学が本番よりむずいからなあ。メンタルやられないようにしないとな」
「それな。お互い気をつけような」
榎咲のいう通りだ。なぜか知らないが、本番より難しい問題を出すことがある。
それを引きずると、簡単な問題でミスったり、時間配分をやらかしたりする。
榎咲は自分の席の方へと行き、僕は黙々と英単語帳で苦手な単語をチェックした。
そして、それから試験監督の人が来て、少し経って試験開始。
まずは本番より難しい問題が出まくりの数学からだ。
よし。解ける問題から解いてっていこう。
僕はかなり落ち着いて頭を回転させて問題に向かうことができた。
そして模試が終わって家で。
「はい、では自己採点の結果をどーぞたいせ」
「記述の点数はぶれるだろうけど、数字と英語は6割くらい、理科は5割くらいかな」
「え? めっちゃいいじゃん!」
「まぐれか問題が簡単だった説がある……」
合っている問題に丸をつけた解答解説の冊子を僕はパラパラめくった。
確かに今回は結構良くできたかもしれない。だいたい5割がA判定ラインなので、よほど簡単な問題が出題されたとかではなければ、A判定だと思う。
「わーい! これで楽しく遊びも勉強もできるねたいせ」
「まあ、いい流れではあるな」
「でも油断したらだめだよ。油断しそうになったらいつでも抱きついて椅子から降りれなくさせてあげるから言ってね」
そう言いながら今日も嬉しそうに抱きついてくる沙音華。
僕はその沙音華にゆるく寄りかかりながら、模試の復習を始めた。




