イケメン芸能人(親友)の事務所でバイトする俺がファンからのバレンタインプレゼントの整理で大忙しで夜に帰宅中、美少女後輩に遭遇「先輩、チョコです」「あ、食品のプレゼントは受け付けてないよ」「違うしバカ」
高校二年生。俺はバイトを始めた。
俺は素晴らしいことにバイトの面接などをせずに採用された。
というのもコネ採用みたいな感じ。
俺は奇跡的に今話題のイケメン芸能人の玲斗の親友なのだ。
なので玲斗の所属する事務所のお手伝いをしてバイト代をもらっている。
そして今日のバイトはめちゃくちゃ大変だった。
今日は土曜日。俺の通う高校は土曜に授業はないので休みだ。
で、今日はバレンタインデー。漫画に描かれそうなレベルで山のように、玲斗のファンからバレンタインデープレゼントが届く。
もちろん、危ないものかもしれないから、バイトの俺がまずチェックする。
食べ物はダメと注意喚起している。
それでも送ってくる人はいるし、よくわからない謎の実とかを送ってくる人もいる。実家になってた何かのフルーツなのだろうか…。
とにかくそういう選別と整理が大変すぎてへとへとだ。
バレンタインデーの予定としてはかなり、充実していたのではないでしょうか!
バイト代はもらえるんだから、いい意味で真面目にそう思う。
夜、やっと仕事を終えたので帰ることにした。
夜道を歩き始めると、こっちに向かってくる人が。
「先輩こんばんは」
なんと、図書室で時々話すようになった数少ない知り合いの後輩だった。
「こんばんは」
「先輩…今日はバレンタインなのはもちろんわかってますよね?」
「うん」
「だから……先輩、チョコです」
「あ、うちの事務所、食品のプレゼントは受け付けてないよ」
「……違うし! バカ!」
「え、バカ?」
「めちゃくちゃバカですよ。あのね、先輩は芸能人じゃないんですから」
「え、え、あ、もしかして玲斗宛じゃなくて、俺宛なの?」
「そりゃそうですよ。玲斗さん宛なら郵送で届けますよ」
「そ、そうだよな。それがルールだったもんな」
「はい。先輩は残念ながらそんなに人気者じゃないので、ルールとかありませんよね?」
「ないな」
「実質アイドルだから恋愛しにくいとかもないですよね?」
「ないね」
「大いに都合がいいです。だってこうやって先輩にチョコを渡せます」
「結構でかいね。こう、パッケージが……」
「そうですよ。なんでかわかります?」
後輩は俺を見上げてそう言った。
雪も何にも積もってない、ただの平野の冬の夜だった。
俺は口を開いた。
☆ ◯ ☆
「ででん! この後にパパはなんと言ったでしょうか?」
妻が問題を出した。
「質問むず! あ、でも流石に空気読めないパパでも本命チョコだから? って言ったでしょ」
パパのことを舐めてる娘選手権県大会優勝候補かなと俺が思っている娘が頬杖をついてそう言った。
え、マジで将来ギャルとかになりそうな小学生なんすけど。
図書室で出会った夫婦の娘なのに。
「不正解! では、パパ正解をどうぞ」
「え、俺なんて言ったっけー」
「誤魔化しても無駄ね! ちなみに正解は、確かに食いしん坊視点で見たらこれくらいのサイズのチョコが普通か、と言いました」
「うわ。それはダメ」
「そうなの? でも今日買ってきてくれたチョコの箱もかなりでかいよ?」
「これは三人で食べるようなんだから当たり前。なんならもっと大きいのにしようと思ったけど、私がダイエットしなきゃだしね」
「あ、そう」
ちなみに高二のあの時の大きなチョコのパッケージは、開けたらチョコじゃないものが結構な割合を占めていた。手作りのマフラーだった。
ちなみに今も使っていて、それ巻いて会社に行っている。
なんと幸せなことでしょう。
そんな風に思いながら三人でチョコをつまんでテレビをつけたら、最近結婚した大人気俳優の玲斗がドラマに出ていた。
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