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薔薇と炎の物語  麗しの皇帝様、、私、訳あって男のフリしてますが可愛いリボンが大好きです。  作者: ねここ
第三章

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皆の成長


 演習場に行くとエリアスとカルロスが二人で戦っている最中だった。カルロスは物理攻撃と魔法を組み合わせながらエリアスに攻撃を仕掛け、エリアスは一本の剣でその攻撃を弾き返していた。


 「トゥルブレンシア」カルロスは乱気流を発生させエリアスに放った。エリアスは剣を大地に突き刺し「ジャーマ」と唱え巨大な炎を出し高熱を放ち気流を変えた。カルロスが放った乱気流は拡散されて消えた。「あー!!もう!!」カルロスは空を見上げ悔しがっている。「全然相手になっていない!!エリアス様、強すぎです」カルロスは怒りながら草原の中央から戻ってきた。「ん?クララ?」カルロスはセリオと一緒にいるクララを見て「お帰り!!」と言って抱きついて来た。「ただいま!カルロス!!」クララも笑顔でカルロスを抱きしめた。カルロスはクララから離れ、「クララ制服できたんだな!!良いじゃない」と先ほどの不貞腐れた表情が一変し輝く笑顔を浮かべ褒めてくれた。「うふふ、カルロスありがとう!」クララも笑顔で答えた。「あれ?グロリアとダフネは?」クララが聞くと「あっち」といってカルロスが先ほどまでいた草原を指差した。そこにはダフネと,グロリア、そしてエリアスが立っていた。「もしかしてニ対一?!」クララが驚いて聞くと「エリアス様相手に実戦の練習をさせてもらってる」カルロスは額の汗を拭いながら言った。クララは草原に立つエリアスをみつめた。


 エリアスは白いローブを羽織り両手にはグローブをつけ右手に剣を持っていた。その剣がどんな剣なのかわからない。長い髪が邪魔なのか後ろにかき揚げ片方を耳にかけてた。その姿を見つめクララは胸が締め付けられた。ときめきが止まらない。エリアスが神経を集中し対峙する二人を見つめるその姿は美しく威厳がありそんな凛々しいエリアスが見られる公爵家という立場に感謝を捧げていた。「クララ、見惚れているな」カルロスが揶揄うように言った。「カルロス、あの美しい姿を見て見惚れない人がいたら教えてほしいわ」クララは自分を揶揄うカルロスを睨みながら言った。「まあ確かに。男の俺でもドキッとする美しさがあるよな、、」カルロスも認めた。「うん、本当に、、」クララも改めて同意した。セリオは二人の会話を聞きながら仲の良い二人に優しく微笑んだ。この四人はお互いを尊重して大切にしている。信頼があればどんな試練も乗り越えられる。


 実戦がはじまった。グロリアが「ブルーマ」と唱えると突如霧が現れ何も見えなくなった。魔法を重ねるようにダフネが「アビモス」と唱え地鳴りと共に大地に底なしの穴が開いた。周りを飲み込み範囲が広くなって行く。視界が悪く何も見えない上に大穴が迫ってくる。エリアスが立っていたところも崩れはじめた。「ベンタロン」エリアスが魔法が唱えた。強風が吹き荒れあっという間に霧が晴れ大きな穴から沢山の植物が生え一気に成長し穴が塞がれた。魔法を無効にされたグロリアが「イヌンダシオン」と唱えると洪水が起き穴に生えた大きな木が流されそうになった瞬間「トルネド」とエリアスが唱えると洪水は上空に巻き上げられた。間髪入れずダフネが「クラテル」と唱えると火山が現れ周りを溶かし始めた時エリアスは「イスベル」と唱え火山を氷山に変えた。「あーーもーーー、何やっても跳ね返されるわ!!」グロリアが頭を抱え根を上げた。「私も降参」ダフネも両手を上げ言った。「グロリア、ダフネ強くなったよ」エリアスは微笑みを浮かべ二人の頭をポンポンと撫でた。そしてクララを見てニッコリと微笑み歩いて来た。クララは久しぶりに間近で見るエリアスに緊張している。心臓の音が大きくなり頭の中が真っ白になりそう。だけど気をしっかりもたなきゃ!昨日のお礼を言って、この剣を差し上げる。クララはボーッとする頭の中で自分のすべき行動を予習していた。

 ダフネとグロリアはクララに気がつくと走ってクララに抱きついた「クララ!!おかえり!!」「ただいま!ダフネ,グロリア」クララも二人を抱きとめながら言った。「クララ、おかえり」エリアスもクララに声をかけてきた、グロリアとダフネはクララから離れ小声で「頑張れ」と言って去って行った。クララはエリアスの方を向き姿勢を正した。「エリアス様ありがとうございます。昨夜はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」クララは頭を下げ謝った。「突然クララが倒れたから、、心配した。元気そうで良かった。」エリアスはクララを見つめ微笑んだ。クララはエリアスの優しい笑顔と深く美しい紺色の瞳をみて心の底から幸せを感じた。目の前に好きな人がいて、その瞳に映して頂けるだけでこんなに幸せなんだ、、、。「エリアス様に、、沢山お話ししたい事があって、あ、お忙しいエリアス様の大切なお時間を下さいと言う事ではありません、、」クララはこんな事を言うつもりではなかったのにエリアスを前にし先程練習した会話を忘れてしまった。「あ、えっと、なんだっけ、、さっき練習したのに、、。」クララは恥ずかしくなり「すみません」と言って後ろを向き思い出しまたエリアスを見た。エリアスは優しい瞳のままクララを見ていた。クララもエリアスを見つめ黙ってしまった。「クララ、ゆっくり話そう。私たちには時間があるのだから。」エリアスは言った。クララはその言葉を聞き、二年の眠りから覚めた時エリアスがそう言ってくれた事を思い出した。「エリアス様、私、、」クララはエリアスにミスティルテインを両手で差し出した。

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