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薔薇と炎の物語  麗しの皇帝様、、私、訳あって男のフリしてますが可愛いリボンが大好きです。  作者: ねここ
第三章

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聖剣


 翌朝にクララは目を覚ました。ゆっくりと体を起こしていると「クララ様おはようございます。お疲れ様でしたね」カルメラが明るい笑顔を浮かべ優しく声をかけてきた。クララは寝起きで乱れた髪を撫で付けながらカルメラに聞いた「カルメラおはよう。私、どうやってここまで帰ってきたんだろう?」カルメラは起きたばかりのクララにホットミルクを渡し乱れたブランケットをなおしながら言った。「エリアス様が疲れ果てて眠っているクララ様を抱きかかえベットまで運んでくださいました。あ、剣はベットの横に立てかけてあります」昨夜神殿で倒れかけたクララを支えてくれたエリアスを思い出した。エリアス様にまた会えた喜びと、倒れた私をここまで運んで下さった事への申し訳なさで複雑な心境になった。「ありがとうカルメラ。入浴をした後セリオ様に会いに行きます」クララはベットから降りバスルームに移動した。バスタブには薔薇が浮かべてありその色は白だった。エリアス様のお色、、。クララは薔薇の花びらを一枚手に取り、大好きですと呟いた。昨日エリアス様が神殿にいた。私が戻ることがわかってまってて下さったのかしら。まさか、ね。エリアス様は偶然いたのよ。早くあの聖剣をエリアス様にお渡しして謝らなきゃ。イフリートがいない戦いをずっとさせてしまって。リアナ様の時本当は大変だったでしょうになにも言わず私の魔法をサポートして下さって申し訳なさすぎて。本当にどう言えばいいのかしら?それもセリオ様にご相談したいわ。


 入浴を済まし、ようやく出来上がった女性用の制服に着替えた。制服がない数ヶ月はドレスだったのでほとんど実践はなく机の上の勉強がメインだった。地下に行く時も動きやすい丈の短いワンピースで行った。だけど制服はやっぱり良い。真紅のリボンを結ぶと気が引き締まる。

カルメラに髪を結んでもらいそこにエリアスがくれたリボンを結んだ。朝食はスープだけにし、早々に部屋を出た。手には聖剣ミスティルテインを持ちセリオの執務室に向かった。


「おはようございます。クララでございます。」クララはセリオの執務室のドアをノックし声をかけた。「クララおはよう。疲れはないのか?」セリオがドアを開けクララに声をかけた。「はい、セリオ様、昨夜は気を失ってしまい申し訳ございませんでした。エリアス様にもご迷惑をおかけしてしまって。」クララはセリオに頭を下げソファーを勧められた。クララは一礼し三人掛けのソファーの右側に腰をかけた。そして横に聖剣ミスティルテインを置いた。セリオは聖剣を見つめ言った。「さてクララ、話しておくれ。地下で何をしていたんだ?」セリオは使用人にお茶を持ってくるように告げ、クララが口を開くのを待った。「はい、セリオ様。地下の空間で出会った敵はサラマンダーでした。」クララが言うとセリオは「まさか!!」と言って黙ってしまった。「、、同じ属性の戦いは圧倒的に私にとって不利でした。」クララはその後ロサブランカを召喚し水竜との戦いの話をした。「ミスティルテインを手にし、炎の魔法と組み合わせ水竜を倒しそのまますぐにサラマンダーと戦いました。」セリオはミスティルテインを見つめ言った。「ミラネス王家の魔力ならまだしもクララにはミスティルテインは扱えない。精神力と魔力の問題がある」クララは頷き言った「はい、私には時間がありませんでした。躊躇する時間もなく全力でサラマンダーを倒し、ミスティルテインで首を切りこの魔法石を持って帰りました」クララはポケットから赤い魔法石を出しセリオに渡した。「クララ、、なぜこんな無茶をしたのだ?水竜に戦いを挑まなくてもクララならきっとサラマンダーを倒せたはずだ。」セリオはクララを見つめ言った。「、、、、。私はあの孤独な世界にいた時、寂しくて気がおかしくなりそうで、、。もう二度とここには来たくないと思いました。でも、、エリアス様が、、、。」クララは目頭が熱くなり泣きそうになったがぐっと堪え言った。「エリアス様がリアナ様の頃から月に一度ここに来て私たちの為に、、。魔力を渡す為に戦っていると知り、私がエリアス様からイフリートを奪ったから、イフリートがいない状態で、、戦っていると知り、、」クララは両手を握りしめ涙を堪えるために一度天井を仰ぎ、静かに息を吐いて言った「私が出来ること、あの世界にあるこのミスティルテインがエリアス様をお助けできる剣だと知り、どうしてもどうしても持って帰りたかったのです。だから水竜の所に行きました。」セリオは言葉を無くした。万が一があればクララは死ぬ。「クララ、お前が怪我をしたらエリアス様は悲しむ。エリアス様はそんなことを望んでいない」セリオはエリアスの気持ちを代弁し言った。「セリオ様、私はその剣がエリアス様をお助けする剣だと知って、でも死にたくないからと言ってそれを見なかったふりは出来ません。なんとしても手に入れようと思います。けれどもし私が死んでしまったら皆悲しむだろうから、死ぬわけにもいかないのです。だから、、戦ったのです。」クララは滅茶苦茶な言い訳を言ったがその顔は笑っていた。「クララ、お前は本当に。本当に手のかかる生徒だ!気持ちはわかった。この聖剣はクララがエリアス様に直接渡しなさい。エリアス様は今日カルロス達の魔法実習に付き合っている。行くか?」セリオは言った。「はい!行きます。」クララはセリオと共に城の裏手にあるいつもの実習場に行った。

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