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薔薇と炎の物語  麗しの皇帝様、、私、訳あって男のフリしてますが可愛いリボンが大好きです。  作者: ねここ
第三章

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運命の人


 クララ達から少し離れた席ではエリアスとアリーナ姫が食事をとっていた。エリアスはクララ達がいる事にまだ気がついていない。


 クララ達が楽しく食事をとっていると突然一人の青年が声をかけてきた。「カルロス様、グロリア様,ダフネ様、先日は城のパーティでお目にかかりましたシャキヤ王国のエタン・ユメルでございます。」その男性はライトベージュの髪にグリーンの瞳のどこかあどけなさが残っている可愛らしい顔をした青年で帝国の友好国シャキア王国の王子だった。「おお、エタン様、こちらにいらしていたんですね?」カルロスが立ち上がり笑顔で握手しながら言った。「ええ、帝国に我が国の特使として昨日参りまして、、、」そう言いながらクララを見つめている。クララもその視線に気がつき立ち上がりエタン王子に微笑み会釈をした。「あの、こちらのご令嬢は?先日のパーティでお見かけしませんでしたが」エタン王子はクララを見つめ言った。「ああ、クララは、」カルロスが話し出した時エタンは言った。「クララ様、カルロス様の?」エタン王子はカルロスを見た。「あ、いえ、クララは友達で同じ公爵家の仲間です」カルロスがそう言うと突然エタンはクララの手を握り「一目惚れしました!是非私の妻になってください!」といきなりプロポーズをした。クララはあまりの展開に驚き言葉が出てこない。グロリアもダフネも驚きナイフとフォークを落とした。周りにいた貴族達も突然のプロポーズに注目した。クララはこの状況を理解するまで時間がかかった。


 エリアスは食事をしていると周りがざわつき「カルロス様のご友人にエタン王子がプロポーズしているぞ!」と言う声が聞こえすぐに声の方を見た。そこにいたのはクララだった。なぜクララがここに?エリアスは驚いたが、クララを見ると驚きのあまり硬直している。一方でエタンはクララの手を握りその手にキスをしていた。エリアスはアリーナに「少し失礼します」と言い席を立ちクララ達の方に歩いて行った。


 クララはエタンに手を握られどうして良いのか分からずカルロスを見てグロリアを見てダフネを見てエタンを見た。エタンはクララと目が合い目を細め徐にその手を持ち上げキスをした。クララはその瞬間「嫌」と思った。その手はエリアスがキスをしてくれた手だったからだ。「あの、おやめ下さい。手を離して、、」クララはエタンの突拍子のない行動に戸惑いながら言った。「エタン様、クララが戸惑っているので冗談はこの辺で、」カルロスが穏やかな口調で言った。「冗談ではありません、私はクララ様を見た瞬間運命を感じました」エタン王子はカルロスにいった。「エタン様、クララが驚いておりますので手をお離しになってくださいませ」グロリアがたしなめるように言った。「グロリア様、私は運命の人に会ったのです。離したくありません」エタン王子が言った。公爵家は王家には敵わない。失礼のないようにどう言えば良いの三人は苦慮している。当のクララは自分の手を引っ込めようとした。しかしエタンはクララの手を強く握り離さない。

 「運命とは片方だけでは運命と言わない。ご存知ですか?」エリアスが現れ掴まれているクララの手を掴み自分の方に引き寄せエタン王子を見た。「エリアス様!」クララはエリアスを見てホッとした。エリアスはクララが少し震えていることがわかりエタン王子を威圧するような眼差しを向けた。「エリアス皇子、私はクララ様を見た瞬間運命を感じました。強引だったことはお詫びします。だけど、」エタン王子が話を続けようとした時、エリアスは言った。「クララはタピア公爵家次期当主、王家の私と深く関わりのある人間。そんなクララが私を差し置きエタン王子と運命を感じると思いますか?」エリアスはクララを自分の背後に引っ張りエタン王子の前に立った。エタン王子はエリアスの迫力にのまれた。「今日は諦めます。けれどクララ様を諦めることはできそうにありません、エリアス様失礼します」そう言ってエタン王子は去って行った。

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