表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薔薇と炎の物語  麗しの皇帝様、、私、訳あって男のフリしてますが可愛いリボンが大好きです。  作者: ねここ
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/127

お出かけ


 その日クララは薄いレモン色のチュールドレスを着て、髪は結い上げパールのイヤリングにネックレスをし出かけた。グロリアはミントグリーンのレースのドレスにエメラルドのイヤリングとネックレス、髪は綺麗にカールしている。ダフネはオフホワイトのシルクのドレスにダイヤのイヤリングとネックレスをつけ髪は下ろしていた。皆とても華やかで三人は街に出ても注目を浴びていた。その上騎士も一緒だ。令嬢たちは騎士に守られながら歩く事に憧れている。これは一種のステータスだ。グロリアとダフネは先日社交界にデビューしたこともあり声をかけてくる令嬢も多かったが皆クララの存在は知らない。あの令嬢は誰だと噂されていた。そんな事はお構いなしに三人はクララをいろいろな場所に案内をしていた。洋服をみたり、アクセサリーを見たり、市場にも行き庶民の生活も垣間見たり、それから公園に行き散歩をしたり。「そろそろお腹空いたわよね、今から行くお店は今予約が取れないって有名なお店でね、行きましょう」グロリアは公園の近くにあるオープンテラスのレストランに入った。もう既に長蛇の列だったがグロリアが到着するとすぐにギャルソンが案内をしてくれた。その席は大きな木の木陰のなる場所で、目の前には湖がありその向こうには美しい公園の木々が見える開放感あふれる素敵な席だった。クララ達はそこでリラックスしながら景色を眺めていると突然店内がざわつき始めた。四人は何事かと見るとエリアスが女性をエスコートして入ってきた。


 「うわ、エリアス様だわ、、」グロリアが驚き言った。「本当、皆さんがざわつく訳ね」クララも言った。「ところであの女だれ?」ダフネが言った。「グロリア知ってる?」ダフネがグロリアに聞くが「わかんない」とグロリアは答えた。「私もわかんない」クララも言った。「プッ、誰もクララに期待していないわ」ダフネが爆笑した。「まあ、ダフネひどい」クララはそう言いながら世間に疎いこともあり否定はできなかった。「あの人はストラーニ王国のアリーナ・シヴォリ姫だ」カルロスが言った。「まさかカルロスが知っているとは?!」グロリアは驚きながら言った。「知らない男いないんじゃ無いか?あの姫ストラーニの至宝と言われる麗しい姫で求婚する男が絶えないって有名だぜ?俺は興味ないけどな」カルロスは横目でエリアス達を見ながら言った。「クララ!負けるな!」ダフネがクララの肩を揺らしながら言った。「ダフネ、、流石に私だって自分の立場心得ているわ。それに、私今それどころじゃないの。来週からセリオ様が試験をするって仰って、それでストレス溜まって今日ここに来たのよ。」クララはため息を吐きながら言った。「何の試験?」グロリアは落ち込むクララに聞いた。「グロリア聞いてくれる?帝国の古代史、古代魔法、精霊と魔法に関する理論に帝国の経済と文明における公爵家の役割、王家の歴史と魔法文化の歩み、まだあるわよ?」クララはグロリアに言った。「クララお前、こんな所で油売ってて良いのか?」カルロスが言った。「カルロス、良いわけないじゃない。だけどね、もうストレスで死にそうだったの。」クララは諦めたように言った。「おい、クララ俺が悪かった。お前楽しんでくれよ。ここは俺が奢る」カルロスは落ち込むクララに言った。「ありがとうカルロス」「じゃ、食べよ!!」ダフネは運ばれた料理を見て笑顔で言った。「美味しそうだね!」クララも言った。「クララ沢山食べて勉強頑張って!」グロリアが言った。「ありがとうみんな」クララは本当に良い仲間がいて幸せだった。


 アリーナ・シヴォリ様か。エリアス様がエスコートしているということはデートをしていると言うこと。気にしないなんて嘘だ。本当はとても気になる。でも、自分の立場は痛いほどわかっている。王家の信頼を損ね潰れそうな公爵家の私は魔法が使えなかったらここには居られなかった。今は温情でいさせてもらっている。だけど、本当はわかっている。あのフランシスカ・タピアでさえ逃れられなかった一蓮托生という言葉の重さ。私はちゃんとわかっている。タピアの罪はタピア一族全員の罪なんだと。セリオ様はゆっくり考えると良いと仰って下さったけど、答えは初めから出ている。タピア公爵家は無くなるかもしれない。だから今学んでいることが無駄になるとどこかで思っているからストレスが溜まってしまう。これも自分勝手な気持ちなんだと思うと益々落ち込む。


 みんなごめんね。


 クララはスープを一口飲んだ「美味しい!!」グロリア,ダフネ、カルロスは急に黙りこんだクララを心配していたがその言葉を聞いて安心すると同時に腹が立った。「お前!もう本当、これ以上心配させんな!」カルロスはクララの頬を指で押しながら笑った。「本当、クララ二つ歳上に見えない、サバ読んでない?」グロリアもクララの頬を優しくつねった「なに?!」クララは訳がわからないが心配してくれていると感じた「クララ!あなた心配させる天才だわ!目が離せない!」ダフネもクララの頬をやさしくつねってキスをした。

「なんだかわからないけどありがとう。幸せです」クララは三人に微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ