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薔薇と炎の物語  麗しの皇帝様、、私、訳あって男のフリしてますが可愛いリボンが大好きです。  作者: ねここ
第三章

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セリオとの再会


 クララは部屋の入り口に向かい、ドアの外にいるセリオにドレスを持ち上げ挨拶をした。「セリオ様、わざわざお訪ねくださりありがとうございます。」クララはセリオの顔をみつめ涙が溢れ出た。「クララ、お帰り」セリオは涙を流すクララを抱きしめた。「おっと、エリアス様に見られたら面倒だから」セリオは慌ててクララから離れクララのあたまをクシャクシャっと撫で笑った。そんな何気ないセリオの優しさが心に届く。クララは涙を拭い笑顔でセリオをソファーに案内した。


「セリオ様、ご迷惑をおかけ致しました、、それに、、、レオンだと嘘を、、」クララはまた涙が溢れた。その涙をハンカチで涙を拭いセリオに言った。「クララ、それはお前の意思に反してウーゴがお前に強要させた事だ、何よりお前は命をかけて忠誠心を示したじゃないか、私はクララがそこまで追い詰められていた事に気がつけなかった自分を責めたよ、、」セリオは静かに語った。「いいえ,セリオ様、セリオ様はいつも私の力になって下さいました,。本当にありがたくて、、こんな事に巻き込んでしまい申し訳なく思っています。」クララはハンカチで涙を拭いながらため息を吐いた。「クララ、気にするな、これはもう王家と公爵家の問題だから」セリオは言った。クララは聞きたいことがあった。「,,セリオ様、、タピア家は、、まだ、、精霊石はまだタピア家にあるのでしょうか?」クララはあの時イフリートの炎の剣で一瞬死んだ。もし精霊石がクララを主人としていたならば精霊石は自らの意志で新しい主人を選ぶ、タピア家に精霊石がなくなれば、タピアは公爵家ではなくなり、精霊石が選んだ人が新たな公爵家に変わる。だから精霊石が消えたなら、クララもここにはいられない。


「クララ、精霊石はタピアにある。あの精霊石はクララを選んだ。いや、元々クララを選んでいて、もう一度選んだのだ。」セリオは笑顔を浮かべクララに言った。その言葉を聞いてクララは正直にホッとした。ここにいる理由が出来た。精霊石が私を選んでくれた。だからこそウーゴとレオン、マカレナと決着をつけなければ。セリオは険しい表情をしているクララに言った。「クララ、焦ることはない、今お前は目覚めたばかり、急いては事を仕損じる。だ。」セリオはクララにゆっくり考えろと言ってくれたのだ。「セリオ様、ありがとうございます」クララはセリオの気持ちに感謝した。いつもセリオ様は私を心配し助けてくださる。感謝しています。セリオはソファーから立ち上がりクララに「笑顔が見れて嬉しいよ,今はゆっくりする時だから、焦るんじゃないぞ」と言い部屋を出て行った。クララは感謝の気持ちをもってセリオを見送った。


 クララはセリオが去ったあとボーッと廊下を見つめながら先程グロリアが言ったこと思い出していた。エリアス様に沢山の招待状や、、肖像画が届いている。ちょっと、、ちょっとだけ見に行きたい。どれくらい届いているのか。クララは徐に廊下を歩き出した。カルメラはお昼の用意で出て行っているからその隙に、ちょっとだけ見て帰ろう。

 長い廊下を歩き、2階のエントランスに着いた。そのまま階段を降りれば城の入り口のエントランスに出る。クララは階段を一歩一歩降り始めた。もうすぐ一階のエントランスが見える!クララは階段を降りエントランスを見て呆然とした。想像以上の肖像画の山ができていた。大きいものは縦百八十、横百十センチくらいある。小さいものはあまり無い。いかに目立つかが勝負なんだと思ったが、流石にこの量は置き場にも困りそう。クララはその迫力に圧倒され部屋に戻った。熾烈な戦い。選んでもらえるとは思っていないけど、ちょっとだけ嫉妬している。こんなに近くにいて、今日は抱きしめてもらえたのに、それに満足せずに私だけのエリアス様でいて欲しいと思う私は贅沢ね。

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