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薔薇と炎の物語  麗しの皇帝様、、私、訳あって男のフリしてますが可愛いリボンが大好きです。  作者: ねここ
第二章

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時はすぎ、、


 時はすぎリアナ達は十八歳、成人になった。城では盛大なパーティが行われ、カルロス、グロリア、ダフネは正当な公爵家後継者として紹介され、リアナは王家の後継者として賓客に挨拶をする。


 その朝リアナは自らの準備に追われていたが時間を作りクララに美しいドレスと装飾品一式を持ってきた。目覚めぬクララはパーティに出られないがせめて美しく着飾って欲しいとプレゼントしたのだ。カルメラはリアナから受け取ったドレスを早速クララに着せた。総レースのそのドレスは薄いピンク色でクララの柔らかい雰囲気にピッタリと合っている。デコルテの出るドレスだが美しくきめの細かい肌にレースが映えクララの金色の髪をさらに美しく見せる。それに肌うつりも良く本当に眠り姫のようでカルメラもクララのその美しさにため息が出た。「クララ様、とても綺麗です。今日は皆さんデビューの日です。本当ならクララ様も一緒だったのに、、、」カルメラは涙を拭い、「薔薇を摘んでまいります」と言って部屋を出て行った。カルメラと入れ違いに人が入ってきた。


 その人物は眠るクララの手を取りその手にキスをし言った。「クララ、私はこのナバス帝国の皇子エリアス・ミラネスです。クララ、リアナは、男だったんだ。」エリアスはそう言ってクララを見つめその唇に優しくキスをした。「クララ、とても綺麗だよ。」エリアスはそう言ってもう一度クララにキスをした。そして「また夜に来る」そう言い残しエリアスは部屋を出て行った。


 城のパーティに集まった令息達は今日こそリアナに求婚が出来ると皆気合が入っていた。ところがリアナは男だったと、エリアス皇子だったと発表され大混乱となった。しかし項垂れる令息を他所に,令嬢達は突如元気になり、美しい皇子に夢中になった。


 カルロス、グロリア、ダフネも言葉が出なかった。でも一番に考えたことはクララのことだった。「クララの恋、応援出来そうじゃない?」ダフネが言った。今日のダフネはアイボリーの細身のドレスを纏い髪をアップにまとめており大人っぽい雰囲気が男性に受けていた。「まさかリアナ様まで、、驚きを通り越して求婚したいわね」グロリアが言った。今日のグロリアは水色のチュールタイプの可愛らしいドレスで、髪はハーフアップにされ新しい恋人にエスコートされていた。「お前彼氏いるのにひどい女だな」カルロスは笑っていた。「俺,リアナ様が男だと本能が言っていたんだよな。クララには色気感じたけどリアナ様には感じなかったんだ」カルロスは今日許嫁と一緒に参加している。そう言いながらとても幸せそうな顔をしている。三人はエリアス皇子を見て、クララのことを思っていた。クララがここにいたらエリアス皇子のかっこよさに見惚れそうだと。


 パーティが終わりエリアスはその足でまたクララに会いに行った。クララは暖かいランプの光の中で眠っている。エリアスはベットの端に腰をかけクララを見つめた。その瞳はリアナだった頃と何ら変わらぬ愛のある瞳だ。




 エリアスは誰かが自分の髪に優しく触れているのを感じた。その優しい手に気持ちが癒されてゆくのを感じている。、、、夢,,今日は朝から忙しく眠ってしまったんだな、、エリアスはゆっくりと瞳を開け目の前で眠っているクララを見つめた。クララはエリアスを見つめている。


 驚いたエリアスは起き上がり自分の髪に触れるクララの手を握った。クララは急に起き上がったエリアスを見て驚き動きを止めた。


「クララ!!、、目覚めたのか、、?」エリアスはクララの手を強く握った。「リアナ、、様?ですか?」クララは目の前にいる美しい青年に話しかけた。見た目はリアナだが洋服が違う。それに、、大人っぽい。男性にも見える。「フフフ」大きな瞳で首を傾げながら見つめるクララにエリアスは微笑みながら言った。「クララ、私はミラネス王家の皇子エリアス三世、成人前まではリアナと呼ばれ、女性のふりをしていた男だよ。クララとは逆だな」クララの目の前にいる人が成人したリアナ様で、リアナ様は男性でエリアス様と言う名前だった?混乱しつつも自分が好きな人が男性だったことが衝撃で言葉が出なかった。エリアスはクララの手を握りその手にキスをして言った。「二年眠っていたクララには衝撃的だったかな?」クララはエリアスを見つめ、急に意識してしまい体温が上がるのを感じた。どうしよう、、見つめられると、はずかしい、、。真っ赤になるクララを見つめエリアスは言った。「クララ、起きたばかりで混乱するだろ?考えなくて良い、私たちには時間がある、また明日会いに来る。」エリアスはクララの手を握ったまま抱き寄せクララの額にキスをし、「また明日、、」そう言い残し部屋から出て行った。エリアスと入れ替わってカルメラが部屋に入り、クララを見て泣き出した。クララはカルメラに言った。「カルメラ、、、ただいま」

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