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薔薇と炎の物語  麗しの皇帝様、、私、訳あって男のフリしてますが可愛いリボンが大好きです。  作者: ねここ
第一章

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病み上がり


 クララは丸二日間動けなかった。三日目,ようやく体調が回復し研修に参加するため入浴を済ませ制服に着替えた。真紅のリボンを綺麗に結ぶとまた昔のことを思い出した。

 リボン、、大好きだった。鏡に自分の姿を写すと光に透過した髪の色がマリーゴールドのようなオレンジ色に近い黄色色に見える。短かった髪も肩につき毛先がはねている。それを指先でなおした。その後軽く朝食をとりカルメラに連れられ一階にある会議室のような場所に入った。


「レオン!」グロリアがクララを見て駆け寄ってきた。「グロリア、お見舞いありがとうスープ美味しかったよ。」クララは笑顔でグロリアに言った。「レオンもう大丈夫なの?」ダフネもクララのところに来て徐におでこに手を当てて「熱は下がったのね!」と言ってその手で頭をくしゃくしゃと撫でた。「ダフネもありがとう。あのキャンディーは美味しくてクセになるね!」クララはダフネにも微笑んだ。「おい!レオン俺も心配していたんだぞ!」カルロスは今この場所にきたばかりでクララの後ろに立って声をかけてきた。クララは振り返りカルロスに言った。「カルロス、ありがとう、カルロスの襟巻き今もつけているよ」クララはそう言って首元の毛皮の襟巻きを見せた。「この襟巻きはジャルジャンの襟巻きで希少なんだ、まあ俺はたくさん持ってるけど」カルロスはニヤリと笑いながら言った。「ジャルジャンといえばビーバーに似た希少動物で滅多に姿を表さないと聞いたことがある、そんな高価なものを、、ありがとう」クララはカルロスにお礼を言った。「俺たちさ、仲間で、、家族だろ?」グロリアも「そうそう仲間で家族」ダフネも頷いた。「うれしいよ、、本当に家族以上の家族、、」クララは半泣きになった。「本当レオンって涙もろいんだから!」ダフネそう言ってクララの手にキャンディーを握らせ「ほら,泣かない!」と言って笑った。


「レオン、もう大丈夫ですか?」気がつくとリアナもいた。四人は慌てて整列をし一礼をした。「はい,リアナ様、、、」クララは徐にあの夢を思い出し顔が赤くなった。「レオン、顔が赤いけど、、」リアナはクララに近づき額に手を当てた。クララは突然リアナに触れられて緊張で身体が硬直し、さらに顔が赤くなった。「顔が赤いけてど熱は,,無いみたい、、」リアナはクララを覗き込みいった。「リアナ様、レオンは緊張して顔が赤くなっただけです!」カルロスがニヤニヤと笑いながら言った。クララは揶揄うように言うカルロスを睨んだ。カルロスはそんなクララを見てさらに笑っている。カルロスったら揶揄って!もう無視しておこう。クララはもう一度カルロスを睨みつけリアナに向かって笑顔をつくり言った。「リアナ様、ご心配をおかけしました。もう元気です。ありがとうございました。」クララは深く頭を下げた。


「リアナ様、そろそろよろしいでしょうか?」セリオが声をかけてきた。リアナは頷きセリオの隣に腰をかけた。「レオン、もういいみたいだな」セリオが微笑みながらクララに言った。「ありがとうございます。セリオ様、ご迷惑をお掛けしました」クララは一礼し、椅子に腰をかけた。


「早速今日も雪山で実践形式で魔法を使う。レオンは今日初めてだから説明しよう。ここの裏手には広大な草原があり今は雪で覆われている。そこから目の前の雪山の斜面に向かって魔法を放つ、この雪山は温度が低く雪崩は起きない,起きても広大な平野があり心配もない、思う存分魔法を使い自分の限界を知るんだ。」「あ、それぞれの魔法の特性上、決まった場所がある、レオンには現地で教える」セリオはクララを見て言った。「はい、よろしくお願いいたします。」こうしてクララ達は移動を始めた。


 その頃ウーゴとレオンは雪の中、身を潜めクララが現れるのを待っていた。何かあったのかクララは実践練習に二日間現れなかったが、その間それぞれの公爵家次期当主達を見て、それぞれのポジションを把握できた。クララは一番端で実践練習をすることがわかり事前に身を潜める場所を確保することができた。雪崩をおこしすくする為に雪山に積もった雪の、地面に近い部分を予め溶かし一気に滑り落ちるよう細工もした。魔法の的になる場所も少し手前に下げ地盤が緩い箇所を何箇所か作り大量の雪崩が一瞬でクララを飲み込むよう雪の降り頻る夜中に準備した。足跡は雪が消してくれた。完璧だ。あとはクララがここで魔法を使うだけでよい。二人は息を殺しクララを待った。

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