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薔薇と炎の物語  麗しの皇帝様、、私、訳あって男のフリしてますが可愛いリボンが大好きです。  作者: ねここ
第一章

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恋の話


 城に来て三週間、少しずつ皆と仲良くなり始めている。最初の数日はセリオがそれぞれの能力を測るような日々が続いたが、それ以降は学問に、礼儀作法、運動などアカデミーのような生活だ。仲良くなると恋の話などが出るようになった。


 授業が終わり談話室で話をしていた。リアナは今日公務があり欠席している。

 年頃の四人は早速、それぞれの恋の話を始めた。その中で話題独占したのはカルロスだった。驚くべきことにカルロスは許嫁がいた。「カルロスの許嫁ってどんな子?」グロリアは紅茶に砂糖を入れながらカルロスに聞いた。「イザベルは俺と同い年で、彼女は男爵令嬢なんだ。姉の友人が遊びに来た時に出会って、その瞬間恋に落ちた。」カルロスは嬉しそうにグロリアに言った。「え?カルロス、その時何歳?」ダフネは一口飲んだ紅茶を手に持ったままカルロスに聞いた。「九歳」カルロスは言った。「えー!!カルロスはませているのね!九歳で運命に相手に出会うって、、損してない?」グロリアは言った。「なんだよそれ?」カルロスは心外なことをいわれ口を尖らせ言った。「だってまだ人生始まったばかりで一人に絞るって、もっといい人いるかもよ?」ダフネがグロリアの言いたい事を横取りして言った。「うわぁ、女って怖いな、そう考えるんだ?!」カルロスがクララの方を向いて言った。クララは「ふふふ」と笑った。私はまだ恋をしたことがない。そう思った瞬間にリアナ様の顔が浮かんだ。なぜリアナ様の顔が浮かぶの?!クララは頭を左右に振った。その様子をみたカルロスはニヤリと笑って言った。


 「ところで、レオンはまだ恋をしたことがなさそうだから聞かないが、お前らはどうなんだ?」カルロスがグロリアとダフネを見た。クララは図星だった為反論しようがない代わりにカルロスを睨みつけた。その様子をみた三人は暗黙の了解と言わんばかりにカルロスの言葉に頷き、早速グロリアが返事をした。「あ?聞いちゃう?」グロリアが待ってましたと言わんばかりに話し始めた。


「私、今付き合ってる男性がいるのよ、その人は詩人で国中を旅しているの。」グロリアが言うとダフネがすかさず「もしかしてアルバ・リオス?!」ダフネが前のめりで言った。「そうよ。」グロリアが言った。「グロリア、悪い事は言わない、あの男はダメよ、やめなさい」ダフネはグロリアの顔を見つめ言った。「ダフネ、嫉妬しているの?!」グロリアはダフネに反対され気に入らない。ダフネだけじゃない。他の友人もみんな反対する。「ハァ、グロリア,嫉妬するわけないじゃない、あんな女ったらし。最低な男よ」ダフネが言った。「ちょっとダフネ、人の彼に向かって何よ?!」グロリアは怒り出した。「グロリア,悪いこと言わない、別れなさい。傷つくのはあなたよ?」ダフネが言った。「もう!!私の自由だからいいじゃない?!!何も言わないで!」グロリアは手に持っていた紅茶を乱暴にテーブルに置き部屋を出て行った。ダフネもすぐにグロリアを追いかけ出て行ってしまった。


「おい、レオン、女って怖いな」カルロスはその様子を見ながらニヤニヤ笑いクララを肘で突っつき言った。「カルロス、女じゃなくて、人間が怖いんだよ?」クララは性別なんて関係ない、人が何より怖いのだと思った。「レオンって時々哲学的だよなぁ」カルロスはクララを見て言った。「それより明日から実戦があるから私はお先に失礼するね」クララは立ち上がりその足で図書室に行った。


 図書室に入りクララはいつもに場所に腰をかけ、名も無き本を開いた。そこには新しい文字が書かれている。「邪悪な者来る。己を信じその身を捧げよ。」、、、どう言う意味なんだろう。クララは本を閉じ図書室の窓から見える木々を見つめていた。


「何を見ているのですか?」突然声をかけられクララは体がビクッと硬直するほど驚いた。リアナが目の前にいた。「リアナ様!」クララは立ち上がり頭を下げた。リアナはそんなクララを見て言った。「そろそろ慣れてくれると嬉しいけれど、、」リアナはクララの目の前の席に腰をかけてクララを見つめている。クララはリアナを見て一気に体温が上がり顔が赤くなった。何?なんで私は顔が赤くなるの??女の子同士なのに?!!!頭の中ではそんなことを叫んでいるが、実際のクララは恥ずかしくて俯いてしまった。こんな綺麗な人に見つめられると、、、リアナは真っ赤になって俯くクララを見つめて「フフフ」と笑っている。完全に揶揄われている?!

 クララは上目遣いにリアナを見るとリアナは変わらずクララを見つめている。どうしよう、緊張する。クララは自分の心臓の音がリアナまで聞こえるのではないかと心配するほど激しく鼓動している。


 リアナは目の前にいるレオンを見つめた。顔を真っ赤にし俯くレオンはとても可愛らしい顔をしている。骨格も華奢でまるで少女のように雰囲気だ。それに同い年のカルロスと比べると背も低く頼りない。そんなところが仲間から愛され可愛がられているのだが、レオンはそのか弱い見た目とは真逆に高い魔力を持ち、精霊を召喚できるほどの能力がある。だけどいつ見ても自信のない表情と態度に違和感を感じる。リアナはそんな事を考えながらレオンを見つめていた。


 クララは瞬きもせず見つめてくるリアナの視線に思考が停止しそうになった。白い肌は陶器のように滑らかで深い紺色の瞳は神秘的な光を宿している。神の化身のような美しい見た目に圧倒的なオーラ、これが王族なのだと誰もが認める程の存在感。けれど優しくこんな私に話しかけてくださるリアナ様。これ以上見つめられると心臓が爆発しちゃう。恥ずかしくて耐えきれない!!

 

「リアナ様、なにか、、御用でしょうか?」クララは汗ばむ両手を握りしめ勇気を出してリアナに聞いた。リアナは首を傾げ「用事、、、。レオンは私に危害を加えようと考えているの?」リアナは突然そんなことを聞いて来た。

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