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    ドラゴン解説-10

メリュジーヌ

精霊種。

フランスに伝わる妖精。若く美しい姿をしている女性だが、下半身は大蛇になっている。普段は人の姿を取っているが、週に一度だけはその本性を現してしまう。しかしその姿とは裏腹に心は清く正しく、人と結ばれて多くの子孫を残しリュジュニャン家を繁栄させたが、毎週一度姿を消す彼女に不信を抱いた夫によって本性を暴かれ、消え去っていった。彼女の名は『リュジュニャンの母』という意味である。

ほぼ完全に人の姿を取り、人語まで解する事の出来る希少な精霊種。泉の精霊ではあるが様々な魔術を自在に操ることが出来、城壁や建物を一瞬にして建てる能力を持つ。更に翼を生やし飛ぶことも出来、精霊種の竜としては非常に汎用性が高く使い勝手の良い竜ではあるが、メスの竜でなければ扱えないことから人気はそれほどでもない。


タラスクス

獣竜種。

タラスクとも。ワニに似た身体に六本の脚、鋭い棘の生えた甲羅に覆われた、獰猛な竜。海の魔物レヴィアサンとロバの間に生まれた怪物であるといわれる。フランスのネルルクという村の近くの川に棲み、旅人を襲って食べていた。しかし、敬虔なキリスト教徒の聖マルタによって退治されてしまう。今日ではネルルクの村はこの偉業を称え、タラスコンと呼ばれている。

巨大な身体に鋭い牙、凶悪な爪、自在に動く尻尾に全身を覆う棘にさらには毒の息と、強力な攻撃方法をいくつも持つ獣竜。攻撃能力に非常に優れる優秀な竜なのだが、その全身を覆う棘のせいで騎乗が出来ず、更にもっともタラスクスを特徴付ける『燃える糞便を投げ飛ばす』と言う攻撃方法の印象の悪さから、竜使い達の中での人気はいまひとつである。


ミズチ

精霊種。

蛟、水霊などとも書く。中国や日本に伝わる湖に棲んでいる龍で、全ての淡水に棲むものの長と言われる。一説には、雨龍が500年の時を過ごすことでミズチとなり、ミズチは千年で龍になって天に昇るという。

ほぼ雨龍の上位互換といって差し支えない竜。多少改善はされているものの、打たれ弱く魔力に優れるところまでほぼそのまま。ただし、人を乗せて宙を駆ける事が出来る程度には頑強になっている。


イピリア

精霊種。

オーストラリアの先住民族アボリジニのイングラ族があがめていた精霊。長い黒髪と豊かな髭を生やした、虹色の巨大なヤモリ。普段は沼の底に棲んでおり、1年に1度だけ沼を抜け出すと、沼の水を飲み干してそれを空高く吹き上げ、雨を降らせて乾季を終わらせるという。

魔術よりはブレス等の比較的原始的な攻撃手段を得意とする変り種の精霊種。特に固有能力である雨乞いは雨限定ではあるものの、天候を左右する強力なものである。雨の中では水を使用した魔術の効果が高まり、同時に多くの竜が得意とする炎のブレスを減退させるため、サポート役として好まれる竜種。


ユルルングル

精霊種。

オーストラリアの先住民族アボリジニに伝わる、『虹蛇』の中でも最も高位に属する精霊。ユルングとも言う。ミルリルミナ(岩のニシキヘビの背、の意)という泉に住んでいたが、ある日彼の泉を誤って穢してしまった姉妹を許せず、飲み込んでしまうという禁忌を犯し、虹蛇達の指導者と言う立場から追放されてしまった。

精霊種の中でもかなり高位に属する竜で、あらゆる能力が高く天候を自在に操り、下手な神竜種よりも高位の竜と言って良い。また、人語を解し竜使いとの会話にも応じるなど、あらゆる面で通常の野生の竜とは異なっている。

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