表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~  作者: 出雲大吉
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/283

第084話 巨乳は罪


 昨日も沖田君が勧められたが、やはりクーナー遺跡の次はミレイユ街道らしい。


「まあ、そんなところかもね。ちなみにだけど、冒険者の民度はどう?」

「声はかけられるかもしれないが、クーナー遺跡ほどじゃない。ミレイユ街道は中級の冒険者が行くところだし、クーナー遺跡ほど人は多くない。それに中級くらいになると、パーティーが固まるから勧誘も多くないと思う。逆に上級になると、なりふり構わなくなるから勧誘が増える」


 初心者はまずパーティーメンバーを探す。

 中級者は集まったメンバーで活動する。

 上級者はパーティーメンバーの取捨選択か。


 俺、この王道を進んだら捨てられそう……

 魔法が使えないヤツはいらないって言われるかも……


「なるほどねー。じゃあ、そこにしようかな……」

「一緒に行くか? 週末に沖田君と行くんだが」


 俺がその沖田君なんだから行けるわけねーじゃん。


「ナナカさんが大学に行ってるから無理ね。学業優先」


 絶対にまともに授業を受けてないだろうし、勉強もしてないだろうけどね。


「そうか……まあ、機会があったら行こう。女性冒険者なら歓迎だ」


 マジでなんで沖田君を誘ったんだろ?

 聞いてみよ。


「ねえ、さっき、沖田君と冒険に行くって言ってたけど、彼、男性よね? いいの?」

「別に男性がダメというわけではない。たまにだが、同じギルドに所属している男性冒険者と冒険にいくこともあるしな。単純に気になっただけだ。あれは只者ではない」


 ふふん!


「そうなの?」

「剣術の腕がおかしい。なんであんなに実力があるのにルーキーなんだって思ってる。君も何かを感じなかったか?」


 と言われても自分だからわからない。


「朝倉さんが好きよね」

「まあ、そうだろうな。付き合っている…………いや、付き合ってないんだったか? よくわからんが、一緒に住んでるらしいし、そうなんだろう」


 付き合ってるよー。

 俺の中では。


「ふーん、よくわからないけど、まあいいわ。そろそろ取引と行きましょう」


 俺もようやくチーズハンバーグセットを食べ終えたので本題に入る。


「ああ、まずはこれだ。現金だから数えるのは大変だろうが、4250万ある」


 ヨシノさんはそう言って、手提げカバンを渡してきた。

 俺はカバンを受け取ると、カバンを開け、中身を見る。

 カバンの中には100万円の束が大量に入っていた。


「あなたのことだから4200万しかなかったりして」

「そんなことはせん。数えてみろ」

「面倒だからいいわ」


 俺は金が入ったカバンを自分のカバンに入れると、そのままアイテム袋となっているカバンを取り出す。


「はい、これが100キロのやつ。言われた通り、肩にかけるタイプにしたわ」


 俺はカバンをヨシノさんに渡した。

 どうでもいいけど、薬の取引みたいだわ。


「確かに……また何かあったら頼む」

「まいど。じゃあ、帰りましょうか」

「送っていこうか? 私は車で来たんだが」


 いいなー。


「いえ、ギルドに寄ってから帰るわ。冒険はしないけど、あなたの従姉と話してから帰る」

「サツキ姉さんか…………」


 めっちゃ気にしてるし。


「良く言っておいてあげるわよ」

「頼む」


 俺は立ち上がると、伝票を取り、レジに向かった。

 ヨシノさんは絶対に出さないだろうが、ついてくる。


 レジには女の子をつれた母親らしき人が先に会計をしていたため、並んで待つことにした。

 すると、お母さんの横にいる女の子が俺をじーっと見てきた。


 俺がその子を見下ろしていると、女の子は俺のコートを掴んでくる。


「なーに?」

「お姉ちゃん、テレビに出てた人」


 女の子が俺のコートを掴んで引っ張ってきた。

 すると、レジで会計をしていたお母さんが娘の行動に気付き、振り向いてくる。


「アカリ! やめなさい! …………ウチの子がすみません」


 お母さんは女の子の手を引きはがし、謝ってきた。


「いーえ」


 別に気にしない。

 これが成人男性だったら事案ものだけど、子供のすることだ。

 俺は子供が好きなので、問題ない。

 なお、ロリコンという意味ではない。


「ママ、テレビに出てたかっこいい人!」


 女の子は俺に向かって指差してくる。


「やめなさい! 人様に指を向けてはいけません」


 お母さんは女の子を怒るが、仕方がないだろう。

 だって、かっこいいんだもん。


「ふふふ」


 俺はカバンの中からいつも持ち歩いているサイン色紙とマジックを取り出すと、ささっとアカリちゃんへと書き、サインする。


「あげる」


 俺は女の子にサイン色紙を渡す。


「何これ? ミミズ?」


 サインを知らんのかい……


「君って、いつもそんなものを持ち歩いているのかい?」


 後ろにいるヨシノさんが前に出てきて聞いてきた。


「あなただって、サインくらい書けるでしょ」


 人気者のAランクなんだし。


「まあ…………」


 ほれ見ろ。


「ママー、パパが好きなおっぱいの大きい人ー!」

「……………………」


 女の子が前に出てきたヨシノさんを指差し、とんでもないことを言うと、申し訳なさそうな顔をしていたお母さんの顔が能面になった。

 お母さんの胸部は残念ながら平坦なのだ。


 気まずい…………

 多分、この子の家は今日、大嵐だろうなー……


 あ、ヨシノさんが何も言わずに帰った!

 待て! 逃げるな!

 こんなところに俺を置いていくんじゃねーよ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

【新刊】
~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)

週末のんびり異世界冒険譚 1 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

~漫画~
廃嫡王子の華麗なる逃亡劇 1 ~手段を選ばない最強クズ魔術師は自堕落に生きたい~

【販売中】
~漫画~
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(1)
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(2)
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(3)

~書籍~
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(1)
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(2)
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(3)
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(4)

【現在連載中の作品】
その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

廃嫡王子の華麗なる逃亡劇 ~手段を選ばない最強クズ魔術師は自堕落に生きたい~

【漫画連載中】
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~
がうがうモンスター+
ニコニコ漫画

廃嫡王子の華麗なる逃亡劇 ~手段を選ばない最強クズ魔術師は自堕落に生きたい~
カドコミ
ニコニコ漫画

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
[一言] 4割目のこのセリフ 「はい、これが100キロのやつ。言われた通り、肩にかけるタイプにしたわ」 ほとんど自作できることを自爆しとる。
[良い点] お胸の乱!
[一言] 子供ってある意味残酷なことば出るよなーw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ