映画『ウエスト・サイド・ストーリー(West Side Story)』(2021)は面白かったのか? ──2021年公開作・個猫的ベスト3発表もアリ──
さて、世の恵まれぬ男性オス諸君よ……。
( ざわざわ──(゜Д゜) )
心の準備はできたか?
( ゴクリ──(゜A゜;) )
今年もバレンタインがやってきたぞぉーーー!
( うぉぉぉぉぉぉぉ!ι(`ロ´)ノ )
逃げるぞぉーーー!
( うぉぉぉぉぉぉぉ!ι(`ロ´)ノ )
隠れるぞぉーーー!
( うぉぉりゃぁぁぁぁぁ!ι(`ロ´)ノ )
( 食糧よし!── )
( 飲料水、OK!── )
( Facebook、インスタ──その他SNS、リア充よりの画像受信、全てOFF! )
違ーーーーーーーーーう!
……コレ昔、一度やったネタやんけ! しかもコピーして張り付けてるだけやんけ! う~む…しばらく見ぬ間そこまで地に落ちてしまったかペイザンヌ……
(※映画『スプリット(Split)』(2016)は面白かったのか? ──あるいは『バレンタインを迎え撃て!』の巻──参照)
閑話休題。さて、わしゃはその昔、猫の手も借りたいってことで某焼き鳥屋でバイトしてたことがあります。
ちょぼちょぼと鉄板の上のネタに塩を振りかけるわしゃを見て「あ~、ペイちゃん、それじゃダメだ~。焼き鳥は焼いてる間に塩が落ちるべ? お客様の口に入るまでに溶けちまうべ? 自分で思ってる以上、そのまた以上、『こんなにかけたら辛過ぎね?』くらい思い切ってぶっかけてようやく丁度よくなるべよ!」なんてこと言われたのをふと思い出します。
そーいえば女性に対してもそうですやね。ホントに好きな女性であるのなら好意を「匂わせる」くらいではダメなのです。あれだけ敏感、かつ「察する」ことを得意とする女性でも、なぜかオス諸君の「これくらいでいいんじゃね?」程度の思わせぶり、はたまたしょぼい「好きアピール」では「え! そうだったの? …全然気づかなかった…」となってしまうことが多いのであります(当社比)。
「大は小を兼ねる」とはよく言ったもの。どうせやるならやりすぎくらいに伝えましょう。とはいえプロポーズでフラッシュモブなど、それはそれでまたやりすぎであるからしてオス諸君はその塩梅をうまいこと考えましょう。
そんなわけで♪み~な~さ~ま~、お~元気~でしょ~か~、マリ~ア~マリ~ア~、マリ~ア~じゃないのよ~、わしゃ~は~ペイ~、ペイ~♪ ペイザンヌでごにゃーます。
『ウエスト・サイド・ストーリー』をこれまた初日に観てきたわけである。いや~、スピルバーグ作品を劇場で観たの何気に久しぶりな気がする。
思い起こせば『シンドラーのリスト』以来ちゃうかな?
てゆーか、正直スピルバーグ師匠の次回作が『ウエスト・サイド・ストーリー』だと初めて聞いた時の「は……?」といった違和感といったらなかった。ホントになかった。
スピルバーグがリメイクした映画といえば他に『宇宙戦争』(2005)もあるけど、それはまあわかる気もする。はたまた尾藤イサオが監督するというのならそれもわかる気もする。しかしなぜあのスピルバーグがミュージカルの『ウェスト・サイド・ストーリー』なのだ? ……と。
「♪そ~れ~新作じゃなくってもい~んじゃない?」
とまるで草薙くんが歌う動画の広告のように思ってしまうのか? それとも、はたまた……?
スピルバーグのミュージカルといえば……それっぽいのというか真っ先に思い出すのが『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』。後に彼の奥さんとなるケイト・キャプショーが『anything goes』を歌うあのオープニング。結構好きなんよね~。アステアやジーン・ケリーといったオールドミュージカルの時代を思い起こさせる、ついニヤリとしてしまうあのオープニング。あのシーンだけ見返しちゃうことが今でも多々あるw
そして初めて本作、『ウエスト・サイド・ストーリー』特報を見た日、背後から首を撫でられたようにゾクッとしたのも覚えている。頭をポマードで撫でつけた男たちが鉄条網を両手でこちら側にグワっと開く。原色のドレスを着た女たちが街で踊る。現在とは違う、ザラついた、どこか懐かしい匂いのする映像(実際にはザラついてるわけではない)。
結果からすると『ヨイ』!
めちゃ~めちゃヨイ!
『ロミジュリ』をベースにした、皆が知ってるストーリーなので"ネタバレ"を気にしなくていいのも書きやすくてヨイ!
さて、Twitterの方では呟いてますが、わしゃの昨年のベスト3。
1位『ファーザー』
2位『プロミシング・ヤング・ウーマン』
3位『イン・ザ・ハイツ』
とさせていただきました。
この3位の『イン・ザ・ハイツ』。こちらもミュージカルなわけですがコ・レ・が、ほんっとに革命的なミュージカルやなとえらい感動いたしまして! もうね、マジで仮に5000円くらい払っても全然惜しくないぞと。映画というより眼前で生で繰り広げられるブロードウェイミュージカルを観たくらいの興奮がありまして、誇張でなくいつもよりスクリーンが大きく見えた奇妙な感覚があったんですわ。うん、これは絶対に映画館で観てほしかった作品のひとつ。
んでコレ観た時に、正直思いましたもんね。後に控えてる『ウエスト・サイド・ストーリー』。コレ観れるのか? コレを見た後では霞むんじゃなかろーかとちょっと心配だったんすよ。
が、そんな心配は無用でした。さすがはスピルバーグ! と言いたいところですが、今回「さすが」なのはあえてその「スピルバーグ色」を最小限にとどめオリジナルに忠実に、監督という名目でありながらもあえて出張らず、まるで段取りと御膳立てに徹してるんじゃなかろうかというスタンス。アレンジというよりは、それこそ1961年のオリジナル映画版よりも、よりブロードウェイのミュージカルのプロットに寄せた方が大きいらしいという、ガチで「完全版」をつくってやろうじゃんという意志。
おそらくは彼が幼い頃に胸ときめかせた『ウエストサイド物語』(1961)やオールドムービーへのリスペクトが溢れ、はたまた「そこから影響を受け、盗み、進化させた技術」を駆使してまるで「アレ? 名画を修復していたらもとの名画よりなんか良くなっちゃった、テヘ♪」──そんな結果にはからずもたどり着いてしまったとゆーか。
映画は総合芸術と言いますが、今回主役なのはやっぱ『レナード・バーンスタインの音楽』。コレがデカい。もうコレがやっぱ異様なほど巨大過ぎるとゆーかw
あ、まず先に、今回はどーしよーかなーと思ったんですが1961年オリジナル版はあえて復習せずに行くことに決めてました。もうひとつ言っておくと正直オリジナルの『ウエスト・サイド物語』っていいイメージがあまりなかったというか、終わった後、「誰も幸せにならないどよ~んとなる映画」てのがいまだに強かったんすよね……w
ずいぶん前に1、2回観たっきりなので、う~ん、なんか有名なシーンしか覚えてないな~。曲も『Tonight』と『America』くらいしか覚えてないんちゃう?──と、思ってたのですが、まあミュージカルの力の凄いとこで「あ、あったあった! あ~この曲!」と、ここでもまた「記憶の蓋」がずずずと開くことに。まあパロディやテレビのBGM、はたまたデパートなどでも空間音楽として知らぬ間に耳に入ってることもしばしばあったのかもしれませんやね。
・『Cool』──かっちょいいっす!(オリジナルてはトニーがベルナルドを刺したあとに流れてましたが、新作ではトニーが銃を購入したリフたちを止めようとする時に順序が変わってますね)
・『Somewhere』──あ~、なんかこの曲、DNAに刻まれてるわ~。これこそデパートや喫茶店でかかってるっぽい曲やな~。
・『I feel pretty』──あ、あれ? これ『マイ・フェア・レディ』の曲かと思ってたけど『ウエスト・サイド・ストーリー』だったっけか!
なんてことが、劇中脳内を駆け巡ります。
う~む、さすがはオリジナル版の「サウンドトラック」の売れゆきに"空前絶後"という普通ではあまり使われぬ、そう簡単には使ってはいけない表現を用いられただけはあります。
音楽の次に光ってたのは照明(ま、まあ照明は光ってこそ照明なんであたりまえなんだけど)。美しいです。これがもうマジで美しいです。なんてゆーかね、本気で眩しいくらい直射でこっちに向けてられてて、もう【☆】←この形がくっきり見えてくるくらい──室内だとほとんどのシーンに必ずどこからか"ひと差し"、これでもかってくらい目に飛び込んでくるというか……
まるでこれでは塩をふりすぎた焼き鳥……おっと、そう。ここで冒頭の"焼き鳥"に戻るわけであります。まるでこれでもかってくらい必要以上に、ネタに塩をふってる──そんな感じのライティングなんすよ。映画だと必要以上に眩しく感じるんだけど、舞台だと思えばこれくらい強い方がね、「お客の口に入る前に溶けちゃう」からね、なんかね、丁度いいんすよ。
そう、コレって舞台に立ったことがある人ならわかると思うのですが、どこかステージに立ってる時に感じる、あの汗すら滲み出てくるほどの熱を感じる、あの照明感覚なんすよね。
客席が見えないくらい降り注ぐピンスポというか、はたまた演じてる最中、上手下手を見たときに瞬間キラッと目に入り込んでくるサイドからのライトといいますか。
コレってもう、
「あ、勝手に客席からこっち側のステージに上がっていいからね~。自分の好きな角度から俳優さんに顔を近づけて見ていいからね~」
──って言われてるような感じなんよ。
幽体離脱して、自分もステージに上がって、俳優の周りを好き勝手にぐるぐる周りながら観劇すると丁度こんな感じのライティングに見えんじゃね? と。これは多かれ少なかれ間違いなく観客側のそんな願望を意識して作ってやがるな、とボクは感じたのでありました。
と、そんな視覚効果はあれど、ぶっちゃけ『ウエスト・サイド・ストーリー』は『ウエスト・サイド・ストーリー』であり、それ以外のなにものでもない──そうも思いましたね。そう、その時点ではまだ。
帰りにオリジナル版をレンタルしてかーえろっ♪──そう思いましたが貸出し中でした。やはり同じような考えの人が多いのだな……
仕方ないのでYouTubeで落ちてる動画を見まくります。比べてみます。オリジナルのオープニングシーン、ダンスシーン、ラストシーン……
あ~やはりミュージカルなだけあって、体全体が映る「ヒキ」のショットが多いんですよね。『マンボ!』のシーンやナイフファイトのシーンとか……
改めて今作は「より映画らしくなっている」のがハッキリ見てとれます。
が……
特にオープニングですよ。不良グループジェッツとシャークスが街で牽制し合い時に触発し合い、チェイスに発展するあのオープニング。
コレなんかはね「え? スピルバーグ版よりもオリジナル、ロバート・ワイズ監督版の方がカッコイイぞと、軍パイがあがるんちゃうか?」と、思えるシーンが多々あるんよ。ん……? まてよ、いや、そうじゃない……
テンポ。
リズムに合わせたコミカルな動き。
カメラが横にパンしたら突如ベルナルドがバン!とそこにいるショット。
または「ヘイ!」と呼びかけられ振り向いたらペンキをぶっかけられるシーン。
そう。逆なんよ。『ウエスト・サイド物語』自体が「まるでスピルバーグの映画っぽい」んですよ。
チェイスシーンなんかもまるで『レイダース/失われたアーク』のカイロのあのシーンぽい。マリオンを洗濯カゴの中に入れて逃げる黒装束とインディが追いかけっこするシーンを思い出すというか……
つまりこれまで観てきたスピルバーグの映画そのものが「オリジナルの『ウエスト・サイド・ストーリー』などから多くの触発を受けた」という言い方が正しいのではないかと。
このあとフィルハーモニー楽団で演奏してる『ウエスト・サイド物語』のオープニングの動画も覗いてみたんですがね、マジでまるでジョン・ウィリアムスの音楽というか、インディの顔が浮かぶんのよ。特にドラムというか太鼓というか「うわ、めっちゃレイダースぽいわ~」とw
「いやマジ、ボクらが小さい頃観てた昔の映画も面白いんだぜ? CGの新作ばっかじゃなくてさ、騙されたと思って観てみろよ!」
と、まあそんな感じで今と昔をどうにかして繋ぎたいと。そんな熱情がビシビシ伝わってくる。その辺も「あ~、やっぱスピルバーグは『映画の申し子』やわ……」と、思わざるを得ない作品となっておりました。
まあ見終わった後「どよ~ん」となるのは変わらんのですがw
スピルバーグは最新の(2/14)インタビューでこんなことも言っておりました
『ミュージカルでは、会話をしている登場人物たちが一旦中断して歌って踊り、そしてまたストーリーを語るために会話をします。ミュージカルを観るということはある意味で、自分のなかのシニシズム(冷笑性。一般に,道徳,習慣などを無視し万事に冷笑的にふるまう態度)を取り去らないといけないということでもありますし、それによって多種多様なエンタテインメントを楽しむことができるのです。現代は、かつてないほどシニシズムにあふれていると感じています──』
この「誰も幸せにならないラスト」も、なんとなくハッピーハッピーはかりがヨシとされる昨今のストーリーに慣れてると結構ガツンときたというか。
まあ自分も感情があるので時に腹が立ちます。イラつくことだってあります。「楯突くんならぶっ潰してやるぞ、オラ!」とかイライラしてる時に「わかってねーなー」などといわれるとマウント合戦モードに移行してしまう、そんな感情も一瞬芽生えたりもします。けど……
結局、そんな瞬間的な感情って不毛で無益で無情で何も産み出さない。争い、戦争、またはネットの誹謗中傷なんかも「誰も幸せにならない」結果になるのが常なんやなとこの映画からガツンと伝わってくるんすよ。
「──今ならあなたを殺せる。悲しいから。あなたも、あなたも、みんな殺せる。私も死ねる分の弾も残ってるの?」とマリアが語るクライマックスは、まさに昨今起こるの無敵状態のジョーカーすら思い起こさせますやね。
また二つのグループの争いを止めようとしたトニー。昔の自分をなんとか捨てようとしたトニーも自分が住んでる世界を、関わってる世界を「無視」はしなかった。できなかったんすよね。「知らねーよ、おりゃあマリアと逃げて幸せになっから。おめーらクズはいつまでもバカやってろ!」と、することもできたのにしなかった。だからこそまた悲劇の連鎖が起きていく。
ちょ、待てや。んじゃ、いったいどうすれば幸せになれんねん?という堂々巡りの疑問をストレートに、ストレートな悲劇として、ぶつけてきます。
まあたまにこうやって真顔でいたたまれない気持ちで席を立つのも映画の醍醐味のひとつ。そうでない気分の時は「待てよチキン!」と言われても「知るか、あんなアスホール!」とすたこら逃げる勇気を持つ『バック・トゥ・ザ・フューチャー3』を観ればいいだけの話なのですw 選択肢は多々あるのです。
エンドクレジットはオリジナル版と同じく、都市開発によって無くなりゆくスラムの街、壁に書かれた落書きなどを映してます。
オリジナルと少し違うのは、スピルバーグはそこに朝日が差し込むエフェクトを追加しております。
どよーんとした気持ちは変わらないけど、ほんの少しだけそこに希望を見出だす気持ちになれる、そんなラストだったかな……?
とも思いましたね
( ̄ー ̄)




