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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第399話 巨人族とリザードマン


 それにしても、巨人族にリザードマンかぁ。

 どちらもザ・ファンタジーって感じがするし、一度は会ってみたい。


「巨人族もリザードマンもワクワクしますね。巨人族の村は、やっぱり何もかもが大きいんですか?」

「巨人といっても平均身長は2メートルくらいで、基本的には人間と大差ないですよ。建物も大きめには造られていますが、少し大きい程度だと思います」

「へぇー。見た目も人間と変わらないんですか?」

「似ておるな! ただ、一般的な人間というよりかは、ドワーフをそのまま大きくした感じじゃ!」


 ドワーフといえばロッゾさんとシッドさん。

 背は低いけど存在感はでかい。

 

 あのドワーフの感じで、平均2メートルかぁ……。

 見た目以上に圧がありそう。


「そうなんですか。一度は会ってみたいです」

「暖かくなったら、わらわがここに連れてきてもいいのじゃ!」

「どうでしょうか? リザードマンとの争いが激化していたら難しいと思いますよ。ボルガフさんも、春に向けて準備をすると言っていました」

「そんな大規模な争いなんですね。ちなみに、原因は何なんですか?」


 一番気になるのはそこ。

 根本的に犬猿の仲なら手の打ちようがないけど、明確な原因があるなら何とかできるかもしれない。


「巨人族の村とリザードマンの村の間に、ティーブレイクという大きな湖があるのじゃ! その湖の魚を巡って争いに発展しておるらしい」

「最近は漁獲量が減ったと嘆いていましたからね。そのせいで対立が激しくなっているようです」

「食料問題か……難しいですね」


 ミラグロスさんの魔人族の件もそうだが、この世界は食料で揉めがち。

 ――もっとも、魔王領は痩せた土地という事情があるので、今回は単純比較できないけれど。


「前回訪ねてきたときも、食料を分けてほしいという要件でした。エデルギウス山は佐藤さんのおかげで食料には全く困っていないので、越冬できるだけの分をお渡ししたんです」

「佐藤のおかげで野菜がたくさん収穫できるのじゃ! まあ、あまり美味しくはないがのう!」

「巨人族の現状を考えると、美味しい・美味しくないは贅沢です。それに、ここの食べ物と比べての話で、十分おいしいですよ」

「手助けになっているなら良かった。ドレイクさんたちには、こちらも助けられていますしね」


 ウィンウィンの関係が築けているなら何より。

 龍人族の皆さんにはここで働いてもらい、その知見を持ち帰ってエデルギウス山で農業に活かしているらしい。


「でも……巨人族のほうも何とかできる気がします。大きな湖があるなら、農業もできますからね」

「湖があれば農業が? これは本当に、一度佐藤さんと会わせたほうがよさそうですね」

「春の直前に行ってもいいかもしれんのじゃ! わらわもまた巨人族のところへ遊びに行きたいしな!」


 コーンポタージュをすすりつつ話していると、やがて話題はなぜ私が別荘にいるのかに移った。


「そういえば、なんで佐藤はここにおるのじゃ? てっきりダンジョン攻略に行っていると思っておった」

「単純に、ついていけなくなったからですね。皆さんは一緒に行こうと言ってくれているんですが、体がダンジョン攻略に耐えられなくなってきていまして……」

「そんな年齢には見えませんけどね。とはいえ、佐藤さんは戦闘自体が難しいのも事実ですし」

「はい。低階層の魔物を倒すだけでも一苦労です」

「え? なんでなのじゃ? わらわがスペルリングをプレゼントしたではないか!」


 スペルリングは確かにもらった。

 ただ――正直、使い方が分かっていない。

 シーラさんでも首を傾げていたし、今は大事に保管している状態となっている。

 

「スペルリングの使い方が分からないんです。たぶんですが、魔力を使うんですよね?」

「当たり前なのじゃ! 魔法を使いやすくする指輪じゃ!」

「魔力操作が格段にやりやすくなる装備ですね。魔法は通常、習得に1年以上かかると言われますが、スペルリングがあれば1日で扱えるようになる人もいるんですよ」

「佐藤、ここに持ってくるのじゃ!」


 この圧は、つまり「今すぐ試せ」ということ。

 だけど、私の魔法力はこの世界に来た当初1だった。


 今は多少伸びている可能性はあるけど、二桁に届いている気はしない。


「この世界に転移してきた時の魔法力が1だったんですが、それでも扱えますかね?」

「魔法力が1? わらわには何を言っているのか分からんのじゃ!」

「最低値という意味でしょうか? だとしても、スペルリングがあれば大丈夫だと思いますよ」


 どうやら龍族には、能力値という概念がないらしい。

 シーラさんからは、絶対に魔法は使えないと言われていたけど……せっかくだし、試してみるのもあり。


 ヤトさんが苦労して手に入れてくれた品だし、実用的な道具を一度も使わず眠らせるのは違う。

 ――というわけで、私はヤトさんとアシュロスさんの前で、スペルリングを試してみることにした。



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