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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第377話 宿代


 案内された部屋は、とんでもなく広いお部屋。

 接客では負けていないと思っていたけど、この広さのお部屋は用意できない。


「うわー! すごく広い部屋ですね!」

「私もこんな広い部屋は見たこともなかったよ。いったい何人部屋なんだい?」

「こちらは6人部屋となっております。奥にベッドが4つ。右手のお部屋にもベッドが2つありまして、ソファを倒していただければ、さらに寝る場所を増やすこともできます」


 マニエルさんの説明を受け、早速ソファを倒してベッドにしたジョエル君。

 気持ちは分かるけど、すぐに行動に移すのは少し恥ずかしいからやめてほしいところ。


「2人は寝られる大きさですよ! 実質的に8人部屋じゃないですか?」

「どう使っていただいても構いません。もう1室、用意してありますので、そちらもご案内します」

「こんなに広い部屋とは別に、もう1つ部屋を用意してくれたんですか?」

「ベルベット様の頼みでしたからね。ただ、もう1室はこの部屋ほど広くはありません」


 マニエルさんは嬉しそうに笑いながら、もう1室も案内してくれた。

 先ほどの部屋よりも狭いという紹介だったけど、若干狭いくらいで、広い部屋であることに変わりはない。


 4〜5人は寝泊まりできるとのことで、十分すぎる広さのお部屋。

 ただ、やはり気がかりなのはお値段。


「いかがでしょうか? いい部屋を用意させていただきました」

「マニエル、ありがとう。十分すぎる部屋だったわ」

「本当に素晴らしい部屋でした。ありがとうございます。……ただ、1つ気になることがあるんですが、お部屋の金額って1日当たりいくらになりますか?」


 みんながこの宿に泊まりたいという、すごくいい雰囲気が流れている中、私は流れをぶった切るようにマニエルさんにそう尋ねた。

 みんなも、うっすらと金額のことを気にしていたようで、少しそっぽを向いたように見える。


「こちらのお部屋は1日当たり白金貨1枚と金貨5枚。あちらのお部屋は少し額が上がりまして、白金貨2枚となります」

「1泊で白金貨2枚……!」


 高いという予想はしていたけど、予想を超えるお値段に、空いた口がふさがらない。

 2部屋で白金貨3枚と金貨5枚であり、武闘大会が終わる10日後まで滞在するとしたら、白金貨35枚かかることになる。


 1人当たりではなく、部屋での換算なのはありがたいけど……。

 確実に予算オーバーであり、申し訳ないけど別の宿を探したい。


「す、すみません。用意してくれたところ申し訳ありませんが、完全に予算オーバーでして、別の宿を……」

「ふふ、すみません。あくまで普通に泊まるとしたら、の値段です。今回はベルベットさんの頼みですので、代金はいただくつもりはありません」

「えっ!? タダで泊まれるってこと!?」

「そんなことがあり得るのだろうか? こんなに広い部屋をタダって……裏があるとしか思えない」

「裏なんかありませんよ。ベルベットさんには昔からお世話になっていますので、そのお礼です」

「マニエル、ありがとね。また何かあったら頼みを聞くから」

「ええ、よろしくお願いします」


 マニエルさんは深々と頭を下げると、部屋を出ていってしまった。

 あっさりと会話が終わったけど、本当にタダで泊まってしまっていいのだろうか?


「ベルベットさん、本当にタダで泊めてもらっていいんでしょうか?」

「支配人が良いって言ってるんだからいいのよ。ふふふ、これで武闘大会が終わるまでの宿代が浮いたわ」

「……えっ? 1泊だけじゃないんですか?」

「1泊だけ泊まっても意味がないでしょ。マニエルには10日間は泊まりたいって言ってあるし、了承した上でタダって言ってくれたからね」

「いや……さすがに申し訳なさが勝ってしまいます」

「佐藤は気にしなくていいの。何かあれば私が対応するしね」


 ベルベットさんのその言葉に、みんなは沸き立っているけど、10日分の宿代を払わないのは申し訳なさしかない。

 これは後でマニエルさんと、じっくり話し合わないといけないかもしれないな。


 とりあえず宿代と宿泊期間については保留とし、今日はお言葉に甘えて泊めさせていただくことにした。

 部屋についてだけど、女性と男性で分けるのがベストなはず。


「お部屋なんですが、女性陣は広い部屋を使ってもらい、私とジョエル君、それからライムとマッシュでこちらの部屋を使うので大丈夫でしょうか?」

「それがいいんじゃない? 別に私は佐藤と一緒の部屋でもいいけど」

「王女様と一緒の部屋ってのは緊張するねえ」

「ブリタニーはそんなことを考えるタイプじゃないだろう。王女さん、ブリタニーはいびきがすごいから気をつけてくれ」

「僕、ライムとマッシュと寝られるのは楽しみです!」

「…………私も佐藤さんと同じ部屋でもいいですよ」

「マスター、私も一緒で構いません」


 各々話し始めていて、収拾がつかなくなってしまっている。

 とりあえずベルベットさん、シーラさん、ヘレナの言葉はスルーし、各々部屋に分かれることにした。


 4名が使うにしては広すぎる部屋であり、多分だけど向こうも同じ感想を抱いていると思う。

 ジョエル君は早速ベッドにダイブをしており、マッシュは部屋の散策。


 ライムは大福のようになってリラックスしており、早くも慣れた様子を見せている。

 話ではすぐに再集合の予定だけど、ひとまずマニエルさんに話をしに行ったほうがいいだろう。

 もし本当に10連泊させてもらえるのだとしたら、いろいろとプレゼントを用意しないといけないしね。



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