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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第311話 箸への慣れ


 流しそうめんが行われ、今回はそうめんを流す役もローテーションで回すことになった。

 これまでは私自身が流しそうめんを楽しむことができなかったけど、今年は流しそうめんを楽しむことができている。


 とはいえ、私が楽しめたかどうかは二の次であり、肝心なのはみんなの反応だ。

 龍人族の方々は、移住してから長いということもあって、問題なく流れるそうめんを取ることができている。


 ダークエルフの方々は苦戦しつつも、何とか食べることができていて、今が一番流しそうめんを楽しめる時期。

 ルチーアさんとソアラさん、ルナさんの3人は誰が一番食べられるかで勝負しているようで、白熱した戦いを見せている。


 そして昨日やってきたばかりの獣人族の方々はというと、慣れない箸に大苦戦。

 ただ、そうめん自体は気に入ってくれたようで、血眼になってそうめんを掬おうとしている。


 昨日の今日でいきなり箸を使わせるのは可哀想かとも思ったけど、流しそうめんは箸でなければ意味がない。

 獣人族の方々には後で普通のそうめんを振る舞うとして……みんなが楽しんでくれていることも確認できたし、私もそうめんを楽しませてもらおう。


 6種類のつけ汁に薬味を加えたら、楽しみ方はまさに無限大。

 夏で落ち込みがちな食欲を、楽しさと冷たさ、そして美味しさで補い、私はお腹いっぱいになるまでそうめんを堪能した。


 流しそうめんが終わった後は、みんなで片付けを行う。

 来年も行いたいし、しっかりと綺麗にしてから収納する。


 その間に、あまり食べられていなかった獣人族の方々には、ゆっくりとそうめんを食べてもらった。

 毎年、この普通にそうめんを食べる会に参加していたヤトさんだけど、今年は初の不参加。


 流れるそうめんをちゃんと掴めるようになったようで、小さいことながらもヤトさんの成長を感じる。

 家でも箸で食事を取るようになったと言っていたし、その成果がちゃんと表れていて嬉しいな。


 ほっこりした気分になりつつ、日が暮れるまでは来てくれたみんなで談笑会。

 ミラグロスさんは農業に全力を注いでいるようで、今年も作物の成長は順調とのこと。


 エルフの里では、龍人族と手を組んで新たな土地を見つけに動いているらしい。

 ヤトさんもその動きに大きく関わっているようで、頻繁に遊びに来られないのはそのためだという。


 ベルベットさんは相変わらず漫画制作に注力しているようで、ローゼさんも新しい土地の探索はほどほどに、漫画制作に全力を注いでいると話していた。

 2人の合作漫画を早く読みたいけれど……納得のいくものが完成するまでは、絶対に急かしてはいけない。


「それで、ここでの生活はどうなのじゃ?」

「めちゃくちゃ最高ですぜ! 農業は楽しいし飯も酒も美味い! 今日みたいなイベントごとも頻繁に行われるし、俺はここに骨を埋めるつもりだ!」

「……心底羨ましいです。ルチーア達はどう?」

「私たちも同じ意見です。最初こそ、緩い雰囲気に困惑してしまいましたが……ゲームが面白いです」

「私とルナがルチーアに初めて勝ってるんだ!」

「それはソアラとルナがサボっているからだろ! 同じプレイ時間なら私は負けない」

「ルチーアの雰囲気が柔らかくなったと思っていたけれど、そういうことだったのね。馴染めているみたいで安心したわ」


 移住者組の話を聞いて、羨望の眼差しを向ける人と、微笑ましい表情を見せる人で半々。

 ヤトさんなんかは自分から聞いたというのに、ドレイクさんを睨み付けている。


「……また見知らぬ人が増えていますけど、そっちの人たちは誰なんですか?」

「昨日からここに移住してきた方々です。獣人族でして、ローゼさんは会ったことがありますか?」

「……情報としては知っていましたが、初めて会いました」

「うち、狐人族のレティシア言います。これからよろしゅうお願いします」

「……エルフのローゼです。よろしくお願いします」


 ローゼさんとレティシアさんが自己紹介と共に握手をしたのを皮切りに、他の方々も自己紹介を始めた。

 歓迎会の準備はできなかったけれど、このタイミングで納涼会があって良かったな。


「へー! ワルフっていうのか! ……強そうだな!」

「ドレイクさんの方が強そうですし、自分より強そうな人に出会ったのは初めてです」

「そりゃ簡単には出会わねぇだろうな! それと、さん付けも敬語もいらねぇ! ドレイクって呼んでくれ!」

「ドレイク……でいいのか?」

「もちろん! なぁ、ワルフ! 後で相撲を取ろうぜ!」

「スモウ? スモウってなんだ?」

「まぁ見りゃ一発で分かる! 佐藤さん、いつか相撲大会も開いてくれよ!」

「面白そうではありますが、大会は開かないですね」


 相撲は意外性やジャイアントキリングを起こしづらい競技。

 だからこその面白さもあるけれど、みんなが参加しづらい点から大会にするには不向きだと思ってしまう。


 ……いや、体重別に分ければ面白いかな?

 相撲大会については稟議を揉むとして、ドレイクさん対ワルフさんの相撲対決は面白そうだ。



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