表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
228/406

9-1 無辜の怪物

 どうも皆様、ご機嫌麗しゅう。


 ヌイヴェル=イノテア=デーファルスでございます。


 毎度おなじみ、魔女にして娼婦、そして、男爵夫人でもある都合の良い姿を取る女、それが私。


 さてさて今日は、私が体験いたしました不思議な出会いについて、お話いたしましょうか。


 皆様、“無辜の怪物モストロ・イノテンチェ”と言いて、どういった想像をなさるでしょうか?


 事実を捻じ曲げられ、本来あるべき姿や有様とは違う、別個の何かにさせられてしまった存在。


 そんなところでありましょうか。


 その“無辜の怪物モストロ・イノテンチェ”の根源は、“噂”や“誇張”による情報の改変。


 本来の存在とはかけ離れた情報が流布し、結果として異形の存在に貶められた、そんな哀れな存在こそ“無辜の怪物モストロ・イノテンチェ”。


 ましてやそれが、百年に及ぶ嘘情報の累積ともなると、もはやそれは人々の中では常識化し、払拭するのが不可能なほど凝り固まった怪物を世に送り出しました。


 いえ、送り出したというよりかは、世界より隔絶されたとも言えましょうか。


 怪物であるがゆえに人智を超越した力強い暴君ティランナ


 人ならざる者を統べる人外魔境の魔王ディアボロ


 私が出会った“無辜の怪物モストロ・イノテンチェ”はそんな御方。


 見た目の愛くるしさとは異なる、魔王、悪魔、怪物、そんな業を生まれながらに背負わされた、罪なき咎人とでも申しましょうか。


 しかし、それでも“彼女”は今日も世界の裏に存在している。


 心優しき悪魔、小さな暴君との出会い、それが本日のお話です。


 さあ、お聞きください。


 世界を浄化するため、あえて主神デウスに反逆し、今日もまた小さなその手を差し伸べる、そんな魔王との出会いのお話を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ