王太子①
今話も読みにきてくださってありがとうございます。
周りがインフルエンザになってきました。皆様もお気をつけてくださいね。
相変わらず誤字脱字が多くてすいません、報告お待ちしております。
一迅社様より「地味な私が転生したら王太子妃の取り柄のない妹だったので、自立の為に頑張ります」の書籍化が決まりました。発行をお楽しみに。
四、王太子と騎士
リリアナの雑貨屋の店内はいたって普通の商品が並んでいる。
鍋、ザル包丁などの調理器具。石鹸やタオル、洗濯用のタライなどだ。
たまに近所の人が買いにくるが、リリアナの店は路地の奥。普通の人は生活用品をわざわざリリアナの店で買う事は少ない。
今だからわかるけど、おばあさんはわざとこんな目立たない場所に店を出したのよね。
特別な客が入りやすいように。
そして今日も特別なお客さんがやってきた。
お忍び中のこのリンドバーク王国の王太子、ロベルト•リンドバークである。
「やあ、リリィ。調子はどうだい?」
ブロンドにグリーンの瞳の絵に描いたような爽やかな王子様。
リリアナより四つ上の王太子は、幼い頃から兄のようにリリアナに接してくれている。
「まあまあよ。ロベルト様。マリアベル様の調子はいかが?」
マリアベル様とはロベルトの妻。この国王太子妃だ。安定期になるまで公表していないが、第一子を妊娠している。
「マリアベルはつわりで辛そうだぞ。できるものなら変わってやりたいくらいだ」
王太子妃マリアベルのお腹に命が宿った事を占いで告げたのもリリアナだ。
王族に頼まれれば占うし、貴族と同じ地位があるとはいえ、誰も星読みの魔女や大賢者に命令する事はできない。
それはこの国の王であってもだ。
国を出ることすら星読みの魔女は自由なのだ。
とはいえ、この国王族とは幼い頃から家族ぐるみの付き合いだ。
王太子であるロベルト兄様や第二王子のシリウス兄様は私を妹のように可愛がってくれている。
あと一人、少々めんどくさい兄のような存在がいるがこれは特殊なので今は考えないでおこう。
「マリアベル様のつわりに良いものを聞きにきたの?」
つわりは重いひとはとても辛いと聞く。
何か楽になるようなものがあればいいのだが。
「それもあるが、リリアナの顔を見たくなってね。何か不自由な事はないかい?」
「皆がそれを聞いてくれるんだよね。ありがとう。今のところなんとかやってます。ところで、外にいる今日の護衛の騎士はいつもの人と違うの? すごい見られているけど……」
窓の外にチラリと目をやると、すごい形相でこちらを睨んでいる騎士がいる。
あの紺色の髪色、整った顔、どこかで見た気がするんだけど……。
読んでいただきましてありがとうございました。
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