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15

「それでは、ごゆっくりどうぞ」

 ひらひらのメイド服を着た店員が、扉の向こう側に消えた。ちらちらと光る色とりどりのランプと、四方の壁から漏れてくる微妙な歌声。入店料を負担してくれた朽木に礼を言い、悠太はカラオケルームの椅子に腰を下ろしていた。何とも言えないもどかしさを感じる。使徒同士がマイクを挟んでも、様にはなっていなかった。

 一方、朽木はあまり頓着しない質らしく、消音のため適当に予約を入れてから、リモコンをテーブルの上に置いた。そのついでに、ウーロン茶で軽く喉を潤した。唇を離すと、濃い口紅の跡が、ガラスコップに残っていた。

「さてと……」

 朽木は、緊張する悠太に向き直った。

「どこから話しましょうか?」

「僕の正体に気付いた理由からお願いします」

「だからそれは、ヒ・ミ・ツ」

 再度答えをはぐらかされた悠太は、膝の上で軽く拳を握った。それをよそに、朽木は自分から話を進めていった。

「あなた、シモンが死んだことは知ってるわよね?」

「……はい」

 シモンの正体が下野であることを、ふたりは確かめ合わなかった。

 暗黙の了解だった。

「じゃあ、これはどうかしら?」

 朽木はスマートフォンを取り出し、悠太の前にそれをかざした。

 液晶の画像に、少年は息を呑んだ。

「……知ってるみたいね」

「どこでこれを?」

「自分で見つけたの」

 悠太は、スマホに視線を戻した。フラワーショップ・ハルゾノ。喫茶店で真飛に見せられたホームページが、ブラウザ上に表示されていた。

「自分で? 本当ですか?」

「そうよ。あの日、高校でキセキが起こったあと、花がどうなったか調べたの」

「調べた……? どうやって?」

 朽木は、意味深な笑みをこぼした。

 また誤摩化す気かと、少年が身を前に乗り出した瞬間、女は唇を動かした。

「世の中にはね、ちょっとお金を払えば、色々喋ってくれる人間が存在するのよ」

「……園芸部員の誰かを、買収したってことですか?」

 曲調がアップテンポに変わり、少年の声は、リズムの波に消えかかった。

 それでも朽木は、彼の質問を聞き届けたらしい。きちんと言葉を返してきた。

「想像にお任せするわ」

 朽木は再び、ウーロン茶のコップに手を伸ばした。その動作すら、今の悠太にはじれったく感じられた。

 相手が唇を離したところで、悠太は用意していた質問に取りかかった。

「で、その店に行ったんですね?」

 朽木は、こくりと頷いた。

「そして、店の従業員が使徒だった?」

 少年はそれを、確信に満ちた口調で尋ねた。

 だが、朽木の表情は冴えない。

「残念。私もそう思ったんだけど……違ったわ」

「違った? どうやって確かめたんです?」

「名前が一致しないのよね。伊藤加奈って若い娘が切り盛りしてる店で、他に従業員はいなかったの」

「伊藤……加奈……」

 悠太は、その名前を何度も発音してみる。確かに、母音が一致する使徒の名はなかった。やはり勘違いなのだ。少年は、心の中で安堵した。店の名前と英語教師の名前が一緒だったところで、それはただの洒落に過ぎない。少年はそう決めつけた。

 ところがそこで、悠太は朽木の名前を思い出した。

「ちょっと待ってください。朽木さんだって、名前は一緒ってわけじゃないですよね。アカネとヨハネ。確かに似てますけど、最初の母音がアとオで違いますよ」

 その途端、朽木は歯を見せて笑った。

「朽木アカネはペンネームよ。本名は尾羽って言うの。しっぽの尾に、鳥の羽って書くの。素敵でしょ?」

「尾羽……」

 悠太は、母音の完全な一致を確認した。同時に、朽木が本屋で、「偶然」だと呟いたことの意味を悟った。

 紛らわしい法則だと毒づきながら、悠太は言葉を継いだ。

「でも、サンプルは三つしかないんですよ? 下野さん、僕、それにあなただ。発音が完全に一緒ってわけでもないみたいですし……まさか、他にも心当たりがあるとか?」

 朽木は人差し指で、少年を制止した。

「この人を知ってるかしら?」

 朽木はブラウザのタブを操作し、別のページを開いた。すると、モノクロの写真が画面一杯に映り込んだ。二十歳そこそこの、若い男の顔写真だった。その下には、只居武文という文字。

 少年の関心は、名前よりも先に、男の生年月日へと向けられた。

「一九四五年生まれ?」

 朽木は悠太に、がっかりしたような眼差しを返した。

「重要なのは、そこじゃないんだけどなあ……」

 朽木の謎めいた言い回しに、悠太はもう一度写真を見た。そして、閃きが走った。

「タダイ!」

 ようやく気付いたのか。そう言いた気に、朽木は首を縦に振った。どうして名前を見た瞬間に気付かなかったのか、悠太自身も不思議に思うほどであった。

 いずれにせよ、ヨハネの言いたいことは分かった。悠太は、スマホから顔を上げた。

「この人は、今どこに?」

「市内の老人ホームにいるわ。住所を教えてあげる」

 突然オープンになった朽木に、悠太は警戒心を抱いた。もしかしてこの女、自分を陥れようとしているのではないだろうか。なぜ写真の男とタダイとを自信たっぷりに同定できるのか、悠太には不可解だった。

 けれども、情報は多いに越したことはない。そう考えた悠太は、破ったメモ帳に筆を走らせる朽木を、黙って見守った。

「そうそう、花屋の住所も教えてあげるわ。自分の眼で確かめなさい」

 さらに一行を加え、朽木は紙切れを悠太に手渡した。

 住所に視線を走らせた少年は、花屋が駅前からさほど遠くないことを理解した。一方、老人ホームについては、悠太も正確な位置を把握しかねた。自宅とも学校とも近くない、漠然とした印象を受けた。

 メモをズボンのポケットに仕舞い込むと、悠太は真剣な面持ちで、朽木と向かい会った。場の雰囲気が変わったことに気付いたのか、ヨハネも姿勢を正した。

「朽木さん、ひとつだけ正直に答えてください」

「……質問の内容によるわね」

「バルトロマイさんを脅迫したのは、あなたではないんですね?」

「私じゃないわ」

 ふたりは押し黙り、お互いの目を見つめ合った。嘘か誠か。人生経験の浅い少年には、容易に判断を下すことができなかった。

「ところで、もう三十分経ってるわよ?」

 朽木の一言に、少年はハッと壁の時計を見やった。時刻は、十一時三十分をとうに過ぎていた。音楽もいつの間にか終わっており、画面はメニューに切り替わっていた。

 悠太は慌てて席を立ち、朽木に別れを告げた。

「あらあら……この様子だと、デートの邪魔しちゃったみたいね」

 朽木の最後の台詞に、少年はなんとなく悪い気がしなかった。

 

 ✞

 

 ペトロ 今日は4人欠席ですか

 ペトロ 困りましたね

 

 ペトロの書き込みを眺めながら、悠太は半乾きの髪の毛を、指先で拭っていた。昨晩一睡もできなかった彼は、風呂場でうとうとしてしまい、ギリギリのところで使徒会議に滑り込んだ。ドライアーをかける暇も惜しんだ少年を待っていたのは、会議の遅延に次ぐ遅延であった。

 欠席しているのはタダイ、シモン、バルトロマイ、そしてヨハネの四人。タダイはいつものことであり、シモンはこの世から消え、バルトロマイは気まずくてログインできないのだろうと、悠太は各人の欠席理由を列挙した。ただ、ヨハネの不在だけは、少年にも不可解であった。バルトロマイと顔を合わせたくないわけではあるまい。

 もっとも、悠太の頭を占めているのは、マリアと過ごした昼間の情景であった。大した話ではない。ヨハネと別れた後、本屋に駆けつけた彼は、日本語のテキストを立ち読みするマリアを見つけた。遅刻を赦してくれた彼女に、初級者用のテキストしか見当たらないことを説明した悠太は、とりあえず昼食を取ることにした。瑠香から貰ったクーポンを使い、駅前のマクドナルドへ寄ったのである。小食なマリアとの食事は、すぐに終わった。店内が混み始めたのを見計らい、ふたりは市内に出た。ちょっとした観光案内に過ぎなかったそれは、今年催されたどのイベントよりも鮮やかに、少年の思い出を形作っていた。

 いけない。にやけてしまう口元を引き締め、悠太はパソコンに向かう。

 結構な数の書き込みが、少年の気付かぬ間に、画面を埋めていた。

 

 マタイ 今夜も中止ですか?

 ペトロ 私はそれでも構いませんが

 ペトロ 他の方のご意見は?

 マルコ やった方がいいんじゃないでしょうか

 ヤコブA 別にどちらでも

 マルコ 二日連続でキセキが起きないのは信用問題ですよ

 マタイ でも8人しかいないんですよ?

 ヤコブB とりあえず誰かアイデア出してみね?

 マタイ 7人が賛成するまで時間がかかるかと

 ヤコブB 時間はいくらでもあるから俺はいいよ

 

 悠太はヤコブAと同様に、見に回った。

 議論は平行線を辿るかに見えたが、ルカの書き込みで一気に収束へと向かった。

 

 ルカ ヤコブBさんの言う通り

 ルカ とりあえずこの人数で賛成できそうな案を出してみませんか?

 ペトロ そうですね

 ペトロ 何かありますか?

 ルカ 今日小耳に挟んだんですが

 ヤコブB ノ

 ルカ 最近駅前で交通事故にあった犬がいるそうです

 ルカ あ、すみません 挙手を忘れてました

 ペトロ ヤコブBさんどうぞ

 ヤコブB いや ルカさん続けて

 

 しばしチャットが止まる。

 譲り合いになったようだが、先に喋っていたルカが書き込みを再開した。

 

 ルカ その犬は失明してしまったらしいんです

 ルカ それを治療するのはどうでしょう?

 

 なるほど、全員が賛成しそうな意見だ。

 司会のペトロもそう思ったのか、議論もせずにいきなり採決を始めた。

 

 ペトロ では、ルカさんの意見に投票してください 

 マルコ 賛成

 ヤコブB 賛成

 ペトロ 賛成

 ルカ 賛成

 

 あっという間に、四票が集まった。悠太も、遅ればせながら一票を投じた。

 

 ユダ 賛成

 

 これで五票。今晩は早く眠れそうだと、悠太は机の照明を切った。

 ところがそこへ、意外な二文字が飛び込んできた。

 

 ヤコブA 反対

 ヤコブA それは不公平ですね

 

 何が不公平なのか、悠太には皆目見当がつかない。

 可哀想な犬の視力を回復してやることの、どこに問題があるのだろう。

 まるで悠太の疑問が聞こえたかのように、ヤコブAは先を続けた。

 

 ヤコブA 保健所では毎日動物が殺処分されてるんですよ

 ヤコブA その犬だけ特別扱いはできません

 

 悠太は相手の理由付けに、心を動かされた。しかし、今は投票中である。議論を白熱させるタイミングではなかった。動かしかけた指を抑え、彼はマタイとフィリポの反応を待った。

 

 フィリポ 反対

 フィリポ 可哀想な動物を助けていたらキリがないと思います

 

 悠太は頭を抱え、椅子にもたれかかった。あっさり可決の流れかと思いきや、反対票がふたつ投じられてしまった。過半数に必要な票は、七つ。この場にいるのは、八人。これ以上の投票は、無意味である。悠太は、そう信じた。

 それでもペトロは、自分の職務を忘れていなかった。

 

 ペトロ マタイさん

 ペトロ 投票をお願いします

 マタイ もう意味なくなっちゃいましたけど

 マタイ 賛成

 

 いったい、どんなアイデアなら満足するというのだ。

 悠太が思考を巡らせ始めたとき、チャットが動いた。

 

 嘉シタリ

 

 悠太は、椅子から落ちかけた体をなんとか支え、前のめりにパソコンの画面を見つめた。そして、ログをチェックした。

 一、二、三……何度数えても、賛成は六票しか入っていなかった。

 他の使徒たちも同じ作業に没頭しているのか、チャットは静まり返っていた。

 しばらくして、ヤコブBの名前が表示された。

 

 ヤコブB 賛成6だよな?

 ペトロ そうですね

 マタイ もしかして基準が変わったとか?

 ペトロ ログをチェックします しばらくお待ちを

 ヤコブA ずいぶん気まぐれなんですね、カミサマは

 マルコ 誰か間違って先に賛成って書いちゃったんじゃないですか?

 

 マルコの指摘は、一見尤もらしかった。ヤコブAとフィリポのうちのどちらかが、投票の前に賛成を匂わせる発言をしたという可能性だ。

 しかし、そのような書き込みは、どこにも見当たらなかった。他の面子も考えあぐねている中、ルカが思いも寄らぬことを言い始めた。

 

 ルカ これはただの憶測なんですけど

 ヤコブB お?

 ルカ 使徒の数が11人になったのでは?

 

 十一人。その数字を理解するまで、悠太は数秒の時間を要した。

 そして、ルカの発言が正しいことを悟った。

 

 ヤコブA 合理的な解釈ですね

 マルコ ???

 マタイ シモンさんがほんとに死んだってこと?

 マルコ あ

 ヤコブB おいおいマジかよ

 ルカ もちろん、ただの憶測ですが

 ルカ これで過半数が6になった理由は説明できるはずです

 

 悠太は、ルカの書き込みに頷き返した。但し、その思考過程は逆であった。ルカは、六人が過半数になる数字を割り出し、そこからシモンの死を推測した。けれども悠太は、シモンの死から十一人という数字を割り出すことができるのだ。悠太の知識とルカの洞察力とを組み合わせれば、証明は完成する。

 もっとも、下野の死をここで告げることはできなかった。したがって悠太は、他の使徒たちがルカの一面的な推論で満足するのを、待つより他なかった。

 そして、その期待は叶えられた。

 

 マタイ 信じられないけど

 ヤコブB ってことはだよ

 マタイ そうとしか考えられないわ

 ペトロ フィリポさんとヤコブAさんが賛成した形跡はありませんね

 ヤコブB やっぱりシモン=下野ってこと?

 マルコ 6人しか賛成してないんですね?

 ルカ 私はそこまで言っていません

 ペトロ すみません 少しよろしいですか

 

 座長の一言に、チャットが停止した。それはペトロの持つ権威だけでなく、今しがた明らかになった事実に対し、各人心の準備ができていない証拠でもある。

 悠太が画面を見守る中、ペトロはこの場をまとめ始めた。

 

 ペトロ とりあえずルカさんのアイデアが通ったのは事実なので

 ペトロ 怪我をした犬については予言を広めます

 ペトロ シモンさんが亡くなられたかどうかについては

 ペトロ 慎重な判断が必要かと思います

 ペトロ それともう一点

 ペトロ 下野洋助という人がシモンさんかどうかですが

 ペトロ それに関しては証拠が何もありません

 ペトロ 憶測は控えましょう

 

 憶測ではない。事実なのだ。そう打ち込みたくなる悠太だったが、ここはペトロの誤った誘導に乗るのが得策だと判断した。シモンの正体が明かされれば、自分と下野との接触も、誰かの手で暴かれてしまうかもしれない。

 悠太は、その可能性を憂慮した。

 

 マルコ ペトロさんの言う通りですね

 ルカ 私も同意します

 ヤコブB でも、シモン=下野が何か正しいような

 ルカ 少し様子を見ましょう

 マタイ まあまあ、ヤコブBさん そう焦らずに

 ペトロ ではまた明日の10時にお会いしましょう

 ヤコブA 先に失礼します

 ペトロ お疲れさまでした

 ヤコブAさんが退室しました!

 マタイ 私も落ちます おやすみなさい

 ヤコブB うーん

 マタイさんが退室しました!

 

 ヤコブBが唸っていた。そうだ、彼の勘が正しいのだ。とはいえ、ここはヤコブBに与する局面でもなかった。悠太は、味気ない挨拶を済ませて、退室ボタンを押した。画面が暗転し、ログイン画面がチカチカと点滅した。

 少年はひと息吐くと、照明のスイッチを入れ直した。寝る前に、少し頭を冷やそう。悠太は検索サイトを開き、適当にネットサーフィンを始めた。動画サイトやお気に入りのブログを巡回したあと、さあ寝ようかというところで、ふとあることを思いついた。

「そう言えば、朽木さんって詩人なんだよな……?」

 聞いたことのない名前だったが、詩を嗜んでいない自分が不勉強なだけだろうと思い、何気なく検索サイトを開いた。そして、朽木アカネと入力した。ネットで使徒の情報を集めることになるとは思っていなかったが、一方的に自分の情報だけ握られているのも癪だった。

 検索ボタンをクリックすると、一瞬で結果が表示された。大百科に載るほど著名な人物ではなかったが、ちらほらと文字列が引っかかった。新聞の記事もヒットしていた。

「結構、有名なんだな……」

 悠太はそう呟き、ザッと検索結果を一瞥した。すると、上から五番目に、某大手掲示板のスレッドが表示されていた。タイトルは『郷土詩人について語ろうPart17』。

 ここでも話題になっているのかと、悠太はリンク先に飛んだ。該当するレスポンスが表示されたところで、マウスに乗せた悠太の指が止まった。

 

 665 名もなき吟遊詩人さん 2013/07/23(火) 21:05 ID:???

 朽木アカネさんが夕方亡くなったらしい

 道ばたに倒れてるところを発見されたんだと

 

 666 名もなき吟遊詩人さん 2013/07/23(火) 21:28 ID:???

 はいはいソースソース

 訴えられるぞ あの人怖いから

 

 667 665 2013/07/23(火) 22:03 ID:???

 いや、ほんとなんだけど・・・ソースは知り合いの編集者

 明日の地方紙には載るかも

 

 668 名もなき吟遊詩人さん 2013/07/23(火) 22:42 ID:???

 えーΣ(゜д゜lll)

 黙示録買ったばかりなのにorz

 まだ三十過ぎでしょ? 交通事故?

 

「……死んだ?」

 そんな馬鹿な。悠太の中から、乾いた笑いが込み上げてきた。面白い冗談だ。よくできている。情報源が知り合いの関係者になっているのも、この手の噂ではよくある話。オカルトサイトで得た知識を思い出しながら、悠太はブラウザバックしようとした。

 右手が震えて動かない。

 少年は日付が変わるまで、その掲示板を凝視し続けた。そして、ある結論に達した。

「只居さんに会わないと……」

 それが、ヨハネの遺言なのだから。

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