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FILE:10 二ヶ所のいじめ

 今日からいよいよ2学期が始まり体育館では、始業式が行われていた。 そして僕の出番が回ってくる。


 校長先生がマイクを持ちながらこう言った。


「続きましては、知っている方もいると思いますが、8月から本校の犯罪捜査刑事として就任した餅田 将さんのご挨拶です」


「皆さん初めまして、僕は、この度この学校での犯罪や事件などを減らしていくために犯罪捜査刑事に就任しました餅田 将と言います。人前で話すのは苦手だったりまだまだな所もたくさんありますが、少しでも犯罪を犯す人を減らすことが出来るように頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願い致します」


 この時前の方にいた上田さんは、こう思っていた。


「今、私は彼と一緒に住んでるんだよ。みんな良いでしょ♪ いつか私の彼氏にして見せるんだからね♡ 」


 一方で僕に対して苦手意識を持つ女子生徒も多数いた。


 上田さんたちと同じクラスの一岡 雛ひなは、少し離れているが、隣にいる2組の人にこう話しかけていた。


「犯罪捜査刑事って言ってるけど、急にこられたりしたら嫌だよな。ここは女子校なんだし」


「だよね。いくら虐めなどを減らしていくためにって言っても女子校に男子は嫌だよ」


 それから始業式は、無事に終わり僕は、この学校を巡回してみることにした。


「この学校って変わってるんだね。1階が2年生で2階が1年生で3階が3年生って。 3階は普通だと思うけど1階に2年生は、珍しいね。でも取り敢えず巡回してみよう」


 僕は、2年1組から順番に2年生の教室を回ってみる。もちろん授業中のためゆっくり教室に入っていきこう思っていた。


「こりゃ、僕には全く分からない授業内容だな。 うん? 一番後ろの席の生徒は休みか何かでいないみたいだけど机には、なんか小さい字ではあるが、書いてあるぞ」


 そしてゆっくり気づかれないように見てみるとこう書かれてあった。


『ブスでお前は、気持ち悪いんだよ! 』


「これは酷すぎるなぁ。 しかし書いたのは誰だ? 休み時間になったら聞いてみよう。 取り敢えずおしっこに行きたくなってきたから行っておこう。しかし行きにくいんだよな、校長先生に聞いてみたら、君は犯罪捜査刑事なんだから普通に入ったら良いじゃんって軽々しくアドバイスしてくれるけど完全女子校だからトイレも女子トイレしか無いんだよ。 変態と間違えられたりしないか不安で頭が一杯になるんだよ。 まぁ、勇気を出して行くか」


 そしてトイレにゆっくりと行く。すると小さい声ではあるが、泣き声が聞こえてきた。しかし女子トイレのため声をかけるわけにはいかなかった。



「取り敢えず僕は、回りに気づかれないうちにトイレを済ませるか」


 僕は、トイレを済ませた。すると泣き声が聞こえていた部屋から生徒が出てきたので誰なのかを追求してみることにしたのだが、生徒が入っていたトイレの扉が開いていたので、少し目に入ってしまい見てみると酷い荒らしが壁に書かれてあった。


『紗江は、ブスで気持ち悪い上にいじめるの大好きだよな。早く消えてくれないかな』


「これはさっきより酷すぎるなぁ。急いで追いかけてみよう」


 急いで追いかけてみると2年1組の教室に入っていき酷い文字を書かれてある机の席に座った。


「これは、恐らく酷い文字を書かれてあるのをみてさっきトイレで泣いてしまってたんだな。 しかし酷いいじめだし名誉毀損の罪に問われてくるかもな、いじめた人は」


 そして僕は、今のうちにトイレに書かれてあった酷い文字を写真に納めてから急いで文字を消す作業に入っていきスポンジや強力な洗剤などを使って授業中の時間内に何とか消し終わった。


「何とか消えたな。やれやれだぜ、そろそろ休み時間に入るな」


 するとチャイムがなり休み時間になりその女子生徒は、出てきたので後ろから少し声をかけた。


「すみません。少し気になることがありますので宜しいでしょうか? 」


 すると生徒は、前に振り向いてくれた時にお互い気づき僕は、こう言った。


「あっ、君はあの時の! 」


「あっ! あんたいきなりどうしたんだよ。言っておくがあれから誰も苛めてないからな。疑うなら調査でも何でも勝手にどうぞ。あんたに構ってる時間はありませんので」


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