27話 生息域と採取
モンスターの分布についてのお話。
後は再びのマジックバッグ内の小山作成です。
ジャンル別の月間ランキングで8位に入っておりました!ありがとうございます!
結局、草原をほっつき歩いていたゴブリンを草に潜みながら土魔法のアースショットを顔に当て、視界を奪った後に大鎌で首を狩った。ついでにもう1体ゴブリンがいたので、投げナイフで足を傷つけて走れなくさせてから同じく首を貰った。己は暗殺者か何かか。
「どうでしたか!」
「うん、まぁ…大丈夫そうだね」
ウィーツからここら辺での戦闘に問題なしとお墨付きをもらった。苦笑していることからえげつないとか思われてそうだけど、採取と観察のためならばゴブリンの首はいくつでも狩ってみせよう!
「そういえば、ゴブリンって別に素早くないですよね?何でここにいるんですかね」
「そりゃあいつらは何処にでもいるモンスターだからね。ついでに言えば、ここら周辺はあくまでも素早いモンスターがたまに出るってだけだよ」
「なるほど」
考えればそりゃそうだよな…別にエリアが壁で隔てられているわけじゃないだろうし、必ずそのモンスターしか出てこないとかだとそのうち飽きられちゃうもんな。
「ああでも、ここらではたまに弓を持ったゴブリンが出てくる時があるね」
「弓ですか」
「そう!しかも必ず棍棒持ちとの2体同時で現れるから厄介だよ。弓持ちの方は草むらに隠れて撃ってくる時もあるから気を付けな!」
「了解です!」
これでは採取がやりにくいかもしれん…観察は警戒のついでに出来そうだけど。取り敢えず、ゴブリンが出てきたら周辺の草むらも動きがないか調べてみればいいか!植物が不自然な動きや音を立てるのを判断するのは得意だしな。
草食動物か何かなのだろうか。それかフクロウ。
「他にもスライムが代表的かねえ…たまに属性を持ったやつがいるけど、基本こっちから攻撃を仕掛けなきゃ襲い掛かってくることはないし、なおかつ大体が強くないからねぇ」
「大人しいってのは会ったことがあるので知ってます。でも属性持ちもそうなんですね」
「個々の性格によるから、指標ってだけさ。それにしてもスライムは知ってるのかい?ゴブリンとも戦ったことのあるような動きだったし」
「ああ、まぁ」
あの検査というかチュートリアルエリアのことは話しても大丈夫なのか?でも、神殿からのお告げがあるような世界だし神々が作った場所って説明すればいいか。
かくかくしかじかとスライムと出会った経緯とゴブリンを狩った時の事を話すモルト。その間も警戒はしていたが、本当にウィーツが傍にいるとモンスターが寄ってくることがないようだ…便利といっては失礼だけど、採取がしやすいから有り難いかも。
「はぁーそんな経緯だったのかい。んで、そのスライムを助けたお陰で精霊の加護を貰ったと」
「なりゆきですけどね。最初は倒そうとしていましたし」
あのスライムは元気にやっているだろうか。でも、あの場所が本当に神々が作った場所だとしたら居ないんだよなぁ…泉の精霊にも腕輪のお礼を改めて言いたいし、何処かにあの花園が無いもんかな。
そんなことを考えながらも、ウィーツと共にチャージラビットを倒した場所に生えていたヨモギらしき草に向かってゆく。未来への可能性を考えるのも大事だけど、今は目の前の植物だ!
「さてこいつは何かなー♪」
【ニシヨモギ:温かい地域に生えているヨモギの近縁種。生薬として止血薬として使われることや、乾燥させ貧血改善のお茶として飲まれる。食用可:ヨモギよりも苦みが柔らかく、一年中収穫が可能】
「そっちかい!いやまぁ、ブタクサやセイタカアワダチソウと間違えなかっただけ良しとするか」
沖縄でフーチバーって呼ばれているやつだな。沖縄そばのトッピングや山羊汁に使われてる…ただ初めて生で食ったときは結構苦かったなぁ。場所によって結構苦みが変わるんだったか?
取り敢えずヨモギと同じ要領で、葉の先から15センチぐらいで葉が赤くなっていないかや葉の裏に黒点が出ていないかを確認しながら手摘みで採取してゆく。虫食いにも気を付けないとな…あと犬の落とし物とかにも。いやこの世界で気にする必要があるのか?でも、畑の肥料には糞とか使うだろうし。
「なんだい、そこのヨモギを集めるのかい?」
「あー、軽くですけどね。チャージラビットの後脚肉が手に入ったので付け合わせにお浸しでもと」
少しこれはニシヨモギだって言いそうになってしまったが、ここらに生えているのがニシヨモギだけならヨモギだけで呼ばれるだろうし、尚且つ結構見分けがつきにくいからな…それに色々な場所に行ったらしいから知ってもいそうだ。
と、若干?の葛藤を抱えながらも料理に使いたいと答えた。
「おや後脚肉が出たのかい!兎系の魔獣の中じゃあ背中と同じぐらい当たり部位の肉だよ…前脚も旨いけど、硬いから煮込みに時間がかかってねぇ」
レアドロってことかな?
「そんじゃあ今度食事処にも案内してやらないとね…あそこの店主はいい腕してるよ?」
「良いですね!それじゃあその時に渡すように多めにとっておかなくちゃ!」
ただ採取が出来て楽しいだけにしか見えないウィーツだったが
「まぁ元気な方がいいさね」
微笑ましいものを見るような顔をしながら、ニシヨモギの採取を手伝い始めた。
短縮で狩られる可哀そうなゴブリン。進行と戦闘描写短縮の犠牲となっておくれ…
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日本の良く知られているヨモギ属だと、寒い地域だとオオヨモギ(エゾヨモギ、ヤマヨモギ)、温帯地域だとヨモギ(カズザキヨモギ)、そして沖縄周辺がニシヨモギ(フーチバー)って分布になっています。ついでにお灸に使われるもぐさは、ヨモギの裏に生えている毛だったりします…あと朱肉の印池にも使われています。
ただ実際に日本に生えているヨモギ属を並べると30種類以上あるので後書きがもっと文字で埋まります…




