161話 痛覚耐性と反省
辛味に苦しんでいたら突然痛覚耐性を取得したぞ!?一体どういうことだ……確かこのゲームの耐性系って何度も毒やらを受けるとこで覚えられるって話だったよな。それなのに全く時間をかけずに覚えてしまったぞ?
「もしや濃縮薬やらで痛みを受けまくったのが原因か?」
「だ、大丈夫?我慢している顔をしているかと思ったら突然スンッて落ち着いたけど」
「大丈夫というか…大丈夫になったが正しいですかね」
『んむ~?』
どういう事と聞いてくるフェル。取り敢えずその口の周りについてる赤い汁を落とそうな…鮮血ネギの組織液か粘液なんだろうけど、不思議そうな顔をしていて口元に赤い液体があるのは若干ホラーだ。
「簡単に言えば耐性が付いたんだよ。痛覚耐性ってのがな」
『おおー…おぉ?』
「それって凄いのかって言われても、俺じゃわからん…パネットさんは何か知ってますかね?」
「勿論知っているわ。痛覚耐性を覚える方法の一つに辛い物を食べ続けるのがあるのよ~」
「そんな裏ルートがあったんですか」
驚きの習得方法だ…いや確かに辛味って痛覚が関係しているものだけどさ。だからってこういう方法を用意しておくとか思いもしなかったわ。
「それでもネギで覚えるのね…そんなに辛かったのー?」
「ええまぁ…」
『ん?』
良かったら食べる?とピリンさんにも鮮血ネギが刺さったフォークを近づけていく…流石に俺が苦しんだ後だし食わないと思う「頂きます!」……欲望に忠実だなぁ。
「うんうん!フェルちゃんからのあ~んだからとっても――辛い!!」
「でしょうね」
これで甘いとかだったら、パネットさんに目覚めの一撃をお願いしようかと思ったぞ。
「普通の強い辛味だと味覚だけの耐性になるのよ。でもライフが減るくらいの辛味になると、それを飛ばして普通の耐性を覚えるっていう真の裏ルートがあるのよね~」
「俺は見事にそっちを引いたってわけですか」
「そういうこと~」
成程なぁ…確かにちょっとだけどHPが減ってるわ。ただこれだけで習得出来るとは思えないし、濃縮薬も原因なんだろう……あの時に減っていたHPのどれぐらいを持っていたんだろうな、アレ。そして見事に娘の惨状をスルーですか。
『んぅ!』
「これで俺も同じものが食えるようになるって?まぁ確かに鮮血ネギの辛みは弱くなったけど…辛いと言えば辛いんだぞ」
ずーっと爽やかな辛味が襲ってきております。あくまで耐性が出来るだけで無効なわけじゃないもんな。
「耐性を上げていけば大丈夫なはずよ~」
「となるとこれからも辛いのを食っていけば何とかなる…」
『あむ!』
「いや、劇物液体はNGで頼む」
『むぅ』
不満げな顔をされても、もう一度なんて絶対に飲みたくないぞ!
「ほら、そこでネギの辛味をどうにかしようとしているピリンさんを見て考え直しなさい」
『……む』
ご納得いただけたようで何より。にしてもピリンさん牛乳をガバガバ飲んでるなー。
「酷い目にあったわ…フェルちゃんの誘惑に負けたばっかりに」
『やぅ』
別に誘惑はしてないんだけどとムッとした顔をしているが、今回はフェルが正しいな。なんせ食べるかって聞いただけだもの。
「もう少し落ち着きを持ちなさいな~」
「お母さんには言われたくないですー!メイプルシロップのおかげで夜遅くまで外にいたんだからね!」
「それは」
痛いところを突かれた顔をしているけど、真夜中まであの場所に居たってのは問題なので反省してください……俺もゴブリン狩りで似たようなことしたからそこは反省――――いや、あれは殲滅のためだから仕方ないか。
「さ、さて!お昼ご飯も終わったことだし宴会料理の続きをやらなくちゃいけないわ!モルトちゃんもいらっしゃ~い」
らららーとキッチンへ消えていきおった!あれは間違いなく今後もやるだろうな。
「全くもう…まぁいいわ」
「いいんですね」
『ふむぅ』
「いつもの事と言えばそうだから。それよりも早めに行った方がいいわよー」
「ですね」
もし料理に集中されてしまったら手が出せないからな!
因みにピリンが痛覚耐性を覚えていない理由は、パネットのお玉スマッシュがHPが減らないギリギリを見極めているって小ネタがあったりします。無駄な所で器用!
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