154話 試食の収穫と抑制付与
ピリンさんの話に一抹の不安…いや大いなる不安を持ったが、それも試食用の果物達を収穫していくうちに薄れていった。なんせ気になるものであれば収穫していいって言われたからな!そりゃもちろん1つ2つにして数は少なめにしているけども。
「いやぁ、見たことのないのが取れてホクホクですよ」
『んむ!』
フェルも気になったのが収穫できたようでご機嫌だ。ついでにと唐辛子とかの香辛料も収穫できないか聞いてみたのが功を制したか?そのおかげで俺のマジックバッグには様々な辛さの物が眠っているがな!一部の物なんか有名なトリニダード・モルガ・スコーピオンみたいに――ギネス認定されたことのあるぐらい辛い唐辛子だ!実の先端が細く尖ってサソリの針みたいに見えるからスコーピオンって名前がついてるぞ!――皴があったりして今から怖いぜ…なんとなしにそのことを説明したらフェルの目が怪しく光ったしさ。不安要素が増えちまったし、ついでにお玉スマッシュのことも思い出しちまったよ!
「結構いろいろと収穫したわねー」
「試せるものは試してみたいですから!」
「その気持ちは分からなくないわ…私も妖精や精霊に好かれようとどれだけ苦心してきたか!」
やはり特定の分野に特化した人って同じような思考に陥ったりするんだな……俺もブルーベリーを復活させようと試行錯誤したもんなぁ。結局どれだけやっても駄目だったけど――――いつかもっと経験値をためて再チャレンジしたいところだ。
『うあぅ』
「それをやめて普通に接することを覚えた方が良いって、お前ね」
正論をぶつけるんじゃないよ。
「うぐっ…分かってはいるんだけど、どうしても抑えられないのよー」
「どうせならアクセサリーで感情を落ち着けられる効果とか付与して、それを必要に応じて装備したらどうです?」
悪くない考えだと思うんだ。暴走する寸前で鎮静とかの効果が付与されたのを装備すればスンッて元に戻れるんじゃなかろうか?そのスンッてなる瞬間が逆に恐ろしいかもしれんが。
「……」
『む?』
「あれ、もしかして試したことあります?それともそういう効果のある付与とかありませんか?」
そうなると自力で抑えてもらうしかないか。ピリンさんが出会う妖精たちが好奇心旺盛で活発だったら問題なかったんだけど、大人しくて臆病なタイプばかり出会うらしいし…変な所で運が悪いよな。
「試してみたことはあるのよ…」
「あ、そうなんですね」
「でも、いざ使ってみたら全く効果がなかったというか……むしろもう大丈夫だと思って外したら感情が爆発しちゃって大変なことになったのよね。最終的にお母さんが止めてくれたけど――あの時はいろんな意味で意識が飛んだわ」
お玉スマッシュか?お玉スマッシュなんだな?
『んむぅ』
「ん~、確かに他の付与ならどうにか出来るかも?あの時に使ったのは覚えたての抑制の付与だったし」
「何でそんな付与したんですか」
抑制って間違いなく使い道が違うだろうに。そりゃ抑えてるだけなんだから、解除したらそのまま残って爆発するでしょうね!
「だってそれぐらいしか使えそうなのがなかったんだものー。本当は狂戦士の人が狂化のスキルのデメリットを無くすために使うものなんだけど……あれってスキル使用の間だけ暴れたくなるってだけみたいなの」
「つまり使用後は治まるんですね」
「そういうこと!私の場合は妖精ちゃんが目の前にいる状態で外しちゃったから意味なかったのよねー」
「なら治まるまで付けておけばよかったんじゃ…」
そうすれば今のフェルみたいに多少は仲良くできたんじゃなかろうか?いやフェルは元々好奇心旺盛な性格っぽいし無理か?
「私があの子たちを目の前にして感情を抑えられると思う?大人しくて可愛らしい子たちなのよ?」
『やぅ!』「無理そうですね」
外しても感情そのままなので、顔とかの変化が凄いことになりそう…
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