147話 対策と収穫開始
俺の顔は一体どんな顔になっていたんだろうと焦燥に駆られながら、フェルへの罰が軽かったかもしれないと考えていたが。それも横を向いた瞬間に吹き飛んだ…なんせそこには俺が気になる野菜や果物達がわんさか生っているのだから!
「いやぁ!やっぱここは壮観だな!」
『おー!』
そうかフェルも凄いと思うか!ここまで様々な種類が植わっているのは俺も初めて見たからな!驚いてくれるのは嬉しいぞ!俺の畑じゃないけどな!
「にしても畑に入る前はここまで輝いていないというか、言っちゃ悪いけどそこら辺にある畑と同じような感じだったんだけどなんでだ?まぁそこら辺にある畑も趣があっていいんだけど」
「それはここの付与に認識の湾曲があるからねー」
「あ、ピリンさん。おかえりなさい」
あんなにピクピクしていたのに意外と復活が早い……慣れてるのかな。そして認識の歪曲とは何ぞや?認識阻害なら知ってるけど似たようなものだろうか?
「はい、ただいまー!」
『むー?』
「フェルちゃんも気になるのね?簡単に言えば中の光景をごく当たり前のものにするって事らしいんだけど…詳しくはお父さんに聞かないとわからないわねー」
「それって認識阻害とかですか?」
「う~ん、確か光の屈折とかを弄るって言ってたし光魔法系の付与だと思うわ。認識阻害とかは闇魔法だから」
ほうほう…だから畑の外で見たときは色褪せているというか風景の一部みたいに感じたのか。雑貨屋の裏から入った時はあんなにテンションが上がったのに、外で見る分には何故か「ああ、良い野菜たちがあるなぁ」ぐらいにしか感じなかった理由が分かってスッキリしたよ。にしてもこんなのも出来るとかプロングさん凄いな。
「ここの野菜や果物達って他から見ると貴重な物ばかりらしくてそのための処置?らしいけど私にはよくわからないわ。だって村では当たり前なんだもの」
「なるほど…因みに他の場所の野菜って食べたことあります?」
「勿論あるけど、変に青臭かったりとかあったわね」
……たぶんそっちの方が本来の味だと思います。
村の野菜はやはり高級食材なんだなぁと再認識したけど、そこはそれで今は目の前の野菜に果物と魔法薬の材料になる植物たちに向き合わなければ!前に行商人が金貨の袋を置いていったとかの話はシャットアウトだ。あわよくば村の野菜が欲しいと思ってる思いは霧散したけどな!
「さてさて、入り口が真ん中からだったから野菜のエリアからか」
「村の人たちが一番使う場所だから出入り口のすぐ近くになってるのよー」
「成程、効率的ですね」
『うぅむ~』
どれも美味しそうだと?分かる。
「でもつまみ食いはしないようにな?約束を守れるなら降してやるぞ」
『ん!』
「良い返事だ。ただ一応ピリンさんに見張ってもらうぞ」
『んぶ!?』
肩車から降ろしながらそう言うと、何ですとといった感じにぐるんと振り向いてきた。そりゃ2人しか見張りが出来なさそうなのが居ないなら、より素早く動ける人に任せるって。動きの実績は折り紙付きだし。
「任せて頂戴!一挙手一投足見逃さないわよ!」
「そこまでは求めていないので…」
出来そうで怖いんだよ。なんならここにビデオカメラみたいなのがあれば、片手に携えて本当に1つの動きも逃さないように撮り始め様な予感がする…良かった録画機能的な物が異転人専用みたいで。
「さぁまずはナスから収穫していくわよ!フェルちゃんは収穫に適しているのを教えてちょうだい!」
『ぬ…んぬ』
監視付き(妖精推し)が付いたのは微妙みたいだが頼られるのは悪い気はしないようで、言われた通りに少ししゃがんだりしながら水色の茄子の状態を確認し始めた――チョロい、チョロ過ぎるぞフェルよ。
さぁここから鑑定結果を考えるのが大変だ…ただ楽しくもあるので頑張って作ります。
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