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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第3章 村の宴会
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クリスマスSS1 河川敷で拾ったナッツ 

クリスマスイブの3本投稿!こちらは前編!

 ――――これはMCOが始まる4か月ほど前。11月下旬のモルトもとい耕司のちょっとした思い出の記録。


 バキッ!

「ジングルベール!」

 パキン!

「ジングルベール!」

 ベキ!

「鐘を割る~!」

「いや何やってんのよ」

 動かす手を止めくるりと振り向くと、姉ちゃんが呆れたような顔をして突っ立っていた。なんだね改造クリスマスソングに文句でもあるのかい。


「そっちもあるけど、この寒空に庭で何をやってるのかと思って見に来たら…弟が力を込めながら何かを割っているんだもの。頭が可笑しくなったのかと思ったのよ」

「失礼な!俺はいたって正常だぞ!」

「正常ならその良く分からない歌を大きな声で歌うのをやめなさいっての。近所迷惑になるでしょ」

 それは確かに…近隣の人たち5分ほどご迷惑をおかけしました。


「しかもクリスソングなんて1か月早いわよ」

「それはまぁ今やってるのに関係してるから」

 それにクリスマスソングなんて下手すれば2か月前でもスーパーで流れるから、気にしない気にしない。

「?。で、何やってるのよ。その変なニッパーみたいなやつで何か割ってたみたいだけど」

「ニッパー…うん、ニッパーに見えなくもないか」

 個人的には片方の皿みたいな方も歯になってれば小さい枝切ばさみじゃないかと思っていたけど、そっちの方が正しい気がする。まぁどっちも違うんだけどさ。

「こいつはクルミ割り器だよ」

「クルミ?クルミなんてどこにあるのよ」

「ここ、ここ」

 俺に隠れるように置かれていた為に見えていなかったらしく、クルミを採取してきたバケツを姉ちゃんに見せる。


「これがそうなのね。何というか、小さい気がするけど」

「まぁ日本のクルミだから」

「日本のクルミねぇ……ということはお得意のやつ?」

「その通り!河川敷に生えてる木から採取してきました!」

 ちょっと食べるのが面倒なんだけど、山の沢沿いや河川敷の何でもないような場所とか結構色々な所に生えてるんでみんなも探してみてくれ!ただし山の場合は土地の管理者に採取していいかの確認が大事だし、河川敷だと採取禁止の場所とかあるんで注意だ!


「ふ~ン…食べられるのよね?」

「当たり前じゃん。今日はこれを使ってデザートを作る予定だし」

「良いじゃない!楽しみだわー」

 嬉しそうにしているところ悪いけど。

「そんなわけで…はい」

「え、なに?」

「これ割るの時間かかるんで手伝ってくれ」

 こんなこともあろうかと2つ買っておいたんで、姉ちゃんにもくるみ割り器を進呈。


「えぇ~私やりたいことあるんだけど」

「働かざるもの食うべからずってことで食わせなくてもいいんだぞ」

「喜んでやらせていただきます!」

 宜しい、んではこの浸水して柔らかくしておいたクルミを取り出して割るんだ。たっぷりあるから御代わりもたくさんあるぞ?

「おいしい物のために頑張る――って堅!」

 ふん!と声を出しながら握ったみたいだけど、まだ殻を破ることが出来ていないな…まぁ仕方がないんだけど。


 パキッ


「な、何とか割れた」

「時間掛かる理由分かったでしょ?」

「体で痛感したわ…前に観光で買ってきたのってこんなに堅くなかった気がするけど」

「あれはセイヨウグルミの一種だよ。こっちは日本産のいわゆる和グルミってやつで、姉ちゃんが割ったのは一番硬いオニグルミ」

 見事にヒメグルミじゃない方を選んだな…確かにオニグルミの方が丸っこくて大きいから中身が多いように見えるんだよな――それにヒメグルミって見た目が桃っぽいというか尻っぽいというか……ハートの形だって言われてるけどさ、方向によって見え方なんて変わるし皴も少ないから余計にそう見えるんだよ。


「……どこに行こうというのかね?」

「え、えーっと。やっぱり用事あったから「問答無用!続行せよ!」ひぃ~!」

 後ずさりしても逃がさんぞ!興奮してちょっと多く採ってきたから手が持たんのだ!




「や、やっと終わった」

「ご苦労様。報酬としてまずは生のままどうぞ」

「…なんか釈然としないけど頂くわ」

 割った中身も手分けして剝がしたんだから別にいいじゃないか…まずはヒメグルミの方を渡すとすぐにポイっと口に入れた。姉ちゃんも野草系を食べるのに躊躇いがなくなってきたなぁ。

「ん、ちょっと渋いけど確かにクルミね!それに味がちょっと濃いかも?」

「実際和クルミの方が味が濃いって話はあるね。それにセイヨウクルミよりも渋みが少ないそうだけど」

 んじゃ俺もっと…ふむふむ、生で皮ごとなのにかなり渋みが少ないな。それにこの甘みを伴ってやってくるクルミらしさのあるフレッシュな脂と香り!間違いなく旨い。


「そんじゃ次はオニグルミの方を」

「今のお尻みたいな方だったのね…」

 思っても声に出すんじゃないよ!

オニグルミは本当に硬いので、市販のクルミ割り器を買う場合は和クルミの表記があるやつを買うと幸せになります…物によってはオニグルミに負けて壊れたりします。


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