138話 品質とバケツ
どうせならエルダートレントの木材をプロングさんに頼んで艶出しの加工や細工をお願いして豪華に…いかんいかん。せっかく有用な物なんだからちゃんと活用しないと!ただこの追記を書いたのがこのゲーム内の神々なのだとしたら、あとで文句の1つでも言ってやろうそうしよう。
「大丈夫ですかな?」
「顔が面白いぐらい変化して行ってるよ」
「え?…あ、ああ大丈夫です!このペンダントもそうなんですけど、品質が特殊だったので何なのか気になってただけなんで!」
流石にスクロールを飾ろうか考えていたとは言えない!
「品質?数値じゃなかったのかい」
「えーっと、ペンダントがユニークでスクロールがエピックだそうです」
「ほうほう…一定以上の品質を超えるものや特殊な効果が付くものは、数値ではなく神々が評価したランクになるのですが両方共ですか。ただそうなるとスクロールも普通のものではございませんな?」
「そうですね…攻撃スキルスクロールってやつで、使用者の適正からランダムで取得するやつみたいです」
「結構なレア物だね!ダンジョンの守護者や今回みたいなデカブツを倒したときにスクロールは手に入ることはあるけど、それでも完全にランダムなことが多いよ!」
うわぁ……とんでもないものを飾ろうとしていたんだな俺は。知らぬ間に額縁無くなってそうなぐらいなレベルのやつじゃん!初レイドボス討伐の記念品みたいな感じなんだろうけど奮発しすぎなのでは?他にもこういう初の称号で渡されるんならインフレが起きそうだけど…流石にそこらへんは調整されてるよな?
「こうなるとこのあとのやつも怖くなってきました…」
「まだあるのかい?」
「流石にこれが最後なんですけど、エルダートレントを討伐した記念品っぽいです」
「となればそれなりの物であることは確かですな」
頼む!フォルクさんの言うとおりにそれなりであってくれ!この人のそれなりがどれぐらいなのかは分からないけど!
そう願いながら取り出された最後の物は…バケツ?
「バケツ?これだけ?」
蓋つきのブリキバケツっぽいけど…あのエルダートレントと何の関係性があるんだこれ?また運営の遊び心じゃないだろうな。今度こそ飾った方がいいんじゃなかろうか。
「中に何か入っていないのでしょうか?」
「あ、確かに」
それじゃパカッと…あ、これ何個かセットになってるな。んじゃまとめて開けて…………なんだこれ?
「えーっと、試験管洗う時に使いそうなブラシにキャップみたいなのとドリル?」
しかも手回し式だなこれ…何でこんなものが入ってるんだ。ん?トンカチも入ってるけど、ゴムか何かで出来てるのかそんなに重くない。何に使うんだこれ?
「組み合わせが謎すぎる…」
「鑑定をしてみてはいかがでしょうか?」
それもそうか。いきなりバケツが出てきたから混乱してたけど、調べればわかる話だ。
【樹液採取セット・品質?:樹木の神と加工の神が作り出した特殊な道具。自身の所有物限定ではあるが、これによって開けられた樹木の穴からは樹木に影響なく永久的に樹液を採取することが可能であり、ブラシには細菌の侵入防止と防虫の付与、バケツには品質を保つ付与等がある。 付与効果:――――
――なんじゃあこりゃあ!?
「それなりどころかとんでもないの来たー!?」
『まぅっ!?』
おっと、フェルをびっくりさせてしまった。
『むぅ~!』
「すまんすまん…でも本当にとんでもないのが来たんだぞ!ほら!」
中身を取り出してフェルに見せるが、困惑した顔をこちらに向けるばかり。何でだ?
「モルトや。興奮してるから良い物なんだろうけどね」
「ええ!良い物というより最高の物ですよ!」
「それは喜ばしいですな――ただ、せめてどういった物なのか鑑定の結果を説明をしてあげませんとフェル君も反応に困ると思われますよ」
……確かに。
どんなに良くても見た目はただのバケツと変な道具。
次回更新の24日はクリスマスSSの予定です…上手いことできるだろうか。
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