123話 馴染みと周囲の影響
モルトは自分の瞳がゴブリン殲滅中に変化していたのを知りません。
気楽にやっていたエルダートレント戦の時でも圧を感じたのに、本人が望んでいる竜種の更に中位の者と戦う時なんてとんでもない事になっていたんじゃなかろうかと考えながらも、肩にフェル横にカロッツさんを伴いながら村の中に戻った。そういやフォルクさん足と右腕はあの時変わってたし、本気の時は全身が竜になるとか出来るんじゃ……聞いてみたいけど、嬉々としてやってくれそうで怖いな。
「そういえば、モルト君たちは村長の家に住んでいるんだっけ?」
「ですね。今は息子さんの部屋は使われていないし、宿もないから使ってくれと言われまして」
「あー、まぁあいつなら物は置いていかないかぁ」
「フォルクさん達の息子さんをご存じなんですか?」
「そりゃあ僕もあっちもこの村生まれだからね」
あ、考えてみれば当たり前か…しかもこの歯に衣着せぬ感じは仲がいいのかな。
「もしかして幼馴染とかだったりしますか」
「正解!歳が近かったから僕とあいつとピリンちゃんの3人でよくつるんでいたもんだよ」
「ピリンさんもなんですね」
「といっても彼女は5つ下であいつは…おっとこれじゃ伝わらないか!ベールって名前なんだけども彼も1つ下なんだよ……ピリンちゃんが知らぬ間に随分と妖霊に傾倒し始めたのにはびっくりしたけど」
『うぬぅ』
フォルクさんとウィーツさんの息子ってベールって名前なのか――うん?フォークで小麦、んでベールってことは麦稈ロールベール?……謎の関連だなおい。そしてフェルよそう唸るんじゃないよ。幼馴染が知らぬ間にって言っているんだから、ピリンさんがああなったのは運命か何かだったんだよ…それか血筋。うん、そっちの方が納得がいく気がするぞ。
「……んん?となるとピリンさんってかなりお若い?」
「おや、歳は聞いていなかったのかい」
「そりゃまぁ女性に歳を聞くのは良くないので…成人はしてるってのは聞きましたけど」
ソースは母さんと姉ちゃん。それに美容や体形ことに突っ込むのもNGだ――男性に理想があるように女性にも理想があるから触れてはいけない…生きたければ止めておくんだ。
「それに普人族の人以外年齢って判別できませんし」
「ああ、それはそうかもしれないねぇ。獣人もそれなりに長生きだし、妖精なんかだとフェル君ぐらいの見た目で1000年越えの方とかざらにいるらしいよ」
『んむ。んぅ~あ!』
何?基本年を取らないし体も固定できるから当たり前だと。人によっては羨ましいだろうけど、成長したいときはどうするんだろうか…進化か?レベル上げすれば成長するのか?
「取り敢えず、もうちょっと背は伸びて欲しいかな」
『んぬ?あぅー』
「肩車されて運ばれるのが楽だから今のままでいいって…その体で筋肉が付くと思うか?」
『ん!?……んやぅ!』
それは困るし早くレベルアップがしたいと。
「村周辺にはモンスターがいないしまた今度な」
『んむぅ』
「ハッハッハ!モルト君が随分と張り切ったからゴブリンとチャージラビットがまとめていなくなっちゃったからね。グラスウルフもそっちを追いかけていったから出会わなかったろう?」
昼に暴れて兎が逃げたから夜の狼もいないのかよ…そりゃ現実でも獲物が居なければ移動するんだろうけどさ。
「代わりに他の場所では兎たちが増えて喜ばれているよ!……まぁグラスウルフのオマケはいらないそうだけど」
「ご迷惑を…」
「いやまぁ、ゴブリンの数を減らすことは悪いことじゃないからね。それに100体は居たんだろう?」
「そうですね」
『おぉー』
フェルがそんなに狩ったのかって驚いてるけど、下手すればもっと居たかもしれないな。ゴブリンの恐怖の称号は連続100体だから最低でもそれは以上狩っただろう…あの時は100体丁度だと思ったけど、間違いなく途中でチャージラビットも狩ったろうし――なんなら肉増えてるもの。
「なら集落を作る寸前の増え方だから、それの未然防止ってことでみんな納得するよ。実際その話をしたら仕方ないかって感じだったし」
事前にその話をしておいてくれるのはマジでありがたい!おかげで肩身を狭い思いをせずに全力で植物採取や種の購入が出来そうだ。
「そうだ、さっきの話に戻るんですけど」
「なんだい?」
「フォルクさんとウィーツさんの息子さんってどんな人なんですか?部屋を借りてるので気になってまして…今までは色々あって聞きそびれてまして」
主にゴブリンに妖精と老木でな!
『うぁ?』
「うん?なんでもないぞー」
変な所で勘がいいな…
カロッツは村が出来た後の生まれなので30歳未満、ピリンはそれよりも若い…あまり落ち着きがなかったりするのはそれが理由だったりします。
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