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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第2章 生まれたての妖精
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95話 妨害と投擲

順調に爆走していくモルト達…だが?

 過去を考えても仕方がないと嫌な方向に振り切って冷静になったモルト。まだ少し残った土煙の塵を風圧で追い払いながら一気に肉薄していく…若干塵が顔に当たってきてうっとしいが。


「このままいけば無事に終われそうだ!フェル、まだ握力は大丈夫か?」

『ん~んぅ!』

 背中に顎がコンコンと当たっていることから余裕がありそうだ。なら後はマジックバッグにしまった甕をぶつけるだけ――ヒュンッ

「ん?今何か横切ったような」

 ”モルトー、横に気を付けなー!”


「横に気を付けるって…さっきウィーツさんが吹っ飛ばしたエルダートレントの上部分があるだけ」

 ビュウンッ

「ぬおっとぉ!?今目の前通ったぞ!」

 一体何だってんだ!まだほかにも敵がいるのか?

『んよぅ!』

 ギュン!

「うおぉぉ!?」

 突然体が左に逸れ、またもや飛んできた物体を避けることに成功した。


「はぁっはぁ、頭が揺れる…ジェットの出力を変えて強制的にカーブさせたわけか。おかげで避けれたから助かったけど」

 突然横に揺られたことによって顔をうつ向かせ、頭を1度振り手で押さえるモルト…相当な負荷がかかったようだ。

『んや!』

 ”前!前見てー!”

 遠くからピリンさんの叫ぶ声が聞こえる。


「前?」

 降られた衝撃で俯かせていた顔を上げ確認してみるが、そこには横倒しになった巨大に老木が目に映るのみ。

「やっぱり切られたやつがあるだけにしかみえん。でもウィーツさんも横に気を付けろって――あ」

 全体を眺めていると、根元から不自然に細長い何かが繋がっているのが通り過ぎながらではあるが見えた…あれは根か?


「なるほどー。根を繋げて無理やり動かしてんのか」

 後ろを見ると枝が少し動いてるし間違いない。生きるためとはいえ物凄い執念だな。

「……感心してる場合じゃないな!」

 ヒュン!


「っと!…うん?翼果がでかくなってんだけど!?」

 そしてさっきから飛んできてるのはお前か!飛ばす数は切られる前より減ったけど、何度も避けたからか学習して1つずつの危険度が増してやがる。こんなのがさっき襲って来てたわけか…こりゃそのうち当たるぞ?

「ウィーツさん達はまだ他の根が襲ってるし、フォルクさん達は詰めがあるから動けない」

 割とやばい状況だ…でも最終的にパネットさん達が全力出せば周辺に影響はあるけど解決は出来る――

「いや、下手すりゃ麓のバーンベリーたちにも被害が出るか…それは嫌だよなぁ」

『んむ!』

「お前はアレが好物になったし尚更嫌か。いよぉし!なら出力全開でいくぞ!あの種なんか置き去りにしてやれ!」

『あぅ!……や!』

<フェルが風魔法を取得しました>

「え」

 当然魔法取得の表示に驚くモルトだったが


 ゴオゥ!

 突如今まで感じたことのない衝撃が体を襲うと同時に、その事は頭から抜けていった。




 色々と予想外なことが起こりながらも切り株まであと僅かといったところまで肉薄した強化直線番長(モルトたち)

「ッハ!?一瞬目の前が真っ白になったと思ったらもう近くじゃねぇか…出力全開とは言ったけど早いか」

 さっきまで中間地点にいたのに既にすぐ傍だよ。

『んふー♪』

 全力を出せて満足なのか非常にご機嫌な声が背中から聞こえてくる。


「お前用のマジックバッグがあればこんな衝撃を味わうことはなかったのに」

 俺のウエストバッグもそうだけど、他の人のマジックバッグにも個別登録みたいなのがされてて譲渡できなかったんだよ。もし予備でもあればフェルが甕を投下するだけで済んだんだが…いや今考えたら最初から甕を持たせて飛んでもらえば良かったのでは?俺と同じぐらいの重さだから持ち運べる筈。

「……まぁあの射出する種に割られる可能性はあったか。ならこれで正解だよな!」

 あっちが動くのは想定外だったけど上手くいってるのでよし!


「そんな訳で食らえ!」

『んぐぐぐ…やー!』

 切り株の端に差し掛かる直前で甕を取り出し下に落とす…ちょっとガクンとしたけど踏みとどまってくれたな。そして少しの放物線を描きながら甕が切り株目掛けて落下していく――が

 ビュゥ…ゴッ!パキンバキッ


「あっ」

 甕がエルダートレントの射出した種によって割られてしまった。中身のが魔力で生成したものだから危険を察知して狙いを変えやがったな!

 バシャン!

無残にも切り株の周囲にこぼれる液体。


「悪くはない感じだったのに種で軌道を逸らされた…ってフェル!?上昇してくれ!」

『む?』

 俺が慌ててるのが不思議そうなフェル。そんなやり取りをしてる間にもジェットで前にドンドン進んでいく…いかん!


「切り株の後ろは坂だ!今のままじゃぶっ刺さるぞ!」

『!?ふぬぬぬ!』

 ザザザザ…パキ「ぶふぅ!」バキン!…


「助かったぁ」

『ぷぅ~』

 急いでジェットの向きを変えてくれたお陰で何とか地上犬神家は回避できた…まぁその前にリスポーンしそうだけど。ただチャコールの枝にぶつかったから今俺の顔は真っ赤だろうな!髪もまた燃えた気がする!

「踏んだり蹴ったりだな…」

『むぅ』

正直地面に刺したい気持ちはあります。


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