第九十三話 襲撃、肉食女子
帝国辺境派遣軍飛行艦隊は、進路を帝都に向け帰途に着いていた。
アレクたち、教導大隊も飛行空母に戻り、落ち着きを取り戻していた。
ユニコーン小隊の女の子たちは飛行空母に戻ると、浴場へ向かい入浴する。
ナディアを除いた三人、ルイーゼ、ナタリー、エルザの三人は入浴を済ませ、バスローブ姿でラウンジで冷たいデザートを食べていた。
エルザが口を開く。
「やっぱり、飛行空母は快適ね。お風呂はあるし、デザートもあるし。野営は、入浴できないわ、虫に食われるわで最悪!」
エルザの言葉にルイーゼとナタリーは苦笑いしながら頷く。
ルイーゼがエルザに尋ねる。
「そういえば、ナディアは?」
エルザが答える。
「『もう少し湯船に浸かっていくから、先に行ってて』って」
ナタリーが口を開く。
「そうなんだ」
程なく、ナディアが浴場からラウンジにやって来る。
「お待たせ~」
四人はデザートを食べながら、野営中の苦労話で盛り上がる。
しばらくすると、アレクたちも入浴を済ませてラウンジにやって来る。
エルザとナディアの二人は、互いに目配せすると、アレクの元に行き話し掛ける。
ナディアがアレクに話し掛ける。
「ねぇ、アレク。隊長の貴方に、ちょっと相談があるのだけれど。……良いかしら?」
アレクは答える。
「……相談?」
ナディアが答える。
「そう。ここじゃ、なんだから、私の部屋へ」
「うん」
ナディアは自分の部屋に向かって歩き、アレクがその後をついていく。
エルザは後ろからアレクの両肩に手を置いて、アレクを後押しするように歩いていく。
エルザが口を開く。
「ルイーゼ! ちょっと、アレクを借りるわね!!」
エルザの言葉に、ルイーゼはきょとんとして答える。
「え。ええ」
三人は、エルザとナディアの部屋に向かう。
部屋には、ナディア、アレク、エルザの順に中に入る。
三人が部屋に入ったのを見計らって、エルザはドアに鍵を掛けた。
アレクがナディアに尋ねる。
「それで……、相談って?」
ナディアは、バスローブを脱いで全裸になると、部屋の奥にある椅子にアレクの方を向いて浅く腰掛け、アレクに両脚を広げて見せる。
「……ねぇ、アレク。私のココって、人間の女の子と比べてどうかしら?」
ナディアの行動にアレクは驚く。
「ええっ!?」
エルフのナディアは、人間の女の子より華奢であり、線の細い身体をしていたが、妖精のように美しい身体をしていた。
エルザは口を開く。
「ああっ!? ナディア、ずるい! 一人だけ、やけにお風呂が長いと思ったら、自分だけ剃ってたのね!」
ナディアは、妖しげに微笑む。
「ふふふ。事前の準備が大切なのよ」
ナディアは、頬を赤らめ恥じらいから顔を背けるが、横目で自分を見詰めるアレクの反応を窺いながら続ける。
「……私も男の子に見せるのは初めてで恥ずかしいけど……アレクなら良いわ」
焦るアレクは、しどろもどろに答える。
「いあ……凄く、綺麗だと思う」
エルザが後ろからアレクに抱き付く。
次の瞬間、エルザは掛け声と共に、アレクのズボンとパンツを一気に踝までずり下げる。
「おりゃああ!」
「なっ!?」
アレクは慌てて、下げられたズボンとパンツをたくし上げようとする。
「な、何をするんだ!?」
ナディアとエルザは、慌ててズボンとパンツをたくし上げようとするアレクをベッドの上に押し倒す。
「そ~れ!」
アレクは、踝まで下げられたズボンとパンツに足を取られ、ベッドの上に倒れる。
アレクがベッドの上に倒れたのを見計らって、ナディアとエルザは、仰向けになったアレクの上に跨る。
ナディアは、アレクの顔の方を向いて胸元に。エルザも裸になってアレクの両太腿の上に跨る。
エルザが口を開く。
「さぁ! アレク! あの時の『借り』を返させて貰うわよ!」
エルザとナディアの二人は、以前、剣術の練習でアレクとの賭けに負けていた。
アレクは答える。
「お前ら、なぁ!」
エルザは続ける。
「アレクは童貞じゃないでしょ!?」
「うっ……」
アレクは、ルイーゼとの秘め事を大っぴらに二人に話す訳にもいかず、回答に詰まる。
エルザは、勝ち誇ったようにアレクに告げる。
「隠したってダメよ! 野営の時、ルイーゼの声も夜通し聞こえていたんだから! ……おかげで、こっちは女二人でどんなに切なかったことか! 節操の無いコレが悪いのよ! 覚悟なさい!」
ナディアは、アレクを誘う。
「ふふふ。……間近で見て、どう? ……あまり息を当てないでね。感じちゃうから……」




