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舞台が始まる前に終わらせる。それがスマートに決まってますわ

作者: よもぎ
掲載日:2026/02/08

常套手段と言いながら見たことがなかったので書きました。

わたくし、マリカ・ミルドレッドは所謂転生者ですの。

前世で読み漁った恋愛モノのコミカライズの一つに生まれ変わったみたいで、日常の端々で、教育の端々で、あらわたくし悪役令嬢じゃなくて?と気付いてしまった。

ということはヒロイン様もいらっしゃるということ。

あらやだ、じゃあわたくし将来的に殺されるの?とも思ってしまって。



ひとまず、ヒロイン様を貴族でなくするか、殺すかしなくちゃ、と。



手順は簡単。

まず、ヒロイン様のお父上によく似た男を雇います。

その雇った男を、点在する農村に派遣し、麻薬の原材料を内密に育て、指定した場所に納めるよう言いつけます。

次に、その原材料を麻薬にするスラム住民を集めます。もちろん雇った男が雇い主という体で。

そしてそれを麻薬密売組織に売らせて、ヒロイン様たちの別荘にこっそり作った倉庫に売り上げを積み上げていく。


これで何もかもがおしまいになったわけですのよ。


計画を立てたのは十二歳の頃。

十五歳、原作が始まる一年前に匿名の通報を積み上げさせて、ヒロイン様のおうちが調査されるように仕向けて。

こちらが予想して計画していなかったこととして、別荘に作った倉庫を夫人は発見していたらしくて。

豪遊、なさっていたらしいわ。麻薬の売り上げで。


そのせいで貴族としての収益よりも派手派手しい生活っぷりに目をつけられていたのもあって。

迅速に調査が入り、ヒロイン様も、ご両親も、ご家族も、貴族ではなくなったというわけ。

麻薬の売り上げは全没収。ある程度の間は生きていけるだけの財産を残して残りも没収。

貴族としての身分も剥奪されて、家は分家が継いだそうですわ。



思った以上に事が順調に運んで、わたくしは満足。

もしかするとひどいと思っていらっしゃる、神的存在がいるかもしれないので弁明を心の内でだけしますけれど。

わたくし、悪役令嬢という役ではありましたけれど、貴族の集まりで男性を侍らせ散らかす行儀の悪いヒロイン様に堂々注意するだけの役目しか背負っておりませんでしたのよ。

確かに甘々ラブロマンスで貴族令嬢らしく慎ましく淑やかにを押し付けるうざったい役割ではあったと思うのですけれど。

でも、最終的に、ヒロイン様に侍っていた騎士候補生に切り殺されて終わる予定だったのです。

そうして愛ゆえに障害を切り捨てた候補生は捕縛されるのですけれど、ヒロインはそれを一晩泣いて切り換える――冷たいお方よね。


そういうわけですので、過剰防衛かもしれないけれど、殺していないだけ優しいと思っていただきたいところでしてよ。

そもそも、公爵令嬢たるわたくしが注意してやめない周囲もおかしいのだけれど。

まあそんなおまぬけさんたちも、ヒロイン様がいらっしゃらなければ特定のご令嬢に侍って逆ハーレム要員になったりはしないでしょうし。

わたくしも、もし逆ハーレムを見つけても表向きには注意しないようにすればいいだけですし。


世界の強制力が新たなヒロインを生み出したところで、貴族的に処分すればよいだけだし、できると今のわたくしは知っている。

それだけで十分ではなくて?

そもそも。

王家に縁がある公爵家が不快と示せば、周囲の貴族も動くのが当然というもの。

甘々ラブロマンス世界そのままではないのだから、新たなヒロイン様が擁立しても打ち砕いてしまえばそれでいいのですわ。


表向きには、というか通常営業のわたくしは、慈善活動も行っている上に、関係が少しでもある令嬢たちには優しく接しているので、好感度は全体的に高くってよ。

もちろん意識してそうしているのだけれど。


だって、家族の中でだけ評判がよくてもわたくしを守る盾として不十分じゃない?

だから貴族内での評判を良くして「なんだか悪い噂があるけど、マリカ嬢がまさかそんな。噂は噂だよね」と結論付けられるように行動しているに過ぎません。

別に、慈善活動だって、家のお金を使って孤児院や修道院に寄付をしたり、家の料理人が作ったクッキーを持っていって訪ねてにこやかに交流したりする程度ですし。

わたくしは肉体労働一切しておりませんのよ?

なのに評判がよくなるのだから、しないのは損というもの。



さぁて、原作を崩壊させたのでわたくしは自由ですわ。

跡取りですから婿取りになりますけれど、原作の顔がいいだけのおまぬけさんたち以外から優秀な婿をもらわなくてはね。

恋愛感情は育てていけばよいだけなのだから、とりあえず優秀さを優先して。

集まった令息の中から、ビビビと来た方を内定すればよいだけ。

幸い両親はわたくしにある程度の決定権を委ねてくれているのだもの。

わたくしこの方が、と言えば、問題なければその通りになるはずですもの。


忙しくなるけれど、人生の半分がたはせわしないのは当たり前。

わたくしが産む、次の跡継ぎが家を継ぐまでの辛抱だと思って、生きていくことにいたしましょうね。




この悪役令嬢ちゃんはある程度大きくなってから前世を思い出してるので思い切り貴族です。なので自分より遥かに家柄が低いヒロインちゃんを消すのに躊躇ないです。

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