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童話と詩作と物語

エール

作者: 辻堂安古市
掲載日:2025/11/06




友よ

傷ついた友よ


今君に

どの様な言葉が相応しいか

僕は考えている


友よ

僕と似たような傷を抱えている友よ


今君を

どの様な言葉が癒してくれるのか

僕は考えている


友よ

今途方にくれている友よ


今君が

何に傷つき何を悔いているのか

知らないまま話しかける僕を

どうか許して欲しい







「僕も色々経験してきたよ」

「それでもいつか立ち上がれるよ」

そんな気休めの言葉なんて

僕は君に言いたくないんだ


ただ僕は 「死を望む程辛い」 という事が


例えそれを選んだ事で卑怯者と罵られようと

例えそれを選んだ事でその一時は苦しもうと

それにも関わらず狂おしい程の思いであると


それだけは分かっているつもりだ






生から逃れ死を望み

それでも死にきれず

毎日を生きてしまう

そんな自分に対して

絶望しつづける毎日


何かを望みにして

何かを頼りにして

なんとか生きてる

心が綱渡りしてる


いつ終わるかしれぬ日々

それを生き地獄と言わず

他に何と言えばいいのか

その答えは未だに知らないでいる


ふとした時に湧き上がる

掻きむしりたくなる悔恨

引きちぎりたくなる憎悪


巻き戻せぬことを知りながら

なお それを望んでいる自分

そんな自分が 疎ましくなる






罪は完全には消えない

傷は完全には治らない

一生それは影のように

付き纏ってくるだろう


それでも、「前に進むこと」を選ぶのなら。






友よ

僕は君の隣を歩こう


君に何があったかは知らない

君が何をしたのかは知らない

君が何を悔いているのか

本当のところは知らない


僕は君の抱えているものを

背負って軽くすることはできない


ただ一つだけできることは

「僕が知っている君」を信じて

君が光を見つけるその時まで

君の隣を一緒に歩く事だけだ






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