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西京ネズミ―ランド(1)

 優子は、アイちゃんの母親を懸命に探すものの見つけられないでいた。そこまで人が多いわけではないのであるが、そこはやはり、遊園地。障害物が多い。

 そこで優子は考えた。ない知恵絞って考えた。上からみればいいんじゃない?

 優子たちは観覧車に足を向けたのだ。

 まぁ、そうは言いうものの、実のところ、楽しそうに遊んでいるムンネたちが妬ましかっただけなのだ。なんで自分だけチャイ子を探さないといけないのだろうか。そんな気持ちが優子の中に芽生えていた。しかし、優子は優しい子と書いて優子である。母親と離れ離れのアイちゃんを見捨てることなんてできはしない。まぁ、単に押し付ける先のプアールが、現在、megazonでこき使われて、ココにいないので仕方ないのである。そこで、優子は母親を探すという名目で、観覧車に乗ろうと考えたのである。実に策士。というか、誰も、そこまで、優子に期待していないと思うのだが……気のせいか?

 

 大きな観覧車の前で順番を待つ優子とアイちゃん。観覧車はこのネズミ―ランドの中でもひときわ大きい。その高さは20階建ては有ろうか。そしてその外周には、色とりどりのゴンドラがついている。そして、その大きな輪っかの外周から金属の棒が、その重さを支えるために中心へと伸びている。その金属が結びつく観覧車の円の中心には、小さな円状の丸いカゴが一つあった。まるでハムスターのおもちゃのようである。その小さな円に金属の棒が次々と接続されているのである。しかも、その円の中では、何かがせわしく必死の儀様相で動いている。観覧車のギミックなのだろうか。その円状の籠の中で懸命に走る姿は実に滑稽で面白い。マジでハムスター! でも、実はそれって、ハムスターではなくて人型なのよ!


 観覧車のゴンドラから園内を見下ろす優子は二つの影を見つけた。そう、女と男の影である。ヤドンとムンネではないぞ。あれは、もう、優子の眼中には入っていないのだ。まさに、アウト・オブ・眼中である。話戻って、男女の影は、ソフトクリーム屋さんの前でいちゃついていた。その二人に、つかず離れず付きまとう黒服のボーイたち。どう見てもあの女がアイちゃんの母親チャイ子だろう。とすれば、その片割れの男が、逃げたホストか。

 ホストの男が、ソフトクリーム屋さんへと走っていく。どうやら、女にソフトクリームをねだられたようだ。とすれば、あの二人は、そのあたりでソフトクリームを食べるはず。おそらく観覧車が地上へと戻るぐらいまでは、その場を動くまい。

 アイちゃんの母親を見つけるという大任を果たした優子は、ほっと一息、ゴンドラの座席に腰を落とした。


 優子たちが乗るゴンドラが観覧車のてっぺんに差し掛かろうとしたとき。ふと、優子は思った。

 この状態で、megazonを注文したらプアールはここまでどうやって持ってくるのだろうか。

 たしか、5秒以内に配達しなければ始末書もののはず。


 まよわず、優子は、megazonの注文ボタンをクリックした。



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