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本格始動と新年 Ⅲ´

「さて、立ち話もなんだし、サクラメントの施設を案内するわ。ヴェルル、機体を格納庫へ」とヴェルルへ指示を出しながら、風で少し乱れた肩に付かない程度のライトブラウンの髪を耳へ掛けた。

 

「承知しました」

 

 アストは「……それなら3人を手伝わせよう」とアルキオネを巣立つ先輩3人にヴェルルの手伝いとアルキオネのことを色々教える様に指示をした。


 既に打ち解けそうな雰囲気の4人、特にソフィアとヴェルルは謎の親近感があるのか、お互いの自己紹介の後にグータッチをしている。そんな2人を見て、まとめて抱き着くアーシア。潰れて苦しそうなヴェルルを救い出し注意するリリア。


「彼女たちが俺の下から去るのが惜しいよ」

 楽しそうにじゃれ合う様子を見てアストは思わず声に出す。


「あら?私達の時もそう思ってくれたりしたんですか?」と一花司令がアストの顔を覗き込む。

 

「勿論さ。誰が離れて行っても寂しいと思う」


「なんだ、変わってないと思ったけど昔より素直になったね」


 アストは「そうか?」と言いながらポケットに手を入れる。


「でも、昔と言えば最近はお前達も含め、離れ離れになった知人に会うことが増えた。ずっと第3艦隊に籠っていたら会うことは無かっただろうが……」


「私とガルシア司令官に感謝して下さいね!」


「因みに私に会えたのはエルキュール提督のお陰、かな?」


「なんでエルキュール提督の名前が出てくるんだ?」


「ある条件に従えば、"U番"取得前のブラックロータスと訓練生のヴェルルの出撃を許可すると言って下さったのよ」

(※型式番号等に表示されるU番=宇宙連合軍正式採用)


「ある条件?」


「私、というよりサクラメント・エレクトロニクスが完全独立部隊アサナトスへ加入するという条件よ」


「私もフロルからその話を聞いて驚いたわ……まぁ有難いっちゃ有難かったけど」


 九条、いや、一花司令がフローレンスに声を掛けたものだとばかり思っていたが、まさか裏でそんなやり取りがあったとは……ガルシア司令官といい、お節介爺共は俺に何も伝えず話を進めて何かを企んでるんじゃないだろうな……?


「理由はどうであれ、こうしてまた集まれたんだ。お帰り、九条、フローレンス」


「九条じゃなくて 一 花 司 令 ですよ?天音アスト た い さ!」


「それなら私はフロルでいいわよ? ア ス ト」


「何それ!?ズルい!なら私は一花って呼んで!」


「いやいや、既にシレっと一花司令 呼びさせてる九一くいちの方がズルい!」


 また始まったよ……それに比べてあの子たちは仲良くやれてて偉い


 アストはキャンキャン喚く2人を他所に仲睦まじくブラックロータスの話で盛り上がっている4人を見詰める。


 ヴェルルは握った右手を胸に当て、左手でブラックロータスの説明している個所を小さく指差している。表情こそ無表情に見えるが、嫌そうにはしていない。

 それを取り囲む3人は今までのDrive Doll(ドライヴドール)とは毛色の違う機体に興味津々だ。


 フローレンスが吠える一花の顔を抑えながら、温かく見守っているアストへ感謝した。


「ヴェルルは士官学校じゃ浮いてたみたいだから、優しく接してもらえて嬉しいのかも、アストありがとね」


「俺は何もしてないさ」とは言いながらもアストは微笑む。


「――それじゃ行きましょ!」


 パイロット達を残し、サクラメントの施設内へお邪魔する。


「今日は早上がりさせたからあんまり人いないけど、許してね」


 外観から分かってはいたがめちゃくちゃ広い施設だ。


 サラ副長が自分の端末へ施設内マップをインストールしている。


「あら、手が早いわね……秘書さん?」


「副長のサラ・ブラウン中佐です。これからどうぞ、よろしくお願い致します。ウールウォード博士」


「副長さんだったの!?これは失礼しました。でもウールウォード博士だとちょっとお堅いから、私の事は是非フロルって呼んで」


「フロル……では私の事はサラとお呼び下さい」


「フロル呼びを許されるとは、中々やるわねサラさん。私の事も一花で――」


「一花司令、それでは業務に支障が出るかと」


「ぐぬぬ、私達だけの時は一花って呼んで!――アストも!」


「えぇ……?分かりました」


「敬語も禁止!」


「はいはい……」


 一花がフローレンスに妬いてなんだか面倒なことになったぞ……エルキュール提督にこのツケはいつか払って貰わねば……

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