再会と新世代 Ⅸ ´
仲間の乗るトワソンが突然剥離した鱗と、自分が倒したハズのENIMと同じ個体に囲まれ、断末魔さえ言えずあっさりとやられていく。
「なんでだ?!皆……皆やられた!」
やっとどうにか1体倒したのに、何で同じ奴が増えてるんだよ!同じ個体は存在しないハズだろ!
エリオットは仲間がやられるまでは文句を言いながら、どうにか生き残ろうと追ってくる敵を躱し続けていた。
こんな数、訓練用じゃA装備でも振り切れない……もう、むりだ……
エリオットは後方から追われているのにも関わらず戦意を喪失し操縦桿から手を離す。そして今更ながらここへ来てしまったことを悔いた。
『OVER ALERT!!』
追い打ちを掛けるかのようにアラート音が響く。
ハハ……後ろからだけじゃなくて上からも来てるのかよ。
エリオットは絶望した瞳で上を見上げた。
「なんだ……あれ」
アラートが鳴っているならENIMのハズだが、蕾の様な形状の背部にはDDの様な推進器が確認できる。
漆黒の蕾が小さく複数の花弁を広げると、その20枚はある鋭利な先端からの光子口砲の様なものを一斉に放った。
エリオットはその攻撃に対し、反射的に両腕で目の前を守る。コックピット内が光に包まれると「父さん!!」と叫び死を覚悟した。
「………………え?……死んでない?」
先程自分に向けられたと思った攻撃は背後にいた大量のENIMを一掃し、謎の機体は倒し損ねたENIMがいないことを確認したのか少し留まると、開いた花弁を閉じ一瞬にして通り過ぎていった。
ENIMがENIMを攻撃した??
「味方……なのか?」
一瞬の出来事にエリオットは放心状態になり、通り過ぎていった謎の機体の残光を見つめ続けた。
***
テレテの周囲にいるENIMとソフィアが交戦している最中、アルキオネから敵の情報が送られてくる。
「こいつ ふえるんだ。やっかい」
イヴサ アセンドの巨大な手がテレテに張り付いているENIMを掴む。
「だけど、うろこごと ぜんぶ つぶせば」
巨大な手で強固な鱗ごとグチャグチャに握り潰す。
「――よし」
『FRONT ALERT!!』
続けて真正面から3体のENIM突撃してくる。
光子境界を前方へ展開すると光の壁に触れたその3体は特徴的な牙から溶けていき、そのまま頭部すら溶けていく。
残った胴体の逆鱗がピクピクと動き始める。
「これがふえるんだ」
巨大な両手を大きく広げ、3つの胴体を挟む様に勢いよく合掌し、指を絡め、圧殺した。
「ふぅ……ぜんぶ たおせたかな?」
すると突然アルキオネの方向で巨大な光子の光が見えた。その光の形状は、まるで魔女が乗る竹箒のようだ。
「なにあれ?すごくきれい……」
『OVER ALERT!!』
「あらて?」
ソフィアは素早く左右の巨大な手で素体全体を覆い、守りに入る。
しかしENIMだと思われた物体はとてつも無い速度でテレテを通り越し、アルキオネの方向へ向かって行く。
「アスト なにかがそっちにいった」
『何だ?!なにかって――』
「わからない。ENIMだとおもうけど、こっちをむしした」




